営業がお客さんに説明するためには、開発したプログラマーをまじえて、たとえば次のようなコミュニケーションが必要になります。
「どんな目的でつくったのか?」
「どのように使うのか」
「注意点は?」
そういったやりとりがなければ、いくらプログラマーがいい商品を開発したとしても、そのアウトプットはお客さんのもとに届かないし、うまく利用されません。すなわち「成果が出ない」ことになります。
ほかにも、例えば新製品のチラシをつくるときにも、コミュニケーション能力が問われます。そのチラシは、あなた以外の社内の人が「これを読んだら売れそう!」と思うのはもちろん、チラシを読んだお客さんが「買おう!」と思うようなものでなければなりません。お客さんが「買おう!」となるには、お客さんの立場に立った、お客さんの心を動かす(=成果につながる)チラシ(=アウトプット)が求められます。
このように、ほとんどの仕事には、自分のアウトプットを誰かに利用してもらうために、相手に何かを伝えなくてはならない場面があり、そこにはすべて「コミュニケーション能力」が求められます。だから、「コミュニケーション能力がないと、仕事ができない」ともいえるのです。そう考えると、就職活動において「コミュニケーション能力」が重視されることにもうなずけますよね。
文・安達 裕哉
1975年東京都生まれ。筑波大学環境科学研究科修了。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間コンサルティングに従事。在職中、社内ベンチャーであるトーマツイノベーション株式会社の立ち上げに参画し、東京支社長、大阪支社長を歴任。大企業、中小企業あわせて1000社以上を訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。その後、起業して、仕事、マネジメントに関するメディア「Books&Apps」(読者数150万人、月間PV数200万)を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う。
『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」は どう身につければいいのか?』http://www.njg.co.jp/book/9784534055170/
コミュニケーション能力とは何か、どう身につければいいのか? 1000社以上を訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をし、150万人の琴線に触れた人気サイトBooks&Appsを運営する著者がその答えや暗黙ルールを明らかにします。
※この記事は、『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』のP51~56の内容をもとに、就活生の読者向けに再編集したものです。