実は「2」で紹介した三つの要素には、もっとも大切な要素が欠けています。それは、「 分析によって明らかになった問題に、どのように対処したか」です。 自己PRでは、この点にもっともボリュームを割いてアピールすることを意識しましょう。たとえば、以下のような流れです。
・TOEICのスコアを分析した結果、「Listening」のスコアが伸びていないことが明らかになりました。そこで、耳の読解力を鍛えるという目的をもって、解説を読むのではなく、解説の音源データを聴きながら読むという勉強方法をとることにしました。この結果……
・各チームの状況を確認した結果、Cチームのパートリーダーに負荷がかかりすぎ、そのためCチームの進行に遅れが生じた結果、チーム全体の足並みが揃わなくなっていることが判明しました。そこで、Cチームに割り振った作業を、A・Bチームに割り振りなおすと同時に、私のチームから2名をCチームの応援に回しました。この結果……
このように、分析によって明らかになった問題にどのように対処し、その結果どうなったかという流れをワンセットで説明しましょう。
分析力をアピールする場合は、 「問題を抱えた状況」⇒「問題の所在を明らかにするための分析観点」⇒「分析で明らかになった問題への対処」⇒「結果(問題解決)」という流れとなります。 分析には、「観点と対処」の2つの要素があり、アピールを膨らますことができるのは、「実践した対処法」であることを意識して、シナリオを作成して下さい。
文・岡 茂信 (おかしげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に「就職活動がまるごと分かる本」「エントリーシート完全突破塾」「適職へ導く自己分析」がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」(
http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。