自己PRで「人を巻き込む力」をアピールする方法!自己PRに欠かせない4大要素とは【例文あり】

自己PRで「人を巻き込む力」をアピールする方法!自己PRに欠かせない4大要素とは【例文あり】

2021/07/13

自己PR

自己PRで、「人を巻き込む力」を自身の強みとして伝えたいという就活生は少なくありません。確かに”巻き込み力”には、デキるビジネスパーソンに欠かせない要素が詰まっています。ここでは、「人を巻き込む力」を効果的にアピールするポイント、方法、注意点を解説し、例文も紹介します。

そもそも「人を巻き込む力」とは何か?

人を巻き込む力とは、目標を設定したうえで周囲の人々の関心を喚起し、目標達成に向けて団結することを促せる力です。自分一人では達成できない高い目標に挑戦する時に発揮されます。

ポピュラーなのは、サークル活動などの集団活動に絡めたアピールですが、自分個人の力を伸ばした時のアピールでも使えます。たとえば、「TOEICスコア850突破に挑戦した。しかし1年間取り組んでみたが届かなかった。モチベーションが下がってきた。自分の気持ちを立て直すためにもよきライバルが必要だと思った。英語が得意なAさんに声をかけ、共に挑戦する仲間になってもらった」といったシチュエーションです。ただし、ネタが集団活動と個人的な活動ならば、集団活動のほうがインパクトがあります。

企業が「人を巻き込む力」を必要とする理由

企業が「人を巻き込む力」を求める理由は、「集団は目標を見失いがちなもの、個人のモチベーションは低下しやすいもの」という前提に立っているからです。

たとえば、5つの課から成る部があったとします。部長は五人の課長がベストを尽くすよう促します。各課長が、それぞれ3つのチームを抱えている場合、課長たちは15人のチームリーダーにベストを尽くすよう働きかけます。

つまり、この一つの部ですら「部長+5人の課長+15人のチームリーダー=21人」もの「巻き込む力を持った人」が必要になるのです。大企業ほど、大勢の「巻き込む力をもった人」が必要になります。

「人を巻き込む力」をアピールする際のポイント、注意点

以下に自己PR作成時のポイントを紹介しましょう。

1.巻き込む力を発揮する主体者

チームを引っ張るリーダーが巻き込む力を発揮するエピソードが一般的。
・巻き込む力を発揮するのはリーダーに限定されるわけではありません。プロジェクト管理力も技量もあるが巻き込み力は弱いリーダーだっています。そのリーダーをサポートする立場でメンバーに働きかける巻き込む力もあります。

2.巻き込む力で大切なのは引率力

「この目標に挑戦してみない? さぁ、一緒に頑張ろう」は、目標挑戦のスタート時だけの「人を巻き込む力」。実際には、メンバーのモチベーションを維持する(脱落者を出さない)「巻き込み続ける力」が大切になります。これに関連するネタとして、「巻き込んだ者としての責任の自覚=自分が脱落するわけにはいかない」という心理描写や、「問題や困難にぶつかり活動が停滞した時にいかにして問題解決を図ったか、メンバー間の衝突によるチーム分裂の危機に際していかにして協調意識を喚起したか」などがあります。

3.巻き込んだメンバーも主役という意識を持つ

メンバーを活かせていなければ、独りよがりな活動という印象を持たれかねません。そこで、「主体性を発揮することを狙って後輩にも権限を委譲した、創造力の発揮を意図して積極的に意見を取り入れた」など、メンバーの活躍力を引き出したエピソードを盛り込みたいところ。自分はもちろん、メンバーも主役にできる人が企業から高く評価されます。

4.弱点を自己分析すれば、自己PRの魅力が増す

一定期間の目標挑戦ネタでは、締めくくりのお約束「自信がつきました・成長できました」に「こんな自分の弱点が見えました」も加えると自己PRの魅力が増します。たとえば、「この挑戦を通して、Aの能力を伸ばすことができました(成長できました)。同時に弱点Bがあることに気づきました。現在は、この克服のために、このような努力をしています」と。

人を巻き込む力をテーマとする自己PR例と解説

以下に自己PR例を紹介した上で、解説を加えます。

 私の武器は「人を巻き込む力」です。この力をゼミの有志と挑んだ「模擬交渉大会・大学の部」で発揮しました。この大会は交渉スキルの獲得・向上を目指すもので、以前はゼミの一環で参加していたのですが、この数年は活動が途絶えていました。(※1)
 まずは指導教官の許可をいただき、同期の3年生に大会パンフを配りました。しかし、「サークルで忙しい」など、反応は芳しくありません。想定内でしたが、一人ものってこない状況には意気消沈しました。(※2)
 そこで、「まずは一人の賛同者を得る」に方針を切り替え、成績優秀なAさんにターゲットを絞りました。「Aさんの頭のよさに交渉スキルが備われば就職後に役立つ」とメリットを訴えたところ、「大会の参加最低人数5人が集まれば参加する」との内諾を得ました。次に、「就職活動にも役立つから」と次期ゼミ長候補のBさんを誘い、興味を持たせることに成功しました。二人が関心を持ったことが知れると、他に4人が一緒に活動したいと申し出てくれました。(※3)
 リーダーはBさんにお願いし、私は事務や情報収集を担当しました。大会出場経験のあるOB・OGに連絡をとる、大会に関連する動画集めなどを行いました。また、活動開始3カ月後にC大学との練習試合も取りつけました。結果は散々なもので、表現力、知識量がまったく足元にも及びませんでした。(※4)
 誰も口にはしませんでしたが、「このまま活動を自然消滅させるのもあり」という空気が漂ってしまいました。焦った私は先輩に週1回の指導をお願いしました。(※5)
 指導者を得て、チームは再びやる気を取り戻しました。「入賞」から「自分たちのスキルアップのため」へと目標を下方修正しましたが、地に足のついた活動になりました。(※6)
 先日の大会結果は予選敗退でしたが、興味を持つ後輩も現れ、活動を楽しく継続できています。(※7)
 このゼロからの活動を通して、仲間を集めれば世界を広げられることを学びました。一方、交渉スキルを学ぶ過程で、論理性に欠ける点が自分の弱点だと痛感しました。この克服を意識し、ゼミのプレゼンやサークルでの発言内容に意識を配っています。(※8)

ポイント解説

(※1)巻き込む力の発揮は、何かを新たに始める、停滞気味の活動に喝を入れてギアアップさせるエピソードなどとなります。その活動内容が一般的でない場合は、「この大会は交渉スキルの獲得・向上を目指すもの」のように説明を加えましょう。

(※2)スムーズに進まないから巻き込み力が必要になります。したがって、不調・期待外れなどは必須エピソードです。

(※3)これが巻き込みエピソード。※2と※3はセットになります。ESの場合は、文字数の制限から文例のようにシンプルになりますが、実際は、「Dさんは誘ったが駄目だった、Eさんも誘ったが駄目だった。でも、こんな資料を見せたらEさんが考えを変えてくれて、加えてFさんを誘ってくれた。そうすると、Gさんも話を聞きたいと言ってくれた」などの多くのエピソードがあるはず。これらは面接で話すネタとして整理しておくといいでしょう

(※4)あらゆるテーマの自己PRで紹介される活動エピソード。自分の役割や困難を紹介しましょう。文例では、「Bさんにリーダーを任せた」と、メンバーの長所・能力を活かす姿勢を加えている点がポイント。Aさんおよび他の4人の役割と活躍エピソードを面接で紹介できるように準備しておくといいでしょう。

(※5)困難をどう乗り越えたかのエピソード。先輩を巻き込んだエピソードともなっています。また、「先輩に指導係をお願いした」は、チーム消滅回避やモチベーション維持のために行動したというアピールでもあります。「先輩が別の先輩も誘ってくれて指導が充実した」など、巻き込みが起点となって発展したエピソードがあれば、面接での隠し玉エピソードとして温存しておきたいね。※4と※5はセット。

(※6)一見、「後ろ向きエピソード」に思えますが、現状分析に沿って目標を柔軟に変更できるアピールとなっています。

(※7)「入ゼミした後輩が興味を持った。その後輩の友人は他ゼミだったが活動に参加した。ゼミの垣根を越えた活動に発展しつつある」などの活動発展エピソードがあれば、面接での隠し玉として温存しておくのも一手です。

(※8)お約束の「成長・学び」の締めくくり。これに、「弱点と克服の取り組みネタ」を加えている点がポイントです。日本人は「謙虚さ」が大好き。採用担当者や面接官の心をつかむ確率を高められるはずです。

監修・文/岡 茂信 (おか・しげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に『就職活動がまるごと分かる本』『エントリーシート完全突破塾』『自己分析 適職へ導く書き込み式ワークシート』『仕事のホントを知る!見る!考える!インターンシップ』がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。

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