自己PRで留学経験を上手にアピールする方法【例文あり】

自己PRで留学経験を上手にアピールする方法【例文あり】

2021/08/14

自己PR

海外留学をしたことがある人なら、自己PRで「留学経験」をアピールしたいと思うもの。しかし、昨今留学は珍しいものではなく、伝え方には工夫が必要です。ここでは、「留学経験」をアピールする際の方法を紹介し、例文を交えながらポイントと注意点を解説します。

留学にインパクトはあるのか?

結論から言えば、留学にインパクトはあります。こう結論付ける理由を、事実をもとに紹介しましょう。

・書類選考段階で、大手企業の多くが語学に関連する資格の有無、TOEIC・TOEFLのスコア、留学経験の有無の記入を求めている。
・採用力の高い企業の中には、応募資格としてTOEICスコア850以上、海外在住経験3年以上などの条件を設定している企業もある。
・内定式当日に、内定者全員を対象にTOEICの試験を実施する企業もある。内定者教育でも英語でのレポート提出を課題としている。
・大手企業全体で見れば、使える語学力を持った人材は少ない。ドキュメントを読みこなせる人材は若手であっても頼りになるので抜擢されやすい。

これらは、企業が語学力に関心をもっている証拠です。資格やスコアなどで示す語学力に留学経験が伴っていれば、より強いアピールポイントになります。

留学経験のみで勝てるのか?

留学経験があれば安泰というほど就活は甘いものではありません。なぜなら、人気の大手企業ほど、留学経験を持った学生が応募してくるからです。留学をメインアピールとする場合は、留学経験者と競うという認識を持ちましょう。

加えて、語学力を必要としない企業や部署を希望している場合は、留学経験は決定打とはならないことに注意しましょう。

留学経験を持つ応募者たちは何を比較されるのか?

まず、TOEICの最新スコアが比較されます(留学経験があっても語学力が伴っていなければ意味がない)。次に、留学先の大学名や期間、語学研修か単位互換かのコースを比較されます。

たとえば、留学先が世界大学ランキングの30位以内に入っている単位互換コースなどの付加価値がある留学であれば注目されるでしょう。(他には、奨学金を得て留学した、在籍する大学の授業料だけでなく、留学先の授業料も免除されたなど)

しかし、これらの比較だけで内定が決定するわけではありません。選考結果を最終的に左右するのは、あくまでも人柄です。人としての魅力を感じてもらえなければ、いくらスコアが数十点高くとも負けることになります。

留学経験を振り返り、経験から得た強みを確認しよう

人柄が勝負を分けるのですから、留学経験を振り返り、自信がついたこと成長できたことを確認しましょう。たとえば、

・挑戦心
・実現力
・度胸
・ゼロからのコミュニケーション
・タフさ、順応性

ここで確認した強み(自信・成長)が、自己PRの核となります。

人間力+語学力+留学で特別選考コースを目指せ

繰り返しますが、留学ネタでアピールする場合は、留学経験を持つ人たちと競うことになると考えましょう。よって、留学経験は決定打となりませんから、上で確認した「挑戦心」「コミュニケーション力」「タフさ」といった人間性のアピールで勝つ必要があります。

裏返せば、たとえばリクルータに人間的魅力を認められた上で高い語学力の伴った留学経験があれば、大半の応募者とは違う特別な選考コースに乗ることもできます(内定を前提として、他の応募者よりも前倒しで選考を進めてもらえるコース)。

留学経験のアピール例

(※TOEICスコアや留学先大学名、期間、授業料免除の有無などは、応募書類に記載済みを前提としています)

 大学生活で力を入れたのは留学で、世界大学ランキング24位のA大学に留学することができました。(※1)留学を実現するためには、まずは学内選考に勝ち残らなくてはなりません。そのため、語学だけでなくすべての授業に満遍なく力を注ぎました。実は最初のチャレンジではスペイン語圏の大学留学資格しか得られず辞退しました。それだけに、翌年、希望の大学への留学資格を得られたときの喜びはひとしおでした。(※2)
 留学は夢見た通りの素晴らしい日々でした。しかし、数時間の睡眠しかとれないレポートなどの課題の多さと、それを当たり前にこなすさまざまな国からの留学生たちには、最初は圧倒されました。(※3)
 留学の最大の収穫は語学力以上に、カリキュラムを乗り切ったことと留学生たちと互角に渡り合えたことから得た自信です。この自信は私に積極性をもたらしました。(※4)帰国後は、複数のインターンシップに積極的に挑戦し、選考やグループワークを楽しんでいます。(※5)
 今の私に萎縮という言葉は無縁です。未知の仕事にも全力でぶつかれば突破できるという自信があります。よろしくお願いいたします。(※6)

ポイント解説

(※1)世界大学ランキング歴史性など、大学の売りを軽くアピールしておいて損はありません。

(※2)留学資格取得までの苦労ネタがあれば上手に活用しよう。苦労が伴った経験のほうが、印象が強くなる。

(※3)楽しんだエピソードよりも、自分を鍛えることに繋がったエピソードを盛り込もう。このエピソードは、留学の定番ネタともいえるので、経験を振り返り、自分にとって大きな糧となったエピソードを紹介しよう。

(※4)留学ネタでアピールする場合の重要ポイント。留学で語学力を得られることは当たり前なので、「留学最大の収穫は語学力以上に〇〇」とアピールしよう。※3と4は連動しており、※4で語学力以外に何をアピールするかを決めた上で、※3のエピソードを選ぼう。

(※5)留学がピークではなく、留学を糧に帰国後から現在までの日々も充実させようと努力しているエピソードを加えよう。留学だけのアピールで終わってしまう人も多いので、差別化のポイントと認識して欲しい。

(※6)未知の国で挑戦したのは素晴らしいこと。最後の一行までアピールしよう。「今の私に萎縮という言葉は無縁です」このような強く言い切る形でアピールしてみよう。

●参考「留学ネタ整理ワークシート」

自己PRを作成する前に記入してみましょう。

留学前後の語学関連資格やスコア (留学前/留学後):
留学で成長できたこと・自信がついたこと:
留学して変化した視野(興味)・価値観:
他国の留学生から刺激を受けたエピソード:
授業の大変さがわかる苦労エピソード:
留学先で特に興味をもった授業テーマ:
留学をきっかけに持った問題意識:
留学先で形成された日本・日本人観:
留学先での楽しい交流:
留学を糧に留学後、力を入れていること:


監修・文/岡 茂信 (おか・しげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に『就職活動がまるごと分かる本』『エントリーシート完全突破塾』『自己分析 適職へ導く書き込み式ワークシート』『仕事のホントを知る!見る!考える!インターンシップ』がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。

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