自己PRで「コミュニケーション力」を上手くアピールする方法【例文あり】

自己PRで「コミュニケーション力」を上手くアピールする方法【例文あり】

2021/07/14

自己PR

自己PRで、「コミュニケーション力」を自身の強みとしてアピールしたい。確かに強みとなる能力ではありますが、上手に伝えないと強みと受け取ってもらえないのが「コミュニケーション力」。ここでは、「コミュニケーション力」をアピールするポイント、方法、注意点を解説し、例文も紹介します。


学生時代までのコミュニケーション力とは

学生時代のコミュニケーション力をざっくりと表現すれば、「親しくなれる力」と言ってもよいでしょう。

たとえば、入学したばかりの時を思い出してください。さまざまな見知らぬ人たちの中で、「気が合う人・気兼ねを感じない人・趣味が同じ人」などと自然と親しくなれました。中には、人と打ち解けるのが苦手で時間がかかる人もいますので、友人ができた=コミュニケーション力を発揮したと言ってもよいでしょう。

企業が求めるコミュニケーション力とは

1.企業が求めるコミュニケーション力は学生時代のものと違う

企業が求めるコミュニケーション力は、学生時代のものとは違います。この違いを明確化するために、まずはコミュニケーション力の定義を説明します。

コミュニケーション力とは、相互理解を築ける力。自分と価値観や立場が違う他者と、協調・尊重し合える関係を築ける力。

ポイントは、「価値観や立場が違う他者」です。自分と似たもの(同質性が強い相手)と親しくなる程度では、企業が求めるコミュニケーション力ではないのです。

2.企業がコミュニケーション力を必要とする理由

なぜ企業では、「価値観や立場が違う他者との関係構築力」が求められるのでしょうか? 答えの半分は、年齢差や経験差、立場による利害の差、重視する(こだわり)ことの違いなど、さまざまな差や違いを抱えた人たちの集団が企業だからです。イメージをもってもらうために、差や違いの一例を紹介します。

「企業が当たり前に抱える差や違いの一例」

1.営業部や研究開発部は経費を使いたいが、経理部は抑えたい。
2.プロジェクトリーダーのAさんは、効率重視、コスト削減で進めたいが、ベテランプログラマーのBさんは、時間をかけて機能の充実を図りたい。
3.課長はメンバーを管理したいが、メンバーは、もう少し自由にやらせて欲しい。

残りの答えは(こちらのほうが重要です)、差や違いを抱えた集団で、目標達成を目指して団結しなければならないからです。学校では、差や違いをもった他者に対して、付くも離れるも選べる余地が大きかったのですが、企業ではそうはいきません。

3.企業が求めるものはコミュニケーションスキル

企業が求めるものは、コミュニケーション力よりもコミュニケーションスキルと表現したほうが、よりわかりやすいでしょう。この点について、「企業が当たり前に抱える差や違いの一例の2」を題材にして説明します。

プロジェクトリーダーのAさんは、効率重視、コスト削減で進めたいが、ベテランプログラマーのBさんは、時間をかけて機能の充実を図りたい。

団結して目標達成を目指すためには、この考えの違いからの対立を解消する必要があるのですが、難しいのは、両者に「理」があることです(両者とも間違っていない)。

たとえばAさんに人望があり、話し合っただけでBさんが気持ちよく従ってくれたとします。この場合、Aさんには優れたコミュニケーション力があると言えます。しかし現実問題、簡単に人を従わせることのできる力をもった人は、そうはいません。したがって、企業は能力ではなく、スキルをもった人を求めることになります。

この事例の場合、以下のようなスキルが使えます。

対立点よりも上位の命題を設定して話し合う。たとえば、効率性や機能ではなく、契約で締結された納期に余裕をもって開発を進めるためには、どうするのが最適か?

譲歩を交えて合意できる点を探る。たとえば、絶対厳守の期限を設定したうえで、こだわる機能の範囲をBさんに設定させる。

第三者(上位者)に仲裁を頼み、直接対立を避ける。たとえば、課長に状況を説明し、課長が下した判断にそって進める。

「学生時代と企業の求めるコミュニケーション力の違い」

◆ 学生時代のコミュニケーション力

主に、友人関係を深める力

親しくなれるスピードが速い。

気が合う人との関係を深められる。

打ち解けられるタイプが広い。

◆ 企業の求めるコミュニケーション力

主に、目標達成のために団結力を強化、維持する力

さまざまな差や違いを抱えた相手とバランスのとれた合意点を生み出せる。

立場や主張の違う相手との決裂を避け、仕事を前に進める協力関係を維持できる。

対立する相手の心情も察し、相手を立てることも忘れず、相手の能力を引き出せる。

合意した後はわだかまりなく活動する。問題を蒸し返さない。

コミュニケーション力をアピールする際の注意点

たとえば、「私の長所は勉強力だ。その証拠に成績の3分の2は優だ」のように具体的にアピールできればよいのですが、「コミュニケーション力=相互理解を築ける力」は抽象的であるため、単に「私にはコミュニケーション力があります」と、キーワードに頼ってアピールしても相手には響きません。

また、前述したように、企業が求めるコミュニケーション力と学生時代のコミュニケーション力には違いがあるため、「初対面の相手と打ち解けられる、親しい友人が多い」という人間関係づくりのアピールだけでは力不足です。

目標を共有する人間関係をもとにしたエピソードを具体例としてアピールしましょう。

コミュニケーション力をアピールする時のポイント

・目標を共有する人間関係を題材とする。
・それぞれに理がある対立シーンを盛り込む。
・目標達成に役立つ解決策を探る姿勢を紹介する。
・対立した相手との発展的なエピソードを紹介する。対立した相手の能力を活かしたエピソードを紹介する。対立した相手とよき関係を維持したエピソードを紹介する。
・目標達成で締め括る。

重要なのは、チーム目標の達成という大テーマがあり、その活動をよりよきものとするために、自分がどのようにコミュニケーション力を発揮したかを伝えることです。

コミュニケーション力をテーマとする自己PR例と解説

以下に自己PR例を紹介した上で、解説を加えます。

 大学で力を注いだのはディベート部です。「スポーツは苦手、でも、大学ではチームで競う活動をしたい」が入部の動機です。実は、これが部活動デビューで馴染めるか心配でしたが、先輩に恵まれました。(※1)
 ディベート部だけあって自己主張の強い集団なのですが、先輩たちは上手にまとめていました。たとえば、練習で熱くなっても、終了と同時に切り替えていましたし、指導時は必ず褒めることを忘れません。(※2)
 私たちの部は優勝経験もある実力派でしたが、この数年は入賞止まりでした。それだけに「今年こそ優勝」の思いが強く、活動は熱く真剣です。(※3)
 そのため、ぶつかることもあります。たとえば、反論の方針が真っ二つに分かれたことがあります。「早く方針を決定したい」という焦りと、私自身の考えがあって、つい、激しく論争してしまいました。(※4)
 発言してすぐに自分の失敗に気づくと同時に、先輩が切り替えを心がけていたこと、修復には時間を置いてはいけないことが頭に浮かびました。そこで、「ごめん、冷静さを失った。僕は黙るね。目指すは優勝だから、決まった方針にそって最高の戦略を練るね」と、議論から離れました。(※5)
 同時に相手も冷静さを取り戻し、「私もごめん。私も皆に判断を任せるね」と、私に笑いかけました。(※6)
 こうして団結して臨んだ結果、今年は準優勝でした。少し残念ですが、部のおかげで大学生活は本当に充実したものになりました。

ポイント解説

(※1)あえて、コミュニケーション力に自信がなかったことを紹介。この部分が成長の大きさを示す布石となります。

(※2)コミュニケーションスキルを学習したエピソードを紹介。これを通して、人を観察してよい点を吸収できる力もアピールしています。サークル活動ネタの場合、先輩から吸収するエピソードは盛り込みやすい。

(※3)所属したチームの目標や意識の高さが、自己PR全体のアピール力を高めてくれます。したがって、チームのアピールも忘れないようにしましょう。

(※4)サークル活動の幹部エピソードでは、「衝突ネタ」は一般的。振り返ってみましょう。「衝突ネタ」がない場合は、「悩みを抱えたメンバーの力となったネタ」を探してみましょう。

(※5)コミュニケーションスキルを発揮したエピソード。サークルやアルバイト、ゼミ・研究室活動などの集団活動においては、自分の希望に沿わない出来事もあったはず。その時、チーム全体のことを考え、どのように対応したかを思い出してみましょう。それが、あなたのコミュニケーションスキルを発揮した場面です。

(※6)決定された方針にそって、このメンバーと知恵を出し合って戦略を練ったというエピソードに発展させることもできます。優秀なメンバーとの協業エピソードはお宝とも言えます。自分一人ではとてもあげられない成果を、優秀な仲間に恵まれたおかげで自分のアピールに使える幸運をフル活用しましょう。


監修・文/岡 茂信 (おか・しげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に『就職活動がまるごと分かる本』『エントリーシート完全突破塾』『自己分析 適職へ導く書き込み式ワークシート』『仕事のホントを知る!見る!考える!インターンシップ』がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。

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