自己PRで「やさしさ」を上手にアピールする方法!言い換え表現と例文紹介

自己PRで「やさしさ」を上手にアピールする方法!言い換え表現と例文紹介

2021/08/11

自己PR

自己PRで、「やさしさ」を自身の強みとしてアピールしたい。しかし、「私はやさしいです」と言っても強みとしては伝わりません。上手く伝えるには工夫が必要。ここでは、「やさしさ」をアピールする際のポイント、方法、注意点を解説し、言い換えや例文も紹介します。

「やさしさ」とは「他者+心情+行動」

「やさしさ」とは、「家族や友人・街ですれ違う人(他者)への心情と行動」です。たとえば、「落ち込んでいる友人(他者)を、少しでも元気付けたいと考え(心情)、メッセージを考え、伝える(行動)」などです。「心情」のみで「やさしさ」と解釈しないように注意しましょう。

「やさしさ」をアピールポイントとする場合の注意点

たとえば、「頭のよさ」は成績表で証明できます。「リーダーシップ」はサークル活動などでの立場・肩書で説得力を加えられます。対して「やさしさ」は、成績表や立場・肩書を使ってアピールを補強できません。そのため、「つかみどころのない、ぼんやり」とした弱いアピールになりがちなことを踏まえておく必要があります。

「やさしさ」アピールが空回りする時のシチュエーション

面接官「あなたの長所を教えてください」
受験者「はい。私の長所はやさしさです」
面接官「どのくらいやさしいのですか?」
受験者「いつも友人の相談に乗ったり、人に席を譲ったりしています」 面接官「いつもとは、どのくらい? そして、そのやさしさによって、どのような効果や影響を周囲にもたらしていますか?」
受験者「……(回答に詰まる)」

「やさしさ」が身に付いている人ほど無意識に発揮しているため、面接官の突っ込みを想定して準備しておかないと、効果的な回答ができないでしょう。

アピール準備その1「他者の評価やアクションをセットにする」

「やさしさ」をアピールする場合は、「あなたに対する他者の好意的な評価やアクション」をセットにして、「どのくらいのやさしさか」を面接官が少しでも測れるように工夫しましょう。

たとえば、

面接官「どのくらいやさしいのですか?」
受験者「友人の相談にのることは誰にでもあると思うのですが、私の場合、友人の友人からもアドバイスしてほしいと頼まれることも多く、そのおかげで、友達はゼミやサークル外にも広がっています」

この場合は、「どのくらい」の問いかけに対し、

・「彼に相談してみなよ」と友人に推薦されるくらい
・やさしさを発揮して相談にのった結果、友人の友人が自分の友人となり、ゼミやサークル外にも友人の輪が広がるくらい

と、他者の評価(友人に私を推薦してくれる)や他者のアクション(友人の友人が私の友人になってくれる)を用いて回答しているわけです。

アピール準備その2「仕事で発揮されるやさしさとは何か? 言い換えを検討する」

「やさしさ」とは他者に対する行動です。仕事でかかわる他者は顧客・同僚ですから、彼らに対して発揮するやさしさについて考えてみましょう。

・プロジェクトに生じた問題で悩むリーダーの力になろうと頑張る(相手の立場に立てる)
・仕事が進んでいない後輩を手伝う(面倒見のよさ)
・誰かが悩みを抱えていること、仕事が滞っていることに気づく(気配り)
・「両親の一番の思い出となる旅行をプレゼントしたい」などの客が持つ漠然としたイメージを、何としても実現しようとプランを練る(共感)

これらの言い換えで共通するのは、「他者の力になりたい(貢献・奉仕)」という心情です。

アピール準備その3「狙いがあることをアピールする」

企業は長所や武器、つまり、みなさんのアピールポイントを、「こんな効果を生じさせたい」という狙いを持って使うことを期待しています

たとえば、

・リーダーはただでさえ責任が重く大変な立場。だから、できるだけ問題を共有することを通してリーダーを支え、チーム運営に存分に力を発揮して欲しい
後輩の仕事力が上がればチーム全体の戦力がアップする。だから、後輩を見守り手助けする。
・企業は人なり。だから、みんなが楽しく働けるように目を配る。そうすれば、会社全体の雰囲気がよくなり、みんなにとってよい環境になる。ひいては、自分が楽しく働ける環境作りにも繋がるというおまけの効果も見込める
・顧客の満足度を上げることで会社の評価を高めたい。顧客から感謝され、自分自身が仕事のやりがいを味わいたい。だから、顧客に親身によりそう。

と。(※強調文字の部分が狙いです)

狙いを持って長所を発揮することは能動性のアピールにも繋がります。企業は受動的ではなく、能動的な人材を求めていることを強調しておきます。

「相談を受けたら思いやりをもって対応する」などの受動的な内容ではなく、「メンバーの悩みを解消して、より楽しいサークル環境とするために、自分から積極的に声をかける」などの能動的な内容とすることを心がけてください。

やさしさアピールの自己PR例と解説

以下に自己PR例を紹介した上で、解説を加えます。

「やさしさのアピール例」

 長所はやさしさです。やさしさとは、他者に対して温かい心を保ち、他者のために行動することだと私は考えています。(※1)
 「よい人、相談しやすい人」と評価されることが多いのですが、(※2)「今日は元気ないね、どうしたの?」とか「その仕事に時間を取られているならば、他の仕事を引き受けるからね」と意識して声をかけているからだと思います。(※3)
 このように意識して声をかける理由は、サークルもアルバイトも人間関係が土台であり、AさんとBさんの人間関係はコントロールできなくとも、Aさんと私、Bさんと私のよい関係は自分で作ることができ、ひいては、AさんとBさんのよい関係も作れると考えているからです。(※4)
 この意識を持って接し続けて気づいたことは、やさしさは自分にかえってくるということです。特に、忙しいアルバイト先で働くことが苦にならないことで実感しています。(※5)
 貴社でも、自ら積極的に人間関係のよき接着剤となることを心がけたいと思います。

ポイント解説


(※1)抽象的なキーワードは、人によって解釈のズレが生じがちです。「自分が考えるやさしさとはこういうもの」と、自分なりの定義を冒頭で示しましょう。

(※2)他者に認められるほどのやさしさを備えていることを、他者の評価を使って証明しています。

(※3)「意識して声をかけている」がポイントです。能動的に長所を使っていることをアピールしています。

(※4)狙いの紹介です(この場合は、チームの土台となるよい人間関係を作る)。重要なパートですので、必ず盛り込みましょう。

(※5)長所を発揮し続けてきたこれまでを振り返り、自分なりの気づきを加えましょう。あらゆるテーマの自己PRに「気づき」を加えることを推奨します。

「やさしさの言い換えの一例「面倒見のよさ」のアピール例」

 長所は「面倒見のよさ」です。卒業する先輩に「よくしていただいたのに恩返しできず申し訳ありません」と感謝したところ、「その分、後輩の面倒を見てくれよ」と返された先輩の言葉が原点となっています。(※1)
 私は楽しく活動したい、働きたいという気持ちが人一倍強い人間です。(※2)
 楽しくするためには、「周囲から頼りにされる人間となれるように努力することが近道」というのが私のポリシーです。(※3)
 たとえばサークルでは、各幹事が抱えている仕事をすべて把握するよう努力しました。誰かに負担が偏っている時にはもちろん手伝いましたし、自分の仕事で動けないときには幹事長に「Aさんを誰か手伝ってあげたほうがいいかも」と進言しました。(※4)
 加えて、私の行動を見て、習ってくれる後輩が生まれるというのも私の強い考えです。実際、「お手伝いしましょうか」とか「それ、やっておきました」と気の利く後輩がたくさんいます。(※5)
 おかげで、もっともっと面倒見のよい人間であろうと努力できています。
 貴社に入社できましたら、まずは先輩に、「それ、やっておきました」と1日でも早く言えるようになることを目標に仕事を覚えたいと思います。(※6)

ポイント解説


(※1)「この長所をしっかりと使ってみんなの役に立とう」と決意した、きっかけのエピソードがあれば冒頭で紹介してみよう。

(※2)「楽しく活動・働けることを実現する」が狙いです。

(※3)※2の自分なりの実現方法を紹介しています。この紹介を通して「明確な行動指針を持っている=自分の行動の軸となるものを持っている」こともアピールしています。
「あなたの軸となるものを教えてください」は就活のポピュラーな質問の一つであり、企業は軸を持った人材を求めています。

(※4)長所を発揮しているエピソードです。「面倒見のよさ」に加えて、「気配り」「観察力」「問題と感じたことを他人事として放置しない姿勢」もアピールできています

(※5)自分の面倒見のよさが生み出した効果をアピールしています。同時に、「他者のお手本となれる人格」をアピールすることも狙っています。

(※6)入社したら下の立場(=後輩)からスタートすることを踏まえて、あえて「面倒見のよさを発揮して仕事に打ち込みます」とは締め括っていない。「それ、やっておきました」というキーワードに唐突感が生じないように、※2の「周囲の人から頼りにされる人間となれるよう努力する」や、※5の「やっておきましたと気の利く後輩」が布石となっている。


監修・文/岡 茂信 (おか・しげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に『就職活動がまるごと分かる本』『エントリーシート完全突破塾』『自己分析 適職へ導く書き込み式ワークシート』『仕事のホントを知る!見る!考える!インターンシップ』がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。

おすすめ記事

Intern sp bnr d2 03

人気記事ランキング

新着記事

ページトップへ