【鹿毛康司の就活本音対談】#1 ドミノ・ピザジャパン富永朋信「内定をもらえる人ともらえない人の違い」

【鹿毛康司の就活本音対談】#1 ドミノ・ピザジャパン富永朋信「内定をもらえる人ともらえない人の違い」

2017/03/27

就活の悩み・疑問

「心⇒言葉⇒行動」という流れが作れる人になれ!


――次は面接時に関する質問です。

●面接で好印象な学生の特徴を教えてください!(女性/18歳/大学1年生)

鹿毛さん:どういう人が好印象だと思う?

富永さん:面白い人がいいですね、他と違う人。その「他と違うこと」を恥じずに、正面からぶつけてくる人は好印象です。

鹿毛さん:おべんちゃらは駄目だよね。

富永さん:そうですね。自分の中の言葉を正確に表現できない人は、それを意識したほうがいい。そうしないと自分の思いが人に伝わらないです。

鹿毛さん:でもどうすれば面白いと思ってもらえるかだよね。奇をてらうのはよくないしね。

富永さん:さっきのおべんちゃらの話と同じですけど、妙に一貫性を持とうとしたり、小細工したりするのは通用しません。ちゃんと心を行動に変換できる、つまり「心⇒言葉⇒行動」という流れが作れる人はいいですね。ただそれは勇気が要りますし、難しいとは思いますが……。

鹿毛さん:これも反対に「好印象でない学生」はいくらでも言えるのになあ(笑)。まずはマニュアル通りに話す学生。あとは勉強不足の人。誰かと会うのにちっともその人のこと勉強してこない、とか。そもそも学生と社会人じゃ情報量が違うんだから。

富永さん:礼儀の問題でもありますし、そういうのは「もったいない」とも思いますよ。面接でもそうですけど、普段会えない人にせっかく会えるんだから、しっかりと勉強しておくべきです。

――次も面接にまつわる質問になります。

●鹿毛さん、富永さんだったらどのような自己PRを面接で伝えますか?(男性/25歳/大学院生)

鹿毛さん:自己PRね……。自分の話になっちゃうけど、就活で大手食品メーカーを受けたとき、学生時代に作った企業分析資料を持って行ったのよ。その企業のマークを表紙に貼って。そしたら担当の人に「マークの上下逆さまだ!」って怒られて(笑)。「うわー、これ絶対に落ちた」と思って、そこから吹っ切れて自分の言葉で話せるようになったんだよ。今振り返るとそれが大事だったんだと思う。

富永さん:それはすごくわかります。

鹿毛さん:素で話すってことだよね。ただその「素」というのは、「あのさー」と普段どおりになれなれしく話すことではなくて、「自分の本来の実力(素)をどこまで相手に公開できるか」ということ。そう考えると素で話せないのは実力が足らないからだよね。実力が公開できない程度だと、取り繕ったマニュアル通りの話しかできず面接は通らない。じゃあどうすればいいかというと、面接までに「相手に公開できる実力の領域を増す」ということ。

――お二人はもし「今」面接を受けるとすれば、どんな自己PRをしますか?

鹿毛さん:そのまま伝えるだろうね、思っていることを。

富永さん:そうですね。できることとできないことをそのままストレートに伝えるでしょうね。

鹿毛さん:ただ礼節は重んじますよ。

――次は履歴書の書き方に関する質問です。

●人事の方の印象に残るような履歴書の書き方を教えてください。(女性/18歳/短大・専門学校生)

鹿毛さん:じゃあ特別に私が印象に残るような履歴書の書き方をお教えしましょう! いいですか? 普通のことがずらーっと書いてあるんだけど、2カ所くらい「これ何?」と人事が思うことを書く。それこそ実際は黒色の文字なんだけど、なぜか赤色に見えるくらいの一行の重みのある、印象的なことを。例えば私の場合は大学受験で二浪したので「二浪」と書く。

富永さん:それはいいですね。

鹿毛さん:そしたら人事は「何だコイツ二浪してやがんのか」と少し気にします。そこで次のページに「全然勉強していなかったけど二浪目は徹底的に勉強した」と書けば、たぶんだけど残ることは残ると思う。自分だったら採用するかはともかくそこでは残す。

富永さん:やっぱりこれもさっきの型とかマニュアルとかそういった話に通ずるものですよね。「履歴書はこうあるもの」という作法の中でどんなことができるかが大事になってきます。鹿毛さんの例みたいなことができていたら、私も残しますね。

鹿毛さん:あとよく学生さんで「履歴書の書くスペースが少ない」という人もいるけど、あれもどうかと思うね。私ね、以前ある新聞から取材を受けて、その記事が載るスペースが数百字くらい。でも相手の記者さんは何時間もの取材を2回して、途中も3回くらい取材の電話があって、さあこれから掲載といったタイミングでも「最後にお話聞かせてください」って電話をしてきて……。

わずか数百字の記事だけど、私の人生を書くのにたぶんだけど2週間くらい掛けてくれたんじゃないかな。この記者に履歴書書かせたらどうだろ、スペースが足りないなんて言わないよね。学生の皆さんもそれくらい熱心に履歴書にも向き合ってほしいよね。

富永さん:実にいい話ですよね。今の話だけでお酒が飲めますね(笑)。

鹿毛さん:でしょ(笑)?

今回は7人の読者の質問に答えましたが、お二人の対談はまだまだ続きます。後編では「どんな学生を部下にしたい?」「今の仕事は楽しい?」といった質問が登場。 鹿毛さんと富永さんの「愛のあるお説教」も飛び出します。お楽しみに!

プロフィール


鹿毛康司(カゲ コウジ)
エステー株式会社 執行役 エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。
福岡の田舎町で育ち2浪の末、奇跡的に早稲田大学商学部に合格。下手くそなアマチュアバンドをやりながら大学生活を過ごす。卒業後 なぜか大手の食品会社にはいり営業活動をするも非エリートとして扱われ、人生最大の決意でアメリカのMBAをとりにいく。最大の決意とは「ただひたすら勉学に励む」ということだった。42歳で転職し、何故か勝手にクリエイターになってエステーCMの父となる。震災後に日本を応援したと必要以上に感謝され2012年CMクリエイティブの最大の賞であるACC賞GOLDを受賞した。ミゲルありがとう。

富永朋信(トミナガ トモノブ)
ドミノ・ピザジャパン株式会社執行役員 チーフマーケティングオフィサー。
日本コダック(現コダック)、日本コカ・コーラ、ソラーレホテルズアンドリゾーツ、西友などでマーケティング関連の職務を歴任。ソラーレ以降はCMOとしてマーケティング部門を統括。日本コカ・コーラではiModeでコカ・コーラが買える自販機システム「Cmode」の立ち上げを担当。それ以来、「購買=ブランド選択+チャネル選択」という式の解を模索し続けている。西友では同社のイメージを一変させるキャンペーンを連発した。ブランドの構造はカテゴリによって違うことに気付き、全てのカテゴリのブランド構築に対応できる方法の開拓に頭を悩ませている。座右の銘はたくさんあるが、今のお気に入りは「過ぎたハンサム休むに似たり」「渾身のアイデアは全てを解決する」。

(中田ボンベ@dcp)

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