「文章の無駄な部分の見つけ方は、簡単ですよ。その言葉を外しても意味が伝わるかどうか。これだけです。例えば次の文章を読んでみてください」
【妻と結婚し、2年という月日が光陰矢のごとしというように、あっという間に過ぎていった。】
「周りくどい文章ですね。さて、どこを削ればいいでしょうか? 『光陰矢のごとし』はなくてもいいですね。『妻』と『結婚』は同じ意味が含まれています。このように削っていくと……」
【妻との2年はあっという間に過ぎていった】
「シンプルで意味が伝わりやすくなりましたね。さらに削ると次のようになります」
【妻との2年】
「極論を言えば、これだけで意味は十分通じます。書いては削るを繰り返して、文章をブラッシュアップしていきましょう」
自分では必要だと思う言葉も、案外削っても意味が通じてしまうものです。周りの人に読んでもらって指摘してもらうのもいいですね。
「どの言葉を選ぶか、どのように表現するかなど、文章は人間性が表れてしまうものです。なので、『文章力を磨く』ことは、『人間性を磨く』のと同じことと私は思っています。訓練法としては、映画や本のあらすじを短文でまとめるのもいいですし、名文を書き写すだけでも力になります。とにかく書くことに慣れることから始めてみてください」
社会人になっても、メールや企画書など文章を書く機会は必ずと言っていいほどあるので、今から文章力を鍛えるのは決して損ではないですよ。履歴書でつまずいている人は、まずは紹介した3つのポイントを意識するところから始めてみてくださいね。
文●北条マサ子(清談社)
取材協力/高橋フミアキ
作家、文章スクール講師。著書に『一瞬で心をつかむ77の文章テクニック』(高橋書店)、『150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方』(日本実業出版社)などがある。