「言ったら人に笑われる……」真面目な人ほど見逃してしまう自分の長所【企業サイドから見る「自己分析」18】

「言ったら人に笑われる……」真面目な人ほど見逃してしまう自分の長所【企業サイドから見る「自己分析」18】

2015/04/09

志望動機

自己分析

企業研究

ここまでは【質問1】(※)から生み出された自己PRのキーワードに関して、代表的な事例をあげ、学生の視点と企業の視点の違いを比較しながら、ギャップの埋め方を考えてきました。

※【質問1】自分で考える性格を箇条で書いてみて下さい。

なぜそう思うかエピソードも含めて書いてください。大学以降の経験談がいいです。アルバイトやっていて、こうだったから私は負けず嫌いなんです……とか。長所はもちろん、短所もちゃんと入れてください。うまくまとめて書く必要はありません。「起承転結」も気にしなくていい。とにかく頭に浮かんだ言葉を並べてください。

前回までに挙げてきた事例4つ(「積極的」「リーダーシップ」「粘り強さ」「客観的」)は、比較的ポピュラーな自己PRのキーワードです。

一方で、いくら 思いつくままに【質問1】に対するキーワードを挙げていっても、自分自身の中で「これは使えない」と考えてしまい、大事なダイヤの原石を見逃してしまうケースが結構あります。

■真面目、努力できるということ

たとえば、「私は真面目で、人一倍努力できる」というキーワード。エピソードはひとまず置いておくとして、今まで挙げてきた「積極的」「リーダーシップ」「粘り強さ」「客観的」といったキーワードに比べると「地味でアピールになってない」と感じてしまうかもしれません。

でも、実はこれ、面接官から見ると、非常に好印象というか 「なぜ自分をそう判断しているのか、詳しい話を聞いてみたい」と思うキーワードです。

特に「人一倍努力できる」というポリシーは、企業にとって非常に魅力的に映ります。努力できるというのは、先天的なものではなく、後天的なもの。生まれながらにして、人一倍努力できるという完成された人なんていませんから。

こういうポリシーが芽生える起点は、ほぼ間違いなく 「挫折体験」です。

勉強のことなのか、運動なのか、自分のキャラなのか、それはわかりませんが、とにかく人より劣っている、という劣等感があったからこそ、「乗り越えてやる」という気構えが自分なりにつくられたはずです。

こういった 劣等感や挫折感は、誰にでもある経験だと思います。

「人一倍努力しよう!」というポリシーを持ってる人は、こういった 「挫折体験」を克服し、劣等感を打破しようとアグレッシブに捉えている可能性が高いんです。これは非常にすばらしいことです。

*******

以前、私が相談に乗った学生にはこんな挫折体験がありました。

その学生の場合、中学校時代の部活での挫折体験でした。それが起点になって、高校でもそして大学でも、何かをする時は、とにかく真正面から取り組んでベストを尽くそうと、常に意識するようになったと言います。

そうしないと、また挫折してしまうとていう、不安感があったようです。

高校では、体育会系部活のマネージャーとして何とか部員の力になりたいと、ドリンク作りの勉強をしたり、練習がスムーズにいくように、ルールをしっかり覚えて審判役を率先してやったり。

もちろん勉強もおざなりにせず、毎日ある小テストの勉強も、時間を作ってシッカリとやったり。他人に大きく自慢できるエピソードではない(……と本人が考えている)けれども、着実に積み上げてきたようです。

大学でもそのポリシーは変わっていません。
そして今では、立派な社会人です。

実はこういった 「挫折体験」を克服して、努力ができるというポリシーを獲得した学生は、企業に入ってからメチャクチャ伸びる可能性があります

前にも書きましたが、仕事というのは学生がイメージする以上に、地味で泥臭いものです。学生が夢や希望を持って入社しても、企業や仕事の現実を知って、幻滅することが多かれ少なかれあります。

しかも、イチから覚えることばかりで右も左も判らない。

はじめは、ただ先輩社員に言われたことをやっていくだけ。この時期は、かなり劣等感を持つことになるはずです。

こういう時に、過去の「挫折体験」が活きます。

克服するために努力するのです。

何にでも真正面から取り組む、こういったタイプは、仕事の選り好みをしません。 与えられた業務を素直に受け入れる。やるべき任務をシッカリと認識して、結果を出してくれる可能性が高いんです。

次のページ長所は「平凡で地味なこと」に隠されている

おすすめ記事

Intern sp bnr d2 03

人気記事ランキング

新着記事

ページトップへ