辛いことや困難にぶつかってもじっと耐えることができる忍耐力の強さは、仕事でも活用できる長所です。今回は、自己PRで忍耐力をアピールしたい場合のポイントを解説します。
忍耐とは、苦しい状況等に陥っても耐え忍べる資質を表します。受動的な印象の強いキーワードであり、能動性を重んじる企業にアピールするにおいては他のキーワードとの組み合わせを考えたほうが良いでしょう。
まず、忍耐力を発揮する状況を思い描いてみましょう。
A「スランプに陥り、後輩にレギュラーの座を奪われてしまった。伸び盛りの後輩からレギュラーの座を奪還するのは無理かもと思うこともあったが、二軍での練習を黙々と続けた」
B「スランプに陥り、後輩にレギュラーの座を奪われてしまった。周りに当たり散らしたい気持ちもあったが、我慢した」
どちらもレギュラー落ちの苦しい状況に直面していますが、Aの場合は二軍という状況に耐え忍んでいる姿を通して、Bの場合は当たり散らしたい気持ちを抑えている姿を通して忍耐力を表現している点に違いがあります。
ABを比較した場合、自己PRにふさわしいのはAであることから、忍耐力のアピールでは、まず「忍耐力を発揮して取り組んだ行動」を中心に作ると良いことが分かります。
Aの「二軍での練習を黙々と続けた」だけでは、インパクトが足りません。この結果を、どう乗り越えたか?が加わって、はじめて自己PRとなります。例えば、
「練習の質を高めれば再びレギュラーに戻れると信じて、練習時間外の自主トレメニューを1週間単位で作成した。考えなくても身体が動くように、友達の力も借りて、基本の反復練習を中心に練習した(計画性、自主性のアピールが加わっています)」と。
この練習の結果、レギュラーに返り咲けたというハッピーエンドならば作りやすいと思います。例では、そうでなかった場合のまとめ方を紹介します。
「私の忍耐力が試されたのは、スランプに陥りレギュラー落ちした時です。入れ替えで選ばれたのは、私も光るセンスを認めていた伸び盛りの後輩でした。正直、レギュラー奪還は厳しいかなとも感じましたが、練習の質を高めれば再びレギュラーに戻れると信じて、練習時間外の自主トレメニューを1週間単位で作成し、二軍での練習に黙々と取り組みました。特に、考えなくても身体が動くように、友達の力も借りて、基本の反復練習を中心に練習しました。
残念ながらレギュラーに戻れることはありませんでしたが、自主トレを引退の日まで続けられたことで、自分には忍耐力があることに気づくことができ、将来の自分の武器になるものを得られたと考えています」
忍耐力のアピールでは、耐え忍びながらも、その状況をどのように打開しようとしたかをアピールの中心にしましょう。