就活生の性格や人となりを知るために、面接官が「座右の銘」を聞いてくることがあります。そんなときどんなフレーズを答えれば自分をうまく表現できるのでしょうか?
1.座右の銘とは?
座右の銘とは、自分の行動の軸もしくは支えとなるものです。例えば、レポート作成等において、「絶対に先輩のレポートを真似したりはしない。自分で調べ、自分の考察をもとに作成する」ことを自分らしさ(=自分の軸)とされているならば、この自分を表現するにふさわしい格言・名言を探しておきましょう。
例えば、「真似をして楽をしたものは、その後、苦しむことに」「山はこれ以上大きくならないが、私はもっと成長できる」等です。
座右の銘そのものの回答は糸口でしかありません。面接官が聞きたいのは、座右の銘に関連するあなたのエピソードです。例えば、「私の座右の銘は、登山家が登頂に失敗した時に発した『山はこれ以上大きくならないが、私はもっと成長できる』という言葉です」と回答した場合は、「この言葉を支えに頑張った一番は、大学受験に失敗した時です。合格できるはずと考えていた志望校全てが不合格と分かった時は呆然とし、力が抜けてゆきましたが…」と続け、その後、いかにして気持ちを立て直し、どう頑張ったかを紹介しましょう。
回答した座右の銘が、あなたにとって大切なものであるほど、関連するエピソードが豊富にあるはずです。例えば、受験に失敗したエピソードを紹介し終えた後に、「他には、アルバイトでのことですが……」と、第二のエピソードを紹介しましょう。これにより、面接官の納得度も高まるでしょう。
また、第二の座右の銘に回答を展開し、あなたの別の魅力をアピールする方法もあります。
例えば、『山はこれ以上大きくならないが……』に関連するエピソードを紹介し終えた後に、「実は私には第二の座右の銘がございます。お話させて頂いてよろしいでしょうか?」と問いかけ了承を得た後に、「『船は帆でもつ、帆は船でもつ』が私の第二の座右の銘です。これは、お互いが助け合う意識をもつことが良いチームを産み出すという意味なのですが、この精神で取り組んだのは部活です。部活での私の立場は…」とアピールするのです。
あなたには複数の魅力があります。全ての魅力を伝えることはできないが、2つ、3つは伝えたいとの意欲をもって面接に臨みましょう。
文◯岡 茂信 (おかしげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に「就職活動がまるごと分かる本」「エントリーシート完全突破塾」「適職へ導く自己分析」がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」(http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。