自分の将来の可能性は、今までの自分の「過去の経験」と、それに基づく「今現在の自分の価値観」を中心に年輪のように幅を持って広がっていきます。この幅の広がりこそがポテンシャル(潜在能力)なのです。ポテンシャルは、今現在の自分の価値観のみではうかがい知ることはできません。あくまでも過去の経験から今、そして未来へとつづく自分を見据えないといけない。
このポテンシャルが、適性診断テストでは表現できないという訳です。ヒントは書いてあるかもしれないけれど、今の自分にはわからないのです。だって、自分の性格を「引っ込み思案でおとなしい」と自分で見切っているんだから。
でも多くの学生は、適性診断テストの結果をベースに、自己分析を行い、そこから自己PRを作っていってしまいます。適性診断テストの結果に洗脳され、知らず知らずのうちに自分の過去をテスト結果に合わせてしまってるというか……。これではハッキリいって内定というゴールのテープは切れません。例えば適性診断テストに「あなたは粘り強い傾向があります」と書いてあったとして、そのキーワードありきで考えて、そこから過去のエピソードを無理やりくっつけて構成……方向性と手順が間違っているのが判りますか?
そうではないんです。適性診断テストの結果はあくまで一部。これ自体はかなり参考にはなりますし、少なくとも自分というものを考える上では重要なツールです。学生は今までにあまり自分と真剣に向き合うことなどないし、自分自身の棚卸をするのに就活は絶好の機会です。しかし、適性診断テストの信者になってはいけないのです。自分軸があって、それとの比較対象であれば良いですが、適性診断テストが軸になってはいけないという意味です。しかし残念ながら、頭では判っていても、知らないうちに信者になっている学生はたくさんいます。
何度も言うように、正しい自己分析は「過去の自分を肯定的に認めてあげて、今の自分を言葉する」ことです。ですので、就活における自己分析の本来の目的である「過去の自分を肯定的に認めてあげて、今の自分を言葉にして、それを未来につなげる」ということはひとまず横に置いて、まずは自己分析の方向性と手順を考えていきましょう。
ここで、自己分析の最初の第一歩として、絶対にやるべきことがあります。それは「働く動機」を考えることです。就活はまさにここから始まるといっても決して過言ではない!と僕は確信しています。これは何かというと「就活動機」 の前段階の作業になります。「就活動機」はゴールのテープを切れるよう構成された動機ですが「働く動機」は何でもいいんです。本音ベースのぶっちゃけベース。エゴ丸出しね(笑)。だからよそ行きの言葉にする必要なんて全くない。