グループディスカッション(以下GD)の時間はまちまちで、短いものだと20分前後、長くて1時間ぐらいの場合が多く、GDのパターンによっても制限時間が異なります。どのようなパターンでも、つい、「まずは自己紹介をしましょうか……」という流れになってしまいがちですが、自己紹介で時間をとられすぎて肝心の討論の時間がなくなってしまっては元も子もありません。
そこでまず冒頭で、「まず2分間くらいテーマについて考える時間をとりませんか?」と提案するのもいいでしょう。考える時間は、全体の1割以下の時間が適しています。そして、ここで考えた意見を発表するのと同時に自己紹介をすれば時間短縮にもなります。
GDでは、リーダー、司会、書記、タイムキーパーなど役割分担をするのがマストと思われがちですが、役割分担に時間がかかるくらいなら、無理をして決める必要はありません。ホワイトボードなどに記入する場合は書記が必要ですが、それ以外は、全員がタイムキーパーであり、全体を把握するリーダーであるべきだと考えましょう。
また、発表のタイミングで考えがまとまっていなかったとしても、「まとめられませんでした」では、評価は0点になってしまいます。8割でもまとめて形にし、ある程度の成果を出さなければなりません。そのためにも、遅くとも残り時間が5分になったら、全員でまとめの作業に入るように意識しておきましょう。
監修者●上田晶美
上田晶美(うえだあけみ)
1994年ハナマルキャリアコンサルタントを設立し(現在は株式会社ハナマルキャリア総合研究所)以来、大学生の就職、社会人の転職に関する講演、執筆を手がける。年間約20の大学でその他の講演も含め200講演。就職関連の著書20冊。1983年早稲田大学教育学部卒業。近著に『ちょっと待ったその就活!』(技術評論社)、『働くための「話す・聞く」コミュニケーション力って何?』(ぺりかん社)