まず、1枚目のカードは、キミが主張すべき美徳だ。美徳は主張したほうがいい。でも、ダンジョンの「めんせつかん」は、キミを疑ってかかってる。「頑張り屋」とか言われてもピンとこない。キミが「めんせつかん」だったとして、ただそんなこと言われて「いいねー!」とか思うか?
だから2枚目のカードは、その証拠となるエピソードを言ってみて! ってことで引いてるわけだ。ウップ。でもって、最後に「モットー」を言うのはわけがある。
モットーがわかったら、1枚目のカード(美徳)は捨てちゃうんだよ。
仮に俺の話なら「頑張り屋」のワードを捨てる。そして、「私は一歩前に出る人生を歩んできました。例えば…」と始める。「頑張り屋」なんて言った時点で「この人、あまり自分のこと考えてないんだな」と思われちまうぜ。
じゃあ、さっそくやってみな。1枚目が3、2枚目が6だ。とすると「3=明るい性格です。例えば中学生のころ…」だな。
ない?
じゃあ一杯飲んで、次の問いだ。
また「話がない」だと?
いーや、そんなことはない。まあもう一杯飲んでよく聞けよ。
そもそもだ。自分のことが何も話せない人間が、自分にぴったりの仕事にありつけるわけないだろ? 自分の人生を誰が語ってくれるんだよ。自分自身しかいないだろ? 誰が自分の人生を愛おしく思ってくれるんだよ。自分しかいないだろ?
オマエが中学生の時に選択した行動、別の人間が同じことをするか? しないだろ。すべてがオマエらしい行動なんじゃないのか? 別に企業は「何とか大会で優勝!」とか「バイトで売り上げを伸ばした」なんてヤツばっかりほしいわけじゃないんだよ。「給食で牛乳を飲んでる友達を笑わすのが趣味でした。モットーは「僕の行動は全部、人を巻き込んで明るく!楽しく!です」だっていいじゃないか!
飲めよ。
…おっと、こいつもう寝ちゃってるじゃないか。
<第9回に続く……>
漫画●ゼロハチネット
文●夏目幸明
夏目幸明プロフィール
「マネジメント、経営、技術の3つが見えれば企業が見える」を旗印に様々な企業を取材する経済ジャーナリスト。大学・専門学校で就活支援、マーケティングなどの講師をつとめる。講義は「資格の学校TAC」などで聞けるほか、ネット放送で「就活SHOW」を行う。著書は「社長あるある」(朝日新聞出版社)など。