さらに、もう一つ。「学生が語る志望動機なんて、あてにならない」ということもあります。 まだ働くということがどういうことは全然判っていない学生が考える動機は、今置かれている環境や周りのヒト、現在の心情に大きく左右されます。志望動機を重要視すると、入社後に5月病になるヒトが社内に増えるんです。
候補者が100人いれば100人とも、真意はともかく、熱意や志望度合いをアピールしてきます。ということは、もし熱意が重要視されるなら、落ちるヒトなんていなくなる。でも実際には受かるヒトに比べ、何十倍のヒトが落ちている訳です。
その辺の構造が判っていないと、企業サイドと就活生サイドの温度差はいつまでたっても埋まらなくなるんですよね。ネット上の書き込みや、昨年までに内定をゲットした先輩諸氏のアドバイス等は、実は企業サイドから見ると、ピントハズレのものも少なくない。それも温度差による影響です。
就活動機を確認していくと、その人の本当の志向がわかってきます。今そのヒトが口にした志望動機と就活動機にギャップがあることなんてしばしば。それは候補者サイドでは多分気づかないことなんです。そういうことはよくあることだとわかった上で肯定的に見てあげて、真の適性や志向を導いてあげるのが本当の人事マン。しかし、実際は難しい……。だから落ちたヒトは、会社の真意が判らず、逆恨みなどをしてしまうことがあるのです。
文・コンテンツ提供●安藤恒久
【プロフィール】
東京農工大学農学部卒。その後福山大学大学院工学研究科修士課程修了。1996年、大手飲料食品メーカーに入社。主に経営部門で会社組織運営に携わる。その後は、ブライダル業界に転身。管理部門の責任者として株式公開業務担当。以降、雑貨商社、IT、教育など多様な業界で事業構築を行う。2005年6月から始めた、「会社側の本音」と「就活生の自信構築」をコンセプトに書き連ねたブログ『会社サイドの就活日記 ~面接は怖くない!企業と面接官の本音を知ってください!~』は毎年 数多くの就活生や新社会人のバイブルとして支持されている。
『会社サイドの就活日記 ~面接は怖くない!企業と面接官の本音を知ってください!~』
http://ameblo.jp/yansono/