「就活ではコミュニケーション力が必要」って本当? - 常見陽平×中澤二朗スペシャル対談

「就活ではコミュニケーション力が必要」って本当? - 常見陽平×中澤二朗スペシャル対談

2015/03/14

就活の悩み・疑問

「就活で必要なのは『コミュニケーション能力』」とよく言われますが、ここでいう「コミュニケーション能力」とはどんなもので、なぜそれが大事なのでしょうか? 人材コンサルタントとして多数の著書を持つ常見陽平さんと、人事採用に30年以上携わった中澤二朗さんに、企業の採用担当者の本音を聞いてみました。

常見陽平さん、中澤二朗さん

常見陽平(写真左)/人材コンサルタント・作家・大学講師。雇用や労働、キャリア、若者論などをテーマに講演・執筆活動を行う。
中澤二朗(写真右)/新日鉄住金ソリューションズ株式会社の初代人事部長ほか、30年以上にわたり人事に携わり、のべ一万人と接した。著書に『「働くこと」を企業と大人にたずねたい』(東洋経済新報社)、『働く。なぜ?』(講談社現代新書)など。


就活時に本当に必要な「コミュニケーション能力」とは?

常見陽平さん 常見:よく、「就活で必要なのは『コミュニケーション能力』」と言われることが多いですが、本当にそうなのかという疑問があるんです。

中澤:なるほど。

常見:一言で「コミュニケーション能力」と言っても、それこそ傾聴力だったり発信力、会話力などいろいろと分解できますし、実際は、気配りができるかとか、空気を読めるかとか、チームで働くことができるかとか、それらを何でも「コミュニケーション能力」と言っているのではないかと思っていて。そうであれば、コミュニケーション能力はあくまで前提であって、より重要なのは本人に学ぶ成長する姿勢があるかどうか、そして自分から物事に取り組む姿勢だと思うんですよね。

中澤:まったく同感です。どんな優秀な人同士でも、感情のもつれがあれば通じ合うことはできない。人と人、仕事と仕事をつないで、インテグレートすることは現在の高度分業化社会においてとても大事なことです。ただ思うに、ビジネスにおいては、おしゃべりすることとコミュニケーションは決定的に違います。前者に目的はなくても、後者には必ず目的があるからです。企業として社会に貢献し、結果的に生き残るには、その"目的を達するためのコミュニケーション"が求められます。よってそれに叶っていないコミュニケーションはどんなものであっても不適切。またその前提となる信頼のおけない人はハナから論外。つまり、コミュニケーションの定義よりも、何を目的としたコミュニケーションか、その目的を叶えるためにふさわしいコミュニケーションは何かを先に考えることが大事だということです。

常見:「そもそもコミュニケーション能力がなぜ必要なのか」ということを考えるべきですよね。そしてそれは、「真摯にお客様のためになりたい」とか「社会のためになりたい」「会社に貢献したい」ということであるべきだ。

中澤:人間、自分の嫌いなものや関心のないことに熱意は感じません。私だってそう。裏を返すと、その企業にかかわることで自分の成し遂げないことに関われるなら自然にやる気は出ますが、そうでなければやる気は出ません。たとえ言葉は整っていなくても、そんなやる気が目の前で伝われば、企業もきっとその気持ちを汲んでくれるはず。そう思います。

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