客観的な数字で企業をチェック! 就活生向け「財務分析」基本のキホン - 財務諸表の読み方・前編 -​

客観的な数字で企業をチェック! 就活生向け「財務分析」基本のキホン - 財務諸表の読み方・前編 -​

2015/06/22

自己分析

企業研究

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第1回:財務分析って何?どうやるの?- 財務諸表の読み方・前編 -


■財務諸表を読んでみよう!

就職活動シーズン真っ盛り。学生の皆さんは説明会やエントリーシート作成に勤しんでいるのではないでしょうか。ここで必要となってくるのは企業研究で、業界研究本を読んだり企業のホームページをチェックしたりする人も多いことでしょう。

業界研究本などで皆さんの目が行くのは「当社の主力事業は~です」といった文章による定性的な記述がメインです。しかし、そこからもう一歩進んで定量的な情報を用いて企業研究を行ってみたいと感じる人もいるのではないでしょうか。

イメージ写真(写真はイメージです)

そこで就職活動中の皆さんにオススメしたいのが、財務分析という手法です。財務分析とは、B/S(Balance Sheet:貸借対照表)P/L(Profit and Loss Statement:損益計算書)に代表される財務諸表を用いて、企業活動を分析する手法を言います。数字という客観的な指標を用いて企業活動を分析できるため、投資家をはじめビジネスの世界ではよく用いられている分析手法なのです。

本稿では財務分析の説明をする前に、まず2回ほど使って財務諸表の読み方について簡単に説明していこうと思います。財務諸表とは複式簿記の原理に基づいて作成された書類です。「決算書」と呼ばれることもあり、そちらの呼び方で耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。大まかには前述のB/S、P/Lのほか、C/S(Cash Flow Statement:キャッシュフロー計算書)S/S(Statement of Shareholders' Equity:株主資本等変動計算書)がありますが、本稿ではB/SとP/Lに限定して説明していきましょう。

B/Sとは簡単に言えば、会社の資産状況と資金の調達状況を示した表で、財政状態を表した書類と説明されることも多いようです。一方のP/Lは、1期間に会社がどれだけ儲けたか、つまり業績を表す書類です。決算期になると新聞等で「○○社、●●年度の最終損益は◇◇億円」などと書かれるのは、P/Lで計上されている数値のことです。

■財務諸表の読み方 - 皆さんが会社を作ったとして考えてみる

このような説明をしていても「簿記」「会計」などというだけでアレルギーのある人も多いでしょうから、次からモデルケースを用いて会社の活動がどのように財務諸表に表現されるのかをみていきましょう。

皆さんがコツコツ貯金したお金を使って会社を作るとします。会社が事業活動を行うには資金が必要ですが、会社を作っていきなり銀行などから借り入れを行うことはできません。当座の資金として自分のお金を使うことにします。まず貯金100万円を会社の運転資金として用意したとしましょう。これが一般的に 「資本金」と言われるものです。この100万円を出資したとき、財務諸表を作成するために必要な「仕訳」と呼ばれる処理は、下記のようなものになります。

図1

先に財務諸表は複式簿記に基づいて作成されると書きました。 複式簿記とは、貨幣的取引について取引の二面性に着目して記録する手法で、上の例で言えば「会社の資本金(運転資本)として」「現金が」100万円入ってきたことを表しています。仕訳と呼ばれるものの左側と右側それぞれで取引の性質を示しているのです(左側を「借方」、右側を「貸方」と呼びますが、記事を分かりやすくするためあえてこの記事では「左側」「右側」と呼びます)。この左側と右側は全く同じ数値が入りますが、これは「貸借平均の原理」と呼ばれます。この原理により、B/SとP/Lは綺麗に連携するのですが、この点については後述します。

さて、会社に100万円の資金が入りました。現金はB/Sの左側「資産の部」に、資本金はB/Sの右側「純資産の部」にそれぞれ計上されます。純資産とは少し分かりにくい言葉ですが、入門的な記事なので大まかには「資本」と同義と捉えていただいてかまいません。

図2

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