試用期間とは、簡単に言うと「社員として長期でやっていけるか」を企業と入社者が互いに確認するための「お試し期間」です。この期間は、業務内容や社風や仕事へのスタンスなどが互いにマッチするかを確認するためにあります。通常、3ヵ月から6ヵ月を試用期間と定めている企業が多いのが現状です。一方で、お試し期間ということは、試用期間中(もしくは試用期間後)に合わないと判断されたら簡単に解雇になってしまうのでは? と不安に感じられる方も多くいます。
しかし正確に言うと、試用期間というのは、企業と従業員の間では「解約権留保付労働契約」が成立しています。つまり、「労働契約」が成立しているので、「試用期間」であっても合理的な理由がない限り企業は解雇にできないという意味になります。
では、合理的な理由とはどの程度のものなのでしょうか。通常、企業は採用した従業員を教育していく義務があるとされるため、「活躍できない」という理由だけでは合理的な理由にはなりません。例えばですが、1ヵ月の中で2週間無断欠勤をして、企業側が注意をしても改善しなかったなどのケースがあったとします。これは合理的な理由として認められる可能性があります。つまり、『業務上支障が出るレベル』で、『企業が最善の努力をして対応しても、本人に非があり改善ができないレベル』という事です。このように、入社して「少々活躍するのに時間がかかる」ぐらいのレベルでは、解雇はできないというのが一般的な見解になるため、必要以上に不安になることはありません。
ただ、この「試用期間」について、理解が不十分な企業が存在するのも事実です。そのため、入社する側としてもきちんと会社のスタンスを押さえた上で入社を決めるのがよいでしょう。
ここで、入社する側として押さえておきたいことがあります。
試用期間は期間があらかじめ設けられています。内定通知書(雇用条件通知書)・就業規則などに記載されているので確認しましょう。
試用期間中は、給与などの条件が変わる場合があります。入社後に「聞いていたのと違う」とならないように、内定通知書(雇用条件通知書)で事前に確認しましょう。
不明点は、曖昧にせず、内定を受諾する前に企業にきちんと確認をした上で、入社の意志を固めることが大事です。
壷井央子さんプロフィール(http://profile.ne.jp/pf/careerplan32-yoko/)