【豆知識】イタリアでは「干しダラ」を信仰する宗教があるって本当?
世界には数多くの宗教があります。キリスト教、ユダヤ教、仏教、イスラム教など広く知られているものから、ちょっと変わった一般的には知られていないものまで。イタリアではなんと干しダラを礼拝する宗教があるそうです。この宗教の名前は「Venerable Confraternity of Stockfish」。彼らの信仰はすべて干しダラが中心となります。今回は知られざる干しダラ信仰のあれこれをお伝えします。
入会するときは干しダラの前で信仰を表明し、会員になります。また新入会員は会長が握る1メートル以上もある大きな干しダラで肩をたたいてもらい、祝福のことばをかけてもらいます。
本人たちはまじめに干しダラを信仰しているようですが、はたから見るとひからびた魚に肩をたたかれて、泣いているなんてかなりおもしろい光景です。そのせいかこの干しダラ宗教は最近知名度が上がってきて、イベントなどが行われる際には多くの人が見学しているそうです。
ちなみに会員たちは、外交官やシェフ、ワインづくりのプロなどさまざまな職業の人がいますが、500年に渡って伝わってきているタラ料理のレシピを忠実に守り続けているといいます。どうやらこの宗教は、長年伝わってきた伝統的なタラ料理が廃れてしまわないようにと作り出されたもののようです。
会員は忠実に正しくタラを料理しなければならず、経営しているレストランなどでもし間違った方法で料理したものが出されると会員資格を剥奪されてしまうのだとか。
この宗教には未だに数多くの人が会員になれるのを待っているそうで、タラ料理を愛する人の数の多さを物語っています。