【この乾電池って単3？ マンガン？ アルカリ? 】はじめての「乾電池おどおど」＃あつまれ！_おどおど学生。 2ページ目
アルカリ、マンガン、リチウムって何？
アルカリ電池、マンガン電池、リチウム電池といった分類もあります。パッケージに「アルカリ乾電池」と書かれていたりしますので、言葉は皆さんご存じでしょう。これは、乾電池に使われている素材による分類です。
そもそも電池は、正極材（+）、電解液（本体に封入されている溶液）、負極材（-）という3つからできています。それぞれ以下のような違いがあります
・マンガン電池
正極：二酸化マンガン
電解液：塩化亜鉛水溶液
負極：亜鉛
・アルカリ電池（アルカリマンガン電池）
正極：二酸化マンガン
電解液：アルカリ水溶液
負極：亜鉛
※正確には「アルカリマンガン電池」
・リチウム電池（二酸化マンガンリチウム一次電池）
正極：二酸化マンガン
電解液：非水系有機電解液
負極：リチウム
※正確には「二酸化マンガンリチウム一次電池」
中身の詳細はともかく、素材によって電池の特性も変わるので、実はそれぞれの電池で向き不向きがあるのです。
・マンガン電池
休ませると電圧が回復します。そのため、小さな電力で動くたまに使う機器、例えば非常用の懐中電灯などで使用するのに向いています。
・アルカリ電池
パワー、容量が大きいので大きい電流が必要な機器で使用するのに向いています。ただし、使っていないときも自己放電で消耗します。
・リチウム電池
アルカリ電池と比べてハイパワーで、長持ちし長期保存も可能です。また、推奨使用温度範囲が幅広く、寒い地域でも使用可能です。ただし、価格は高く、初期電圧が高いので一部の機器には向かない可能性もあります。
現在コンビニなどで手軽に買える乾電池は、アルカリ乾電池が主流となっています。これは大電流が必要な機器から少電流でOKな機器まで幅広く用いることができるからです。屋外で長時間使う機器用であれば、低温でも耐えるリチウム電池の方が向いています。
⇒参照：『一般社団法人 電池工業会』公式サイト「電池の規格について」
https://www.baj.or.jp/battery/knowledge/spec.html
「一次電池」と「二次電池」の違い
皆さんがコンビニなど身近に購入できる乾電池には「一次電池」と「二次電池」という違いがあります。
「一次電池」は放電して蓄えられた電力を全て使い切ってしまうとおしまいな使い切りの電池です。電池で切れたら資源ごみの日に回収してもらうしかありません。
一方の「二次電池」は充電可能で繰り返し使える乾電池です。蓄えた電力を使い切っても充電器を使って電気を再び蓄えて使用可能です。『パナソニック』の「eneloop（エネループ）」という商品が有名です。
ちなみに「三次電池」というのもあります。これは、電気を使って充電するのではなく、環境の変化などを作って自ら充電するという電池です。まだ開発途中でコンシューマーマーケット用の乾電池にはなっていませんが、研究は進んでいます（以下記事を参照してください）。
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/challenging_for_tomorrow/lab02
いかがだったでしょうか、乾電池とひと口に言っても種類は実にさまざま。「円筒形の単4の電池」でも、使い切りの「一次電池」と充電可能な「二次電池」がありますし、マンガン、アルカリ、リチウムと違いがあるのです。今回ご紹介したことを参考に、自分の使用する機器に適した乾電池を選択してください。
文：高橋モータース＠ｄｃｐ
編集：マイナビ学生の窓口編集部
取材協力：一般社団法人 電池工業会
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本記事の指南：『一般社団法人 電池工業会』
https://www.baj.or.jp/index.html#
●電池工業会
電池工業会は、電池及び電池器具に関する調査研究、環境保全、再資源化、標準化、品質性能及び製品安全に係る施策の推進を行っている一般社団法人です。
電池は、乾電池/スマートフォン/ノートパソコン/電動アシスト自転車等の日常生活に身近に使われているものから、電動自動車(EV)等、幅広い用途に多くの電池が使用されており、電化社会・デジタル社会において国民生活・経済活動に無くてはならない、重要物資であり、今後益々その重要性が増して来ています。
大学生の皆様：現在、電池業界は活気があり、将来性も高く、働き甲斐が有る、と注目されている業界です。電池に関わる産業団体として、業界一同、是非皆さんと一緒に熱く仕事が出来る事を祈念しております。
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