【お薦めの1冊は?】はじめての「ミステリー小説」おどおど #あつまれ!_おどおど学生。 2ページ目

学生の窓口編集部

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「初めて」でも読んでほしい名作は?

井戸本さんにミステリー初心者にお薦めの1冊を挙げていただきました。

●『そして誰もいなくなった』著:アガサ・クリスティー
謎の人物から招待を受けた10人が孤島に集まります。それぞれ全く面識がない10人なのですが、マザー・グースの童謡『Ten Little Indians』の歌詞どおりに、一人、また一人と殺されていくのです。犯人は誰で、またなぜ招待客は殺されなければならないのか?

作者はミステリーの女王と称されるアガサ・クリスティー。現在まで続くミステリーのフォーマットである「嵐の山荘」を確立した古典にして傑作です。

●『占星術殺人事件』著:島田荘司
1936年2月26日、2.26事件と共に不可解な猟奇殺人事件が起こります。画家の梅沢平吉が密室状態の自身のアトリエで殺害されたのです。発見された遺書からは「それぞれの星座に合わせて6人の女性の体の一部を切断、それを合成して完全な肉体を持つ女性「アゾート」を作ると書かれていました。実際に6人の姉妹が殺害され、体の一部が持ち去られました。

犯人は誰なのか? アゾートは本当に作られたのか? 途中に「読者への挑戦状」が挟み込まれており、挑戦状前までの情報で読者も犯人を指摘できるというフェアプレー精神に溢れた作品となっています。「新本格」という一つの時代を作った歴史的傑作です。

●『シャーロック・ホームズの冒険』著:コナン・ドイル
世界で最も有名な名探偵シャーロック・ホームズと相棒ワトソン博士の活躍を描く短編集。「赤毛組合」「唇のねじれた男」「まだらの紐」といった古典的名作が収録されています。小学生のころに胸踊らせながら読んだという人も多いかもしれません。

現在でもシャーロック・ホームズの活躍を楽しむ読者を生み出しているミステリー小説の定番にして傑作。新訳版が出て読みやすくなっていますので手にとってみてはいかがでしょうか。短編なので「今晩はここまで」と寝床で読むのにも向いています。

●『探偵ガリレオ』著:東野圭吾
帝都大学の天才物理学者・湯川学助教授が不可解な事件の謎を解いていくシリーズ連作をまとめた短編集。オカルト的現象を科学によって説明するという、近代科学の原点ともいうべきテーマが横溢したミステリー小説です。

フジテレビでドラマ化され、湯川先生は福山雅治さんが演じました。ドラマもヒットし、「ガリレオ」の名前は今では多くの人が知っています。ドラマから入った人も、ぜひ小説の湯川先生も知ってみてください。

●『われら闇より天を見る』著:クリス・ウィタカー
アメリカ、カリフォルニア州の海沿いの町ケープ・ヘイヴンを舞台にして、30年前に起きたひとりの少女が命を落とした事件に端を発する悲劇を描くミステリー小説です。過去に囚われて生きている警察署長ウォークと、運命に抗いながら懸命に生きる少女ダッチェスの二人がたどり着いたあまりにも哀しい真相とは――?

2021年度の英国推理作家協会賞最優秀賞を受賞した本作。起きてしまった事件がどのように人々に影響を与え、犯した罪にどう向き合っていくのかということを描く作品です。謎解きの快感だけではないミステリーの楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。

プロからの「ミステリーの薦め」

最後に井戸本さんにプロからの「ミステリー小説の薦め」を伺いました。

井戸本さん:どんな形であれ、ミステリー小説の世界に飛び込んでいただけたらいいなと思っています。私も個人的には、そもそも幼い頃に読んだ『シャーロック・ホームズ大全』という講談社の本を読んだのが始まりでした。

こんなに面白い世界があるんだと衝撃を受けたのが好きになったきっかけです。まさかそれが大人になってからの仕事につながるとは思ってもみませんでした。その後、『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』といったミステリー漫画も好きになり、ミステリーが好きだという気持ちは強まっていきました。

漫画や映画、ドラマでミステリーが好きだなと思ったら、ぜひ小説にも手を出してみてください。150年以上の歴史があるのでコンテンツは無数にあります。そして、今も新しいコンテンツが生み出されています。それは、好きな人がたくさんいる魅力的な世界だからです。ぜひミステリー小説を読んでみてほしいです。

大学生時代は「自分で選択することが増える」時期です。アルバイトをするなどして自分で使えるお金も増えるでしょう。できればたくさん本を買って読んでください。そうすれば自分の知見も広がります。皆さんが購入する本の中にミステリーが入っているとうれしいです。一生飽きることのない世界が広がっていますから。お待ちしております(笑)。

解決!! 「ミステリー小説」おどおど 

ミステリー小説の魅力、お薦めの本などについて、プロから指南をいだだきましたが、いかがだったでしょうか。ミステリーは非常に魅力的な小説のジャンルです。そこには魅力的な謎があり、個性豊かな名探偵が登場します。あなたも一緒に謎を解いてみませんか?



教えてくれたのはこの人!

指南役:株式会社早川書房 『ミステリマガジン』編集部
井戸本幹也さん

Profile

1997年生まれ。全日本大学ミステリ連合の代表を務めた後、早川書房に入社。現在は翻訳ミステリ書籍と雑誌ミステリマガジンの編集者。担当書にアガサ・クリスティー『クリスマスの殺人 クリスティー傑作選』、エイドリアン・マッキンティ『ポリス・アット・ザ・ステーション』、クリス・ウィタカー『われら闇より天を見る』など。

⇒『Hayakawa Online』「ミステリマガジン」

文:吉田ハンチング@dcp
編集:マイナビ学生の窓口編集部

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