初めてのプログラミング言語と学び方を覚えよう(5)「AWS」

学生の窓口編集部

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IoTやICT(モノのインターネット)が推進され、技術を支えるプログラマーやエンジニア人材のニーズも高まっています。今や就活や転職時のスキルとして、プログラミングを学んでおくことは大きなアドバンテージになるともいえます。この世相を受け、プログラミング学習に挑戦してみようと考えている人が、まずすべきことは「学ぶプログラミング言語を決めること」です。

現状プログラミング言語は数百の種類があり、学ぶプログラミング言語を選ぶことは、その後の仕事内容を決定付ける要素になります。この決定が、人生を左右するといってもいいかもしれませんね。そのためには、人気のプログラミング言語は何か、どこで使われているのか、将来性はあるの? など基礎知識を身に付けておく必要があります。

そこで今回から全5回にわたり、人気のプログラミング言語を1つずつ取り上げ、歴史的な背景から最新動向までを現IT研修講師として活躍している斎藤和明さんにお聞きしました。第5回は「AWS」です。プログラミング言語自体ではありませんが、プログラミング開発をする上では重要な知識になります。プログラミング言語とともに学習していきましょう。

目次

AWSはクラウドコンピューティングサービスの一種

「初めてのプログラミング言語と学び方を覚えよう」、シリーズ最後となる第5回は、少し趣向を変えてプログラム開発にかかわる上で必要となるクラウドコンピューティングサービスの一種であるAWS(Amazon Web Services)を紹介します。

クラウドコンピューティングサービスとは、インターネット上のコンピュータネットワークを通じて、ストレージやデータベース、アプリケーションなどのITリソースをオンデマンドで使用できるサービス全体を指します。このサービスを利用することにより、必要なときに必要なだけ、アプリケーションやストレージを使えるようになりました。

サービスの料金体系も使った分だけ都度支払う「サブスクリプション」という支払方法も確立されています。利便性と作業効率化が図れることから、2006年以降提供サービスが増加。サービス利用者のメリットは、ハードウェアなど導入費用の削減、メンテナンス人材など初期投資を抑えられることができます。今やIT関連に欠かすことができないサービスといえます。

監修:斎藤さんのコメント

AWSはクラウドコンピューティングサービスの一種です。プログラミングによるシステム開発はもちろん、サーバー(企業用のコンピュータ)やデータベースの構築など、幅広い用途で使われます。物理的なコンピュータではないため、いつでもどこでも使用でき、災害時に使用できないといった影響が少ないのがメリットです。

活用事例としては、ゲームアプリで有名なDeNAのシステム開発環境の構築や、NTTドコモの基地局鉄塔サビ点検ツールの構築などでも使われています。現在のIT業界においてはプログラマーをはじめ、多くのシステムエンジニアに必須のサービスともいえるでしょう。

AWSのニーズは今後どうなる?

現在提供されているクラウドコンピューティングの種類は、大きく3つに分類されます。インターネット経由でソフトウェアパッケージを提供する「SaaS(Software as a Service)」。インターネット経由でアプリケーションを実行するプラットフォームを提供する「PaaS(Platform as a Service)」。そして、インターネット経由でハードウェアやインフラを提供する「IaaS(Infrastructure as a Service) 」となります。

2006年からAmazonがサービスを開始したAWSは、アプリケーションを実行するプラットフォームをユーザーが独自に構築できることから広く使われるようになりました。「PaaS」ではAmazon S3・Amazon DynamoDB・Amazon SimpleDBとして提供。「IaaS」ではAmazon EC2が提供されており、「PasS/IaaS」ともに世界シェア1位の実績があります。

この潮流は5年、10年拡大の一途をたどることが容易に予想できます。そのためIT人材に求められるスキルとして、さらにニーズが高まるといっても過言ではないでしょう。

監修:斎藤さんのコメント

AWSは、世界中で数百万以上、日本でも数十万を超える企業・個人で活用されているサービスです。2019年には世界のIaaS(仮想化技術を利用してCPU/メモリ/ストレージなど提供するサービス)分野で、約45%のシェアを獲得しています。日本においても過半数の企業がAWSを使用しており、AWS経験者が常に求められています。

AWSの学習難易度は高い? 低い?

AWSは単一のプログラミング言語と違い、幅広い情報を学習する必要があることから学習難易度は、「高い」といえます。そのため初めてAWSを学ぶ人は、まず学習内容の参考となる用語を覚えることで、自身での学習方法の構築やプログラミングスクール選びに役立ててみてください。

◎IAM
AWSにおける認証機能でAWS Identity and Access Managementとも表記され、AWSを使用できるユーザーの作成や、アクセス権限を付与することができます。AWSアカウントとは異なりますので、注意してください。AWSアカウントは契約した方と紐付きますが、IAMユーザーはAWSを使用する方と紐付きます。

◎インスタンス
Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)サービスで作成できるサーバーを指します。サーバーを作成する際には、WindowsをはじめLinuxなどさまざまなOSを選択できます。物理的なサーバーとは違い、CPUやメモリ、ディスクサイズも自由に選べます。

◎S3
S3とはストレージサービスのことで、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)とも表記されます。これは一般的に使用されているGoogle Driveに似た機能となり、クラウド上にデータをアップロードやダウンロードすることができます。保存容量やデータ転送量に応じて課金される仕組みになっています。

◎AMI
Amazonマシンイメージのことです。仮想サーバーをつくるためのテンプレートで、複数台サーバー(インスタンス)をつくるときに活用します。AMIがあれば、1台ずつソフトウェアをインストールする手間が省け、業務効率が上がります。

監修:斎藤さんのコメント

AWSはいくつもの専門用語がありますが、ここではよく使われるキーワードを厳選して紹介しました。ほかにもキーワードになる用語を調べておくと、サービス概要や学習範囲の把握に役立つと思います。

【独学編】AWSを独学で学ぶ方法

1.初心者におすすめのAWS独学法

AWSはサービス分野によって学習内容が変わってきます。独学で学習する場合は、自分が就労または転職したいサービス分野を決めることから始めてみましょう。代表的なサービスは「EC2・S3・AMI」となるので、この3つから選んでも十分な将来性が見えてきます。

上記3つのAWSサービスの学習時間は、「1日1時間ならば約50日程度」、「1日2時間ならば約25日程度」が目安となります。1日の学習時間は個人の学習進度と深度によって変わります。最低限必要になる時間の目安として覚えておきましょう。

独学の学習レベルと期間の設定は、AWS資格取得を目標として日程を組むことも有益です。AWS認定試験としては「AWS認定クラウドプラクティショナー」や「AWS認定ソリューションアーキテクト」があります。まずは一番やさしいクラウドプラクティショナーから学習してみてはいかがでしょうか。

また一般的な学習論と同じく、独学の場合は学習の習慣付けができるかが重要なポイントになります。15分・30分、可能ならば1時間の学習時間を1日の中で朝・昼・夜どの時間帯にするのかを決めて実行しましょう。おすすめの時間帯は朝です。通学・通勤前なので、比較的時間の融通が効くと思いますので、トライしてみる価値は高いと思います。

監修:斎藤さんのコメント

AWSのサービスは多岐に渡りますが、使用頻度の高いサービスはある程度決まっています。EC2、S3、AMIなど基本的な機能の操作はそこまで時間はかかりません。1日1時間ならば約50日、1日2時間ならば約25日程度が学習時間の目安です。
ただし、AWSを使いこなすにはAWSの知識だけでなく一般的なIT知識も必要になります。ご自身の現在の知識レベル・スキルにもよりますが、IPアドレスなどのネットワーク知識や、ソフトウェアのインストール・設定、ログの確認方法などを含めると倍の時間はかかると思います。

【学習時間の目安】
◎1日1時間ならば約50日程度/プラス学習なら約100日程度
◎1日2時間ならば約25日程度/プラス学習なら約50日程度

2.独学するときにおすすめの本

AWSは、サービス全体を網羅する本と、サーバーに特化した本、さらには試験対策など多くの種類が出版されています。そのなかから斎藤さんおすすめの書籍を紹介します。自分に必要な知識に合わせて選ぶ参考にしてみてください。

『図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)

監修:斎藤さんのコメント

AWS未経験の方でもわかりやすい入門書で、よく使われるAWSのサービスがまとまっています。AWSのサービスは数十種類もあるため、本書のようにサービスを厳選している書籍が読みやすいでしょう。既にAWSを経験している方にとっては、少し物足りないかもしれません。

『一夜漬け AWS認定クラウドプラクティショナー 直前対策テキスト』(秀和システム)

監修:斎藤さんのコメント

AWS認定資格のうちでも、もっとも初級の資格である「クラウドプラクティショナー」の試験対策本です。要点のみをまとめた説明と問題が書かれています。コンパクトにまとまっている反面、やや問題数が少なめです。ほかの資格本と併用しながら学習しましょう。

『Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂3版』(日経BP)

監修:斎藤さんのコメント

AWSを使ってネットワークやサーバーを構築する手順が記載された本です。ほかの書籍にもいえますが、AWSは頻繁にバージョンアップされており、書籍の内容と実際のAWS画面が異なっている場合があります。バージョン差異があると感じたら、AWSの公式サイトを参考にしましょう。

3.独学するときにおすすめのサイト

世界シェアが高いAWSの関連サイトは、日本語・英語版、テキスト版・動画版など学習方法によって使い分けられるほど多くあります。ここでは、斎藤さんおすすめの3サイトを厳選して紹介します。

■AWS無料アカウントを作成しましょう
https://aws.amazon.com/jp/s/dm/landing-page/create-free-account/?all-free-tier.sort-by=item.additionalFields.SortRank&all-free-tier.sort-order=asc&awsf.Free%20Tier%20Types=*all&awsf.Free%20Tier%20Categories=*all

監修:斎藤さんのコメント

AWS公式サイトの無料アカウント作成ページです。アカウントを作成することで1年間は無料で使用できます。本を読んだだけではスキルとして身に付かないので、まずは実際に操作しながら学習していきましょう。例外として無料では使用できないAWS上のサービスもあるため、注意してください。

■AWS 初心者向けハンズオン
https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/aws-jp-webinar-hands-on/?trk=aws_blog

監修:斎藤さんのコメント

前述したAWSアカウントの作り方など、初心者向けに動画で操作方法を教えてくれるサイトです。最初にメールアドレスなどの情報を登録することで、閲覧可能になります。動画1つあたり5分~10分前後のため、隙間時間にも活用できます。サイトを開き直すと毎回登録画面が表示されてしまうため、学習途中にサイトを閉じないようにしましょう。

■ドットインストール
https://dotinstall.com/lessons/basic_aws

監修:斎藤さんのコメント

3分程度の動画で学べるサイトです。AWSだけではなく仮想サーバーやIPアドレスなど、一般的なIT知識についても学習できるので、初心者にもやさしいです。無料版では閲覧可能なコンテンツに制限があるため、もっと詳しく学びたい場合は有料版も検討してみてください。

【オンラインスクール編】AWSをオンラインスクールで学ぶ

1.オンラインスクールのメリットとデメリット

多くの知識と情報、それらの関係性など初めてAWSを学習する人は、多くの疑問を理解するヒントが必要になります。テキストやWebからの情報だけでは不安な人は、オンラインスクールを検討してみましょう。

オンラインスクールで学ぶ一番のメリットは、場所を選ばずに学習できることです。特にAWSはクラウドサービスのため、いつでもどこでも使用でき、外出先からも操作しながら学べます。

デメリットは、AWSに特化したスクールがほとんど無いことです。プログラミングスクールではプログラミング言語の学習が中心のため、AWSについて本格的に教えてくれるところは少ないのが現実です。

2.おすすめのオンラインスクール3選

ここでは、費用やカリキュラム、学習スタイルなどが高評価のおすすめオンラインスクールを3校紹介します。初めてスクール情報を調べる人は、費用・時間・学習内容を参考にしてみてください。

RaiseTech

 

RaiseTechはAWS・Java・WordPressなど、業界的にもニーズが高いプログラミングが学習できる厳選コースが特徴です。学習時間も最短2ヶ月と、即戦力希望の人におすすめ。さらに受講期間中は、質疑応答無制限なのもポイントです。

スクール名 RaiseTech
言語/コース ・Javaフルコース
・AWSフルコース
・Javaフレームワークコース
・AWS自動化コース
・WordPress副業コース
受講期間 最短2ヶ月~
メンター 現役エンジニア
受講料 248,000円(税込)~
就職/転職支援 就職支援制度、転職支援制度有
割引 早割、学割
特徴 オンライン完結型
補講の実施やビデオチャットによるマンツーマンサポート
現役の技術者だけが講師の徹底した現場主義
公式ホームページ 【RaiseTech】公式ホームページをチェック

DMM WEBCAMP PRO

DMM WEBCAMP PROは最短12週間で基礎・応用知識学習・ポートフォリオ制作を学習できるのが特徴です。転職が成功するまで最大1年のサポートが受けられ、独自の求人も紹介してもらうことができる点がポイントです。(一都三県の企業)

スクール名 DMM WEBCAMP PRO
言語/コース ・学習カリキュラム
   L基礎・応用知識学習
(Git/HTML/CSS/Ruby/Rails/チーム開発の概念/システム設計など
   Lポートフォリオ制作
   Lチャレンジ学習※選択制
受講期間 最短12週間~
メンター 不明
受講料 624,800円(税込)~
就職/転職支援 転職支援有
割引
特徴 完全オンライン完結で未経験からITエンジニア転職が目指せる
最大1年間の転職サポート
卒業後もキャリアアップを支援
公式ホームページ 【DMM WEBCAMP PRO】公式ホームページをチェック

テックキャンプ エンジニア転職

テックキャンプ エンジニア転職は、プログラミング初心者でも基礎から実践的な高度なスキルを身に付けることができる本格的なコースがあることが特徴です。受講料は65万円以上となりますが、短期集中か夜間・休日の受講方法、キャリアアドバイザー、卒業後の継続的キャリア支援に加え、学習内容を担保する14日間の全額返金保証などもありエンジニアに転職するまでをトータルにサポートしてくれます。

スクール名 テックキャンプ エンジニア転職
言語/コース ・短期集中×オンラインプラン
・夜間・休日×オンラインプラン
※学習する言語は主にRuby(Ruby on Rails)
受講期間 最短10週間~
メンター プロの講師
受講料 受講料657,800円(税込)~
就職/転職支援 転職支援、フリーランス支援有
割引 -
特徴 テックキャンプ プログラミング教養のワンランク上、エンジニアを目指す人向け
10週間600時間の超短期集中学習
専属のトレーナーが学習完了までモチベーション管理
公式ホームページ 【テックキャンプ エンジニア転職】公式ホームページをチェック

監修:斎藤さんのコメント

AWSを仕事で使えるレベルになるためには、大手スクールだけでなくAWSを専門的に教えてくれるニッチなスクールも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

資格勉強や知識として覚えるだけでなく、業務上どのようなことにAWSが使われているかを学ぶことも大切です。AWSの操作をしつつ手順書を作成するなど、業務を意識して学習すれば、実際に働くときに有利になると思います。

AWSは学ぶ価値が高い

AWSのサービス概要から世界的な規模感、導入事例などをみてきました。2021年時点で世界シェア1位を誇る実績と、IT企業の人材ニーズともに将来性を考慮しても学ぶ価値が高いといえます。

プログラミング言語の学習と比較すると、学習難易度は高く、独学ではしっかり取り組む必要があります。またオンラインスクールでの学習も地域・講座ともに選択肢が限られることも予想されるので、受講前に学習範囲やカリキュラム、サポート体制などを十分に確認しましょう。

学習難易度は高くとも習得した先には、就活・転職ともに道が見えてくるはずです。さらなるサービスの発展も十分あり、スキルとしての市場価値はこの先数十年落ちることはないAWSは、学ぶ価値が高いといえるでしょう。

監修

斎藤和明

IT研修講師。ニュータイプエンジニア養成講座主宰
https://love-survivor.com/
神奈川県倫理法人会 後継者倫理塾 第四期生。株式会社ラブサバイバー代表取締役。
◎1984年埼玉県坂戸市生まれ。浦和大学卒業後、IT企業に就職するが、心療内科でうつ病と診断され休職・転職することに。「現状を変えたい」との思いから、お笑い養成所「ワタナベコメディスクール」に入学(第16期卒業)。会社員として勤めながら、お笑い芸人としてライブ出演等を行っていたが、結婚、妻の出産を機にお笑い芸人活動を引退。
◎転職を重ねるごとに100万、200万と年収アップに成功し、2017年には、茨城県を中心に活動する人材派遣会社へ就職。約1,100名の会社で、IT部門の立ち上げに当初から関わる。歴代最速および最年少でIT部門のマネージャーに就任。社内で唯一のIT研修講師に抜擢され、自社および他社の新入社員研修を行いつつ、人事および営業も兼任。トップセールスとなる。
◎2019年、フリーエンジニアとして独立した後、株式会社ラブサバイバーを設立。システム開発、IT技術研修、YouTube企画運用を主な事業とする。現在は、IT業界からうつをなくすことを掲げて、日夜講演活動を行っている。趣味は読書、経営者モーニングセミナー。
近著『フリーエンジニアで成功するためにやるべき54のこと』(秀和システム)

◎編集・執筆:松田政紀(アート・サプライ)

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