初めてのプログラミング言語と学び方を覚えよう(2)「JavaScript」
IoTやICT(モノのインターネット)が推進され、技術を支えるプログラマーやエンジニア人材のニーズも高まっています。今や就活や転職時のスキルとして、プログラミングを学んでおくことは大きなアドバンテージになるともいえます。この世相を受け、プログラミング学習に挑戦してみようと考えている人が、まずすべきことは「学ぶプログラミング言語を決めること」です。

現状プログラミング言語は数百の種類があり、学ぶプログラミング言語を選ぶことは、その後の仕事内容を決定付ける要素になります。この決定が、人生を左右するといってもいいかもしれませんね。そのためには、人気のプログラミング言語は何か、どこで使われているのか、将来性はあるの? など基礎知識を身に付けておく必要があります。
そこで今回から全5回にわたり、人気のプログラミング言語を1つずつ取り上げ、歴史的な背景から最新動向までを現IT研修講師として活躍している斎藤和明さんにお聞きしました。第2回は「JavaScript」です。プログラミング言語の特徴から自身が目指す業界、作りたいサービスなどと比較しながら学ぶべきプログラミング言語をみつけてください。
目次
JavaScript開発の背景と使用シーン
JavaScriptは、Web上で気軽に遊べるシューティングゲームやパズルゲーム、Webページ制作やパスワード入力フォームなどで使われており、自分自身のホームページを作りながら覚えられるほど開発が容易なため、とても重宝されているプログラミング言語です。
第1回で紹介したサン・マイクロシステムズ社(現オラクル社)の「Java」と名称が似ているため、「Javaで動くプログラム」と勘違いする人も多くいますが、実はまったくの別物なんです。
JavaScriptは、1995年ネットスケープコミュニケーションズ社が開発し、自社開発のウェブブラウザ「Netscape Navigator」に実装されたのが始まりです。ではなぜ「Java」という冠がついているかというと、当時この2社が業務提携していたこと、「Java」が注目されていたため「JavaScript」と認知しやすい名称になったそうです。
基本的な考え方は、Webサイトを表示するブラウザ上で動くプログラム言語となります。実際に利用されているのはサイトだけでなく、Webアプリ・デスクトップアプリ・スマートフォンアプリなど多岐に渡っています。そのためWebデザイナーを目指す人たちにも必須のプログラミング言語といえます。
監修:斎藤さんのコメント
JavaScript最大のメリットは、開発環境を構築する必要がないことです。ほか言語ではプログラミングを開始する前に、まず環境を構築する必要があります。JavaScriptでは、その手間を省きすぐに着手することができます。
JavaScript登場初期は、ウェブブラウザ間の互換性が低くWebページでの動作が重くなり使いづらい時期がありました。しかし、2000年頃から「Google」や「Amazon」が、JavaScriptを積極的に利用しはじめたことで、現在のように広く普及することになりました。
JavaScriptのニーズは今後どうなる?
JavaScriptによるWebサイトやWebサービスは、現在のトレンドとなっています。この状況は、今後も広がりをみせると予想されます。ほかにもスマートフォンアプリの操作画面でも使われています。Webだけではなく、生活必需品となったスマートフォン市場からのニーズは、アプリのジャンル問わず今後も拡大することが予測されます。
Web開発やWebデザインを行なう企業や現場では必須スキルといえますが、「JavaScriptスキルだけを持つ人材」は、ほか言語に比べて少ないことが欠点といえます。理想は、Java言語とJavaScript、CSSやHTMLとJavaScriptなど、ほか言語と併せて習得することで就活や転職に影響を与えるようになります。
監修:斎藤さんのコメント
JavaScriptは誕生してから25年以上経ちます。今でもフロントエンド(画面に映る外観部分の開発)では頻繁に使われるため、今後5年、10年と使われていく言語といえます。単体でのニーズもありつつケースとしては少ないので、ほか言語との併用が望まれます。
JavaScriptの学習難易度は高い? 低い?
開発背景と将来性がわかったところで、JavaScriptを学習面からみていきます。定番言語になればなるほど、スキルとして確立するためには他者よりも深く、最新情報を学ぶ必要もあります。JavaScriptの学習は、ほか言語と比較して難易度は低くなります。Webページ作成で使用される範囲に限れば覚えることも少なくなります。同時に覚えるべきプログラムと併せて学習するときでも、比較的理解しやすい言語といえます。では、JavaScriptを学ぶケースを「独学」と「スクールに通った」2つのケースにわけてみていきましょう。
【独学編】JavaScriptを独学で学ぶ方法
1.初心者におすすめのJavaScriptの独学法
Java同様、毎日少しずつでも学習を継続することが大切です。とくに独学の場合は、土日に集中して数時間学習するよりも、1日15分でも30分でも勉強する時間を作り、学習を習慣付けすることが習得する近道となります。
前項でもふれましたが、JavaScriptは単体で覚えることは少なく、CSSやHTMLといったWebページ作成で使われる言語とともに覚えることがほとんどです。学ぶことが多いように見えますが、ホームページで使う役割の1つと覚えておけば単純です。あまり複雑に考えずに、ひとまとめで覚えていきましょう。
ほか言語と学習プランの立て方を大きく変える必要まではありません。JavaScriptは、Webページを作成しながら同時に覚えられるレベルなので、HTMLなどほか言語にかける時間も考慮して学習計画を立てるといいでしょう。
監修:斎藤さんのコメント
JavaScriptの場合、使えるレベルまでの学習時間目安は、「1日1時間ならば約6ヶ月、1日2時間ならば約3カ月」 となります。独学の場合は、目標設定が難しいこともあるので認定試験を目標にするとモチベーションを保つことができます。
代表的な資格に「HTML5プロフェッショナル認定試験」がありますが、こちらもHTMLに関する問題が出題されます。この認定試験は、随時受講が可能なため学習がある程度進んだら予約する形で検討してみましょう。
2.独学するときにおすすめの本
JavaScriptは、そのニーズから各レベルに合わせた書籍も多く出版されています。そのなかから斎藤さんおすすめの書籍を紹介します。
『図解! JavaScriptのツボとコツがゼッタイにわかる本 “超”入門編』(秀和システム)
監修:斎藤さんのコメント
初心者向けにイラストを豊富に使い、わかりやすく解説している入門書です。実際にプログラミング演習をするには物足りないと思いますので、学習サイトと併用して活用するといいでしょう。
『HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 対策テキスト&問題集 Ver2.0対応版』(マイナビ出版)
監修:斎藤さんのコメント
「HTML5プロフェッショナル認定試験」のテキストです。初歩的な知識を覚えるには、レベル1の取得を目指してみましょう。JavaScriptとHTMLは連動することが多く、関連付けて学習することができます。欠点としては、学習範囲が広いこと。プログラミング操作をしながら、少しずつ学習していきましょう。
3.独学するときにおすすめのサイト
JavaScriptは、書籍同様多くのホームページがあります。総合的な情報やスキルアップに役立つ情報、さらには最新動向など幅広いなかから学習に適した斎藤さんおすすめサイトを紹介します。
■CODEPREP
https://codeprep.jp/
監修:斎藤さんのコメント
演習可能な学習サイトです。サイト上でプログラミング操作をしながら、学ぶことができます。演習の種類が豊富であり、手を動かしながら学習できるのが良い点です。JavaScriptに限らず、ゲームプログラミングやシステム開発の基礎も学べるため初心者におすすめです。
■マンガで分かる JavaScriptプログラミング講座
https://crocro.com/write/manga_javascript/wiki.cgi
監修:斎藤さんのコメント
超初心者向けのマンガサイトです。プログラミングは最初難しいと感じてしまう方が多いのですが、マンガから入ることでハードルが低くなります。まず、ざっくりとしたイメージを持ってから、専門的な内容を学ぶ方がいいでしょう。
【オンラインスクール編】JavaScriptをオンラインスクールで学ぶ
1.オンラインスクールのメリットとデメリット
初めてプログラミング学習をスタートさせる人には、オンラインスクールという選択肢を検討する価値があります。とくに学習習慣、自身での学習計画を決めるのが難しい人は、スクールが組んだカリキュラムに沿って学習することをおすすめします。
オンラインスクールで学ぶメリットとしては、時間と場所に縛られないことと、すぐに不明点を質問できることです。自分だけで考えていると、先に進めなくなり挫折の要因となります。学習の進め方や、分からないことを質問できるだけで学習意欲が保てるため、大きなメリットといえます。
デメリットは、高額な受講料がかかることです。予算の範囲内で学習できるコースを選ぶことが前提となり、希望のカリキュラムを受講できないケースもあります。考え方としては、「受講料を払い時短で学習可能」と捉え、今すぐにプログラミングを学びたいか、時間をかけて学びたいか。自分の要望によって使いわけるといいでしょう。
2.おすすめのオンラインスクール3選
ここでは、費用やカリキュラム、学習スタイルなどが高評価のおすすめオンラインスクールを3校紹介します。初めてスクール情報を調べる人は、費用・時間・学習内容を参考にしてみてください。
TechAcademy
スクール名 | TechAcademy |
---|---|
言語/コース |
・はじめての副業 ・フロントエンド副業 ・エンジニア転職保証 ・Webアプリケーションコース ・PHP/Laravelコース ・Javaコース ・フロントエンドコース ・Node.jsコース ・Webアプリ実践ポートフォリオコース ・iPhoneアプリコース ・Androidアプリコース ・Webデザインコース ・デザイン実践ポートフォリオコース ・webデザインフリーランス ・UI/UXデザインコース ・Webディレクションコース ・WordPressコース ・Shopifyコース ・Wixコース ・Pythonコース ・AIコース ・データサイエンスコース ・Unityコース ・はじめてのプログラミングコース その他動画編集コース等 |
受講期間 | 最短4週間~ |
メンター | 現役エンジニア |
受講料 | 社会人:174,900円(税込)~ 学生:163,900円(税込)~ |
就職/転職支援 | 転職サポート有 |
割引 | 学割 |
公式ホームページ |
【TechAcademy】公式ホームページをチェック |
TechAcademyのおすすめポイント
・種類豊富なコースで目的に合ったコースを見つけやすい
・実務経験者のみ!現役エンジニアによるマンツーマンサポート
・経験豊富な現役エンジニアが約1,000名在籍
・プログラミングスクール受講者数No.1
※アンケートモニター提供元:GMOリサーチ株式会社
調査期間:2021年8月12日~8月16日
調査対象:2020年8月以降にプログラミングスクールを受講した18~80歳の男女1,000名
調査手法:インターネット調査
TechAcademyで受講できるコースは他のプログラミングスクールと比較しても非常に多く、自分の目的に合ったコースを見つけやすいのが特徴です。
エンジニア転職保証コースは経済産業省認定コースのため、条件をクリアすれば最大30万円のキャッシュバックを受けることができ、1000社以上の未経験者向け求人から案件を紹介してもらうことが可能です。
また、はじめての副業コースでは、受講終了後に副業につながる独自の案件を紹介してもらえるので、副業やフリーランスを目指したい方におすすめです。
その他にも現役エンジニアが約1,000名在籍しているのも特徴です。
スクールによっては、スクール専任講師の方や、大学生・卒業生が中心のスクールもあるため、実際の現場でいま働いているエンジニアから学びたいという方にはチェックしてもらいたいポイントです。
CodeCamp
CodeCampのおすすめポイント
・学習期間終了後も最新のカリキュラムが閲覧可能
・レッスン毎に講師の選択が可能、自分にあった講師を見つけられる
・オーダーメイドコースは全30種類以上のカリキュラムがお得に学べる
CodeCampは、毎日7:00~23:00まで年中無休でレッスンが受講できるため、朝活や仕事の合間、週末など自分のライフスタイルに合わせて受講することが可能です。
講師は、レッスン毎に選択することができるため、自分にあった講師を見つけることができます。
また、学習期間が終了した後でも最新のカリキュラムが閲覧でき、新しい情報に触れることができるのが特徴です。
※2021年12月9日 18時00分 〜 2021年12月31日 23時59分までは、全コースの受講料が15%オフになる今年最大最後のキャンペーンを実施中です!
Freeks
監修:斎藤さんのコメント
スクールを選ぶとき、「講師との相性」も確認しておきたいポイントです。講義タイプの学習だと、講師を信頼できなければモチベーションも、学習効率も上がりません。逆に信頼できる講師であれば、どのスクールでも学ぶ効率は上がりますので、体験講座があれば一度試しに受講してみましょう。
可能ならばメンターが付くスクールでは、どのような人が担当し、どのような対応をしてくれるのかも、併せてチェックしておくといいでしょう。この2つは、各スクールが無料で行っている体験学習を上手に利用すると、見極めやすくなります。
JavaScriptは学ぶ価値が高い
JavaScriptの歴史から現在の活用事例、プログラミング言語の将来性、学習時の注意点をみてきました。Java同様、IT業界の人材ニーズも高いことを考えると、今後10年は使われる言語であり、今学ぶべき言語としておすすめ度は高いといえます。
独学をカバーする書籍やホームページ、スクールでのカリキュラムなど幅広い学習スタイルから選べることも大きなメリットです。もちろん学習し習得するまでは時間がかかるので、プログラミング学習初心者は、目的と目標を立てて取り組んでみてください。
監修
斎藤和明
IT研修講師。ニュータイプエンジニア養成講座主宰。
https://love-survivor.com/
神奈川県倫理法人会 後継者倫理塾 第四期生。株式会社ラブサバイバー代表取締役。
◎1984年埼玉県坂戸市生まれ。浦和大学卒業後、IT企業に就職するが、心療内科でうつ病と診断され休職・転職することに。「現状を変えたい」との思いから、お笑い養成所「ワタナベコメディスクール」に入学(第16期卒業)。会社員として勤めながら、お笑い芸人としてライブ出演等を行っていたが、結婚、妻の出産を機にお笑い芸人活動を引退。
◎転職を重ねるごとに100万、200万と年収アップに成功し、2017年には、茨城県を中心に活動する人材派遣会社へ就職。約1,100名の会社で、IT部門の立ち上げに当初から関わる。歴代最速および最年少でIT部門のマネージャーに就任。社内で唯一のIT研修講師に抜擢され、自社および他社の新入社員研修を行いつつ、人事および営業も兼任。トップセールスとなる。
◎2019年、フリーエンジニアとして独立した後、株式会社ラブサバイバーを設立。システム開発、IT技術研修、YouTube企画運用を主な事業とする。現在は、IT業界からうつをなくすことを掲げて、日夜講演活動を行っている。趣味は読書、経営者モーニングセミナー。
近著『フリーエンジニアで成功するためにやるべき54のこと』(秀和システム)
◎編集・執筆:松田政紀(アート・サプライ)
◆初めてのプログラミング言語と学び方を覚えよう
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