投資信託を始める前に知りたいアクティブ投資とパッシブ投資って何?|学校では教えてくれない「お金の授業」

学生の窓口編集部

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投資信託を始める際には、投資の方法を知っておくことが大切です。

「アクティブ投資とかパッシブ投資って聞いたことあるけど、どんな投資方法なの?」
と気になる方もいるのではないでしょうか?

アクティブ投資もパッシブ投資も、「自分がどのようなスタイルで投資をしたいか」を決める上で大事なことですので、それぞれの特徴やメリット・デメリットをきちんと把握しておくと良いですね。

投資が初めての方でもわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。


投資信託とは?

投資信託は、多数の投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用する金融商品です。その運用で得られた利益は、投資家に投資金額に応じて分配されます。

投資信託は市場の影響を受けて日々変動し、投資・運用が成功すれば利益が出る一方、失敗すれば損失が生じることもあります。
この「元本割れの可能性がある」という点が、預貯金との大きな違いです。

投資信託の4つの特徴

投資信託には大きく以下の4つの特徴があります。

 ・運用はプロにお任せできる
 ・小額でも投資できる
 ・分散投資なのでリスク軽減が図れる
 ・多くの国や地域の資産に投資できる

投資信託は、運用のプロが投資判断から実際の取引までを代わりに行ってくれるため、専門的な知識がなくても始めることができます。

また、投資信託というと「まとまった資金が必要なのでは?」というイメージがありますが、実は1万円から始めることができるのです。これなら「始めてみようかな」という気持ちになりますね。

さらに、分散投資をすることで値下がり株が発生しても大きな損失が出ないように投資先を組み合わせています。
ほかにも、個人では投資することを躊躇してしまう発展途上国などの株式や債券にも投資できるため、積極的に利益を追求することができます。

「販売会社」「委託会社」「受託会社」が分担している

投資信託は、投資家から集めた資金を「販売会社」「委託会社」「受託会社」がそれぞれ業務を分担して行っています。

販売会社 投資信託の募集や販売をする。投資家から資金を集める。
委託会社 ファンドを組み合わせて、受託会社へ運用指図をする。
受託会社 委託会社からの指示通りに投資し、資金管理をする。

投資家が直接やり取りをするのは販売店ということですね。

投資信託の種類

投資信託の運用方法には、「アクティブ運用」と「パッシブ運用」があり、投資を始める際には基本的にどちらの方法で運用をしていくのかを決めることが必要です。

しかし、投資信託が初めてという方にとっては、「アクティブ運用」と「パッシブ運用」のどちらが適しているかがすぐには決められないこともありますし、それぞれの運用方法が具体的にどのようなものか理解できないこともあるでしょう。

そこでまずは、それぞれの運用方法の特徴を確認していくことから始めてみましょう。

アクティブ運用

アクティブ運用は、ベンチマーク(目安となる指数)を上回る成績を目指す運用方法です。

「アクティブ=積極的な」という意味なのでイメージしやすいですね。

ベンチマークは、日本株で運用する場合、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数がよく使われます。ファンドマネージャーが市場や銘柄の調査を行った上で、運用する銘柄の売却や入れ替えを積極的に行い、高い利益を出すことがアクティブ運用の目標です。

アクティブ運用の代表的な運用方法

アクティブ運用の代表的な方法には、「バリュー運用」と「グロース運用」があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。

バリュー運用 企業の利益や資産額などの基準に対して割安な株式に投資する方法。 「企業の将来性<割安さ」
グロース運用 企業の将来性(成長度)に対して投資をする方法。成長株投資ともいう。

パッシブ運用

パッシブ運用とは、ベンチマーク(目安となる指数)に連動した運用をして成果を上げる方法です。「パッシブ=受動的な」という意味である通り、積極的な運用をするアクティブ運用に比べて手堅い運用方法とされます。

パッシブ運用は、ベンチマークに連動して運用を行うため、利益を追求するための投資計画や銘柄の選択などをする必要がなく、機械的に運用されます。

アクティブ運用の代表的な運用方法

アクティブ運用の代表的な方法として、「完全法」と「サンプリング法」があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。

完全法 対象となる市場インデックスの全銘柄をインデックスと同じ構成比率で保有する方法。株式運用でよく利用される手法。
サンプリング法 対象となる市場インデックスの代表的な銘柄を選んで投資する方法。

アクティブ運用のメリットやデメリット

アクティブ運用のメリットとデメリットについて確認していきましょう。

アクティブ運用のふたつのメリット

アクティブ運用には主に以下の2つのメリットがあります。

 ・相場が上昇すると大きな利益が得られる
 ・相場が下落したときでも適切なリスクヘッジをしてくれる

アクティブ運用は、積極的な運用を目指す方法なので、「今が相場の上がり時!」とファンドマネージャーが判断したときには勝負にでるため、市場のインデックスを大きく上回る利益を獲得することができます。

また、「この銘柄は成長性が見られる」と判断し投資した銘柄が予測通りに値上がりした場合も、利益を得ることができます。

ただし、積極的な運用をしていると相場が下落したときのリスクが大きくなりがちですが、ファンドマネージャーが投資家に大きな不利益を与えないように対策を施してくれることが多いです。

アクティブ運用の3つのデメリット

一方で、アクティブ運用には以下の3つのデメリットがあります。

 ・投資計画や銘柄の売買などを行ってもらうためコストが高くなる
 ・ファンドマネージャーの腕次第で利益が変わる
 ・パッシブ運用よりもリスクが高い

アクティブ運用では、ファンドマネージャーが市場調査や分析、銘柄の売買などを行うため、運用コストが高くなります。

また、運用実績はファンドマネージャーのスキルに左右されることがあり、特に相場が下落した際はリスクヘッジが得意なファンドマネージャーの方が損害が小さくなることがあります。

さらに、アクティブ運用はハイリターンが望める一方で、その分リスクも高くなる傾向がありますので、投資家はリスク管理に留意する必要があります。

パッシブ運用のメリットやデメリット

パッシブ運用についてのメリットやデメリットも確認していきましょう。

パッシブ運用の4つのメリット

パッシブ運用には主に以下の4つのメリットがあります。

 ・低リスクで低コスト
 ・投資の知識がなくても運用方法や状況がわかりやすい
 ・ファンドマネージャーの手腕に影響されない

パッシブ運用では、ファンドマネージャーが投資計画をたてたり銘柄の売買や入れ替えなどを行わず、市場の平均値に連動して機械的な運用がなされるため、コストがかからず信託報酬が安く抑えられます。

また、運用はベンチマークに連動して行われるので、専門的な知識がなくても理解しやすい特徴があります。

パッシブ運用の3つのデメリット

一方、パッシブ運用には主に以下の3つのデメリットがあります。

 ・パッシブ運用を行っている投資信託自体が少ない
 ・リターンが小さい
 ・市場価格が下落した際の影響を受けやすい

パッシブ運用で手堅く運用したいと思っても、実はパッシブ運用を行っている投資信託がそれほど多くないことがあります。

また、低リスクであるため市場価格が上昇しても、思ったほどのリターンが得られないというデメリットもあります。

さらに、市場価格が下落した際には、ファンドマネージャーがリスクヘッジを行わないため、アクティブ運用よりも影響を受けやすくなります。

まとめ

投資信託にはアクティブ運用とパッシブ運用の2つがあります。積極的に利益を追求する手法がアクティブ運用、手堅い運用をするのがパッシブ運用です。

アクティブ運用はハイリスクハイリターンながら投資の面白みがある運用方法です。一方、パッシブ運用はリターンは大きくないですが、着実な投資ができる運用方法です。

自分がどちらの運用方法を選ぶのかは、それぞれの特徴を理解し納得したうえで決めましょう。

文:金子 賢司

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。 以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP、住宅ローンアドバイザー、生命保険協会認定FP、損保プランナー 公式HP

制作:Media Beats
編集:マイナビ学生の窓口編集部

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