「もっとナメてかかってもいいんじゃない?」Y系バンドNon Stop Rabbitのモチベーションの秘密 #19才のプレイリスト

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人生はきっかけの連続だ。だからこそ、自分のやりたいことをどう選べばいいのかわからない。今何をするべきなのか迷ってしまうという大学生のために、「音楽」という道を選んだアーティストに直撃し、19才の頃に聴いていた楽曲を元に人生観を語っていただく連載『#19才のプレイリスト』。

今回は、総チャンネル登録者数70万人以上、総動画視聴回数2億回超えと勢いのあるY(YouTuber)系バンド「Non Stop Rabbit」を直撃。2016年11月に結成し、2020年12月9日(水)にメジャーデビューアルバムをリリースするまでの彼らは一体どのような思いでここまできたのでしょうか。

文:於ありさ
  写真:友野雄(YU TOMONO)
編集:学生の窓口編集部

3人が“ノンラビ”として音楽の道を進むまでの葛藤

――皆さんは19歳のころ、どのような毎日を過ごしていましたか?

田口達也(Guitar / Chorus):上京して、1年経ったくらいのときですかね。音楽にはまだ出会っていなくて、役者を目指してひたすらレッスンしていました。振り返ってみると、当時はめちゃくちゃ悩んでましたね。

――それは、思い描いた通りにいかなかったからでしょうか?

田口:そうですね。何をすればいいかわからないけど、バイトをするために上京したのではないから、バイトはしたくなかった。

だからといって役者の仕事はない。当然お金もない。でも時間だけがある…という状況に悶々としてましたね。

同じく俳優の夢を目指す人たちも周りにはいたんですけど、椅子取りゲームだと思っていたので、相談するのは違うなと。とにかく1人で悩み続けていました。

――晴人さんは19歳の頃何をしていたんですか?

矢野晴人(Vocal / Bass):僕は大学に行ってましたね。もともと高校生の頃からバンドをやっていて「将来は音楽でご飯を食べたいな」と思っていました。

やっぱり「とりあえず進学」みたいな風潮もあったし、親も大学までは行ってほしいという感じだったので、「どうせ違うことをやらなきゃいけないなら、子供好きだしな」と保育の学校に進学したんです。

でも、結局1年で辞めてしまいましたね。「このままだと、自分のためにはならないな」と冬休みに親に相談しました。

――親御さんはどのような反応をしたんですか?

矢野:打ち明ける時は緊張したんですけど、「自分で決めたことなら」と一発で了承してくれて、応援してくれました。たぶん、その時に反対されてたとして、嫌々で学校に行き続けていたとしても身が入らなかったと思うので、本当に親には感謝ですよね。

――太我さんはどんな19歳を送っていましたか?

太我(Drums):僕、高校生までずっとサッカーをやっていたんですよ。親にも「プロサッカー選手になれ」と言われてたし、高校も特待生として入学したんです。

でも、途中からはあまり楽しいと思えなくなっていて、モヤモヤしていました。そんなときに、UVERWorldさんのライブに行って「音楽の道に進みたい」と思うようになったんです。

それで「大学に入学したらサッカーをやっていて遊べなかった分、めちゃくちゃ遊びたいし、音楽もやるぞ」と思って大学に入りました。でも、いざ大学に入ったら全然楽しくなかった。

――え!それはなんでですか?

太我:音楽をちゃんとやっていたから、そんなに友達と遊べなかったんですよね。その後、在学中にノンラビを組んだんですけど、2人がノンラビ一本だったこともあって、「2人に示しがつかないから」と親に言って大学を辞めました。

「音楽の道で行く」と決断できたのは、この3人だったから

――みなさんたくさん悩み抜いた上で、「音楽の道でいこう」と決意したわけですが、結構勇気がいることだったんじゃないですか?どうして決意できたんでしょう?

田口:僕はノンラビを組んだことがデカかったですね。もう覚悟が違ったんですよ。

2人が僕を誘いに来た時点で、太我は「25歳までに、この仕事で売れなかったら、僕は全部やめて実家で土木やります」って言ってたし。

もし太我が辞めたら、ハルも辞めちゃうだろうなと思ったから、「絶対に成功させよう」と腹を括ったんですよね。

矢野:ん〜…まあ、僕は太我が辞めても60歳までやろうと思ってたけどね。

田口:あ、ゆるく⁉︎

矢野:冗談、冗談(笑)。確かに3人になったのは大きかったね。心の中ではずっと音楽だとは思っていたんですけど。

太我:そうっすね。

矢野:ただタイミング的に「大学を辞めるんだったらちゃんとやらなきゃ」と覚悟できたのは大きいですね。今続けられているのも、あのときに感じた責任感が大きいかなと思います。

太我:僕も大学在学中は別のバンドを組んでいて、アルバイトをしながら普通のバンド活動をしていたんですよ。でも「こんなふうに生活していたら売れないな」と思っていました。ただ、この3人で組んだ時に、「新しい道でイケるな」と思ったんで、大学も辞めてバイトも減らしましたね。

――みなさん、ノンラビを組んだことが大きかったんですね。

田口:なんかしょうもなかったんですよね。3人で集まったときに、音楽の話もしないし、夢の話もしない。とにかく遊ぶこととか、女のこととかばっかり話してて。こんなに楽しく初対面の時から自然体でいれる関係性ってなかなかないし、たぶんこういう方が長く続くんだろうなと思いましたね。

「運命」とは感じなかったけど、シンプルに仲がいい3人なら「モテるんじゃね?」と思って、そこから「イケるんじゃね?」「スターになれるんじゃね?」って。

矢野:なんか考えるというよりかは、ぱっと感じた直感的な自信がありましたね。

3人で同じ曲を聴きながらキャラバンで移動していたデビュー直後

――でも最初から思い通りにはいかなかったこともあったんじゃないですか?

田口:ありましたね。地獄みたいでした。

矢野:そうですね。最初の1、2年は。

田口:なんか仲良しだったはずなのに、ずっと喧嘩みたいになってた時期もありました。

それこそ路上ライブを週4回やっていたころとかは、アルバイトもやってないのに、普通のスピーカーでやっても意味ないと思って、なけなしの金で15万円のスピーカー2個買って、台車に全部の機材をのせてキャラバン一つで路上ライブをしていたんですよ。

そうなると、雨降ってるだけで腹立つし、1曲しかやってないのに警察に止められることもあるし、そこまで2時間かかったのに…みたいな。今思うと誰のせいでもないんですけどね。

――今の3人の姿からは想像できないですね。そんな当時、支えとなっていた曲や、聴いていた音楽があれば教えてください。

矢野:僕ら常に車で移動してたから、3人で曲聞くこと多かったよね。何聞いてたっけ?

太我:僕は学生の頃からずっとUVERWorldを聞いてましたね。

田口:たしかに『在るべき形』とか聞いてたよね。あと『PRAYING RUN』とか。

矢野:阿部真央さんの『君を想った唄』とかね。路上ライブの時にカバーをやったこともあって、あの歌を歌うと結構立ち止まってくれる人も多かったんですよね。

田口:あとAqua Timezの『最後までII』とか聞いてなかった?

矢野:めっちゃ励まされてたね!

田口:サビの「自分の力で叶えられるかもしれないことを 神様にお願いしちゃだめだよ」っていう歌詞が頑張ってる時にすごく響いたんですよね。

メジャーデビューまでの道のりを振り返って思うこと

――そこから抜け出して、「イケるかも」と思えたのはいつ頃からだったんですか?

田口:たぶん、常に心の中では「イケるんじゃない?」って思ってたんですよ。路上ライブをしていた時も、人が集まらないわけではなかったし、路上ライブできなくなってYouTube始めた時も「イケるな」って思っていました。なんというかよい勘違いをしていて、「イケるな」って思ったことしかやってなかったっていう感じですね。

太我:みんな「イケる」って思ってたよね。路上ライブするたびにTwitterのフォロワー100人くらい増えて「めっちゃカッコ良かったです」ってリプライきたりするから、続けられたし、間違ってないなって思えてました。

――若かったころに「これだけはやっておけばよかった!」ということはありますか?

太我:僕は、やらず嫌いしないで挑戦した方がいいなと思いますね。僕、何をやるにもめちゃくちゃ不器用なタイプで、パソコンとか絶対いじれない人間だったんですけど、編集をやらざる追えない状況になった時にやってみたらできたので。やる前から無理だって決めない方がいいかなって。

――逆に「これはやっておいてよかった」ということはありますか?

田口:路上ライブの時期ですかね。ちょっとずつ積み重ねている下積みというか、1トライしないと、1得るものがないなって思ったので、路上ライブもどんどん進化していったし、路上ライブに向かう途中の車の中で「俺らおもろいんじゃない?」ってなったのがきっかけで、YouTube始めたんでね。結局全部繋がってきたなって。

――バンドをやりながらYouTubeやるという発想って当時は少なかったと思うのですが、当時は抵抗はなかったんですか?

太我:最初はちょっとあったよね。伸びない時期は恥ずかしかった。

田口:あと周りからの目が「お前らアーティストじゃないの?」みたいなのがあったので。でもそれがやっていくうちに認めてくれる方も増えてきたというのもあって、前例がないから周りが言ってくるだけだなって思えるようになりました。

――そういう目とかもある中で、一歩踏み出せたのってなんでだったんですか?

田口:俺らは3人でルールを決めてたよね。音楽は必ず主軸としてやっていくけど、YouTubeを必ず週に4回同じ時間にアップするっていうのを作っちゃったんです。そう考えると、いい意味で自分たちのことをルールを使って縛って、周りをあまり意識せずにやってこれたんだと思います。

――なるほど。自分たちで決めたルールってなんらかの理由をつけて辞めちゃうことも多いと思うんですけど、その継続力はどこからくるんでしょう?

矢野:なんなら今、もう半年くらい毎日投稿していますからね。

田口:ね。たしかに周りから見たら大変かもしれないんですけど、おもろいんですよね。自分でやっていて、編集も好きですし自分たちの動画の反応見るのも好きだったので。辞めるとかにはならなかったですね。

――学生の読者の中には自分に自信がない人や、自分のないものにばかり目を向けてしまって、強みに目が向いていないみたいな人も多いんですね。そんな中で皆さんが他と比べずに、自信を持ってやって来れたのってなぜなんでしょう?

田口:好きなことだけをやればいいと思うんですよね。日本では嫌なことの先に好きなことがあるみたいな文化がめちゃくちゃ広がっているとは思うんですけど、そうじゃないと思うんですよ。

やりたいことって言われると、思い浮かばない人もいると思うんですけど、そうじゃなくて好きなことなら見つかりやすいと思うんで、好きなことから初めていいと思います。

食べることでも、寝ることでも。歌詞にも書きましたけど、誰も失敗している数なんて数えてないですからね。

――なるほど。好きなことの中にある嫌なことだけを解決すればいいのなら、できそうですね。

田口:好きなことをやっているときの嫌なことって、体感で言うと嫌なことじゃないと思うんですよ。側から見たら「大変だね」って言われても、自分たちにとってはそういうわけじゃないことってないですか。もっと簡単に考えていいと思うし、いい意味で人生をナメると言うかね。

――どういうことでしょう?

田口:それこそ、ライブハウスでライブをやってもお客さんがいない、でもライブハウスに出ておかないとライブ呼んでもらえなくなるよねって思ってた時にナメスイッチが入ったんですよ。

「いや、でも、別にスターになって、ワンマンで埋めれるようになったらいいんじゃない?」って一旦ライブハウスを全部捨てたんですよね。

矢野:実際、もし売れたら、また呼んでもらえるっしょくらいに思ってましたね。

――常識を疑うみたいな感じですね。

田口:路上ライブも、起業もデキるんじゃね?っていう軽いノリでしたんでね。重たく考えないで、ハードルを自分たちで下げることで楽になりました。

もちろん怖い時もあるんですけど、その度に自分たちの最終ゴールは「スターになること」、それには本当に必要なことなのかと考えるようにしています。

――最後に、メジャーデビューアルバム『爆誕-BAKUTAN-』の中から、それぞれおすすめの1曲を教えてください。

田口:僕は『全部いい』っていう曲ですね。全肯定しかしていなくて、否定をしないんですよ。NOの社会の中で、YESと言っているんで聞いた人が楽になると思っています。

矢野:僕は『偏見じゃん』かな。これぱっと聞くとふざけている曲で、その通りふざけているんですけど、その中に「偏見で見ていないか?」っていう注意喚起を入れていて、周りの意見じゃなくて、最終的には自分の意見で判断するのが大事だと思ったので、こういう歌詞にしました。

田口:歌詞書いたの俺ね、全部俺ね。

――(笑)。太我さんはどうですか?

太我:僕は『BIRD WITHOUT』ですね。この曲、曲調的には明るい曲なんですけど、悲しさがあるんですね。僕背中を押されるのって、感動的な曲とか泣きそうになる曲の方が多いんですよ。だから、なんか元気も出るし、悲しくもなれるので学生に共感されやすいんじゃないかなって。

矢野:じゃあ、歌詞書く時にそう言うこと意識したの?

太我:めちゃくちゃ意識しましたね。

田口:いや、だから歌詞書いてるの俺だって(笑)。

――最後に大学生にメッセージをお願いします。

田口:太我が言ってくれた『BIRD WITHOUT』には今回のアルバムで一番言いたいこと「僕たちは"たかが"と笑われるような連続を 一つずつ重ねて欲しい未来を作る」という歌詞があるんですね。だから、他人に笑われても、自分たちが未来のためになっていると思うなら、それを積み重ねる価値はあると、大学生にはこの曲を通して伝えたいですね。

太我:自分らしさと開き直ることも大事だと思います。例えば「ゲームばかりしてるから勉強できないんだよ」って言われたら「じゃあ、ゲームで飯食べていこうかな」くらい。そういう自分らしさを追求していくことも自信に繋がるので大事だと思います。

矢野:僕は趣味の時間とか、好きなことでもいいんですけど、落ち込んでいる時に「気持ちが落ち着く」何かが1つでもあればいいんじゃないかなと思いますね。そんなときのために、僕らのYouTubeも…

田口:宣伝なの⁉︎ いい話の後に!

矢野:いや、馬鹿なことやっているんでね。笑ってもらえたらいいなって(笑)。

――掛け合いがさすがです…(笑)たくさんお話ししてくださりありがとうございました!

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