高い歌唱力とユーモアな楽曲、そして明るく自由奔放なキャラクターで大注目の弾き語りトラックメイカーアイドル眉村ちあきが、2020年12月9日に3rdアルバム「日本元気女歌手」を発売する。

2020年、コロナウイルスの影響もあり、今までのように思い通りの活動はできなかったアーティストも多い中、常にファンを楽しませ、自身の夢を叶え続けた眉村さん。

そんな眉村さんが夢を叶え続けてきた秘訣を教えてもらいました。

文：於ありさ
　　写真：友野雄（YU TOMONO）
編集：学生の窓口編集部

アルバム作りは、今の自分を記録するための手段

――今回のアルバム「日本元気女歌手」ですが…まずはタイトルに驚かされました！眉村さんがこのタイトルに込めた想いを教えてください。

眉村ちあき：これ、実は中国の配信サイトで、私を紹介してもらったときのフレーズなんですよ。中国語で「日本元気女歌手 眉村ちあき」って書いてあって。それを見たときに「私のことをこんな簡潔に説明してくれるなんて！7文字で全部言ってるやん！」って、超お気に入りになったんです。それで、プロフィールに書くようになって、アルバムのタイトルにもしちゃいました。

――そういうことだったんですね！

だから、元気を与えたいとかそういう意味でつけたんじゃなくて、「どうも眉村ちあきです」みたいな感じなんですよね。

――ひと足先に「日本元気女歌手」を聞かせていただいたんですけど、楽しい気分になる曲からジーンと来るバラードまで、いろんな印象の楽曲が収録されているなという印象でした。ずばり、本作のテーマはなんでしょう？

実はテーマに沿って、いつも作ってなくて、いっぱいできたからアルバムにしたっていう感じなんですよね。なんか写真のアルバムと感覚が似ているんですよ。成長のしるしみたいな？

だから、今回のアルバムは、今の私のこの年齢と、この状況でしか作れない曲が集まっています。

――特にお気に入りの楽曲があれば教えてください。

1曲、1曲が子どもみたいな存在なんで、選べないですね…。でも、大学生に共感されやすいのは「顔ドン」ですかね。ダメ男をボコボコにする曲なんで、すっきりする人も多いと思います。「夕顔バラード」も決断できない女の子の気持ちを歌っているので、これも女子には共感されやすいかな。

ファンの子に寂しい思いをさせたくなかった自粛期間

――今年はコロナウイルスの影響もあって、思うように活動できなかったのではないかなと思います。自粛期間中はどんな風にすごしてましたか？

とにかくファンに寂しい思いをさせない方法を考えてましたね。だから、なんだかんだで結構曲を出し続けていました。ほかにも山にこもって、ファンの人からもらったものだけで生活して、3日で3曲作ったり…

――聞いてるだけで、ファンの方は寂しくなかっただろうなって想像できますね。

あとは、SNSで発信する言葉を変えましたね。今までは嫌なことがあったら、そのまま書いてたんですけど、ただでさえ嫌なこといっぱいあるから、楽しい情報ばかりにしてあげたいって思って。ちょっと我慢するようになりました。ちょっと大人になったかも。

――眉村さんがファンを大事に思っているのが伝わってきます。

大好きなんですよ。道とかで見つけたら、追いかけちゃいますもん(笑)。あの人、ライブで見たことあるなって思ったら、「ねえ、ねえ、私のファンだよね？」って。

――え、そんな夢みたいなことあります？

でも、ファンの人には「そうだけど、やめてください」ってびっくりされて断られちゃうんですけどね。「あなたは、ちゃんとファンとの距離感を保たなきゃダメだよ」って怒られたこともあります。

――なんだかファンの方との立場が逆な気がしますけど…眉村さんらしいですね（笑）。

ゴールデンボンバー、広瀬香美とのツーマンを経験して「まだまだできる」と実感

――今回のアルバムには、ゴールデンボンバー、そして広瀬香美を迎えて開催した配信ツーマンライブでパフォーマンスした「夢だけど夢じゃなかった！」が2バージョン収録されています。この配信ライブで特に印象的だった出来事を、それぞれ教えてください。

まず、ゴールデンボンバーさんはライブ1本に対する愛情がすごくて、演出とかセットリストすべてに超こだわっているのが印象的でした。もともとツーマンの時は、相手の方の曲をリスペクト込めて歌わせていただいたり、アレンジしたりしてて。

でも、ゴールデンボンバーさんを見たら、私まだまだやれるなって思いましたね。今までの私は甘かったし、もっと愛を持って接しようって。1本のライブに対する熱量の上げ方が増しました。

――なるほど。広瀬香美さんとのツーマンはどうでしたか？

広瀬さんは、1音1音を丁寧に歌う方で確実にピッチを当ててくるし、息の吸い方全てが尊かったです。だから、私、まだ丁寧に歌える、全然甘かったなって思って…

――数秒前に聞いたフレーズな気が…（笑）。でも、ツーマンの相手からたくさんのことを学べるなんて素敵ですね。

いや、本当に。短期間で、こんなに学ぶことがあるって恵まれてるなって。それを絶対に無駄にしないで武道館で解放したいなと思ってます。

夢を叶えるなら「まずはやってみる」

――たくさん曲を出して、山籠りをして、配信ライブをして…今年は本当にいろいろトライされましたね。

わたし、自分の中に「やるか、やらないか迷う前に、1回やってから考えなよ」っていうモットーがあるんです。結構、無謀なこと言ってるのはわかるんですけど、これはぜひ大学生に伝えたい！

――結構、先のことを考えて「辞めとくか」ってなる人も多いですからね。

そうなんですよ。石橋を叩いて渡るのも大事ですけど、叩いていて割れたら、落ちてから決めればいいと思っちゃうんですよね。割れて落ちたら「割れるんだ」って学びになる。その上、割れて落ちた人の気持ちがわかるんですよ。それって、強いと思いません？

――たしかに！割れて落ちた人の気持ちは経験しなきゃ、わからないですもんね。

もしかしたら、用心深く渡りきった人の方が先に進んでいくかもしれないけど、1回落ちて、また戻ってきた人は、次に落ちたときに秒で這い上がれると思うんです。

私自身、めっちゃ騙されたり、路上ライブ中に辛辣なことを言われたり、罵倒されたりしたから、しんどいときの気持ちがわかるようになったんだと思います。

――うん、うん

だから、1回石橋割れて、泥に顔をボンってやってから人生始めた方がいい！…あれ？なんか厳しい人みたいになっちゃったな、これ（笑）。

泥吸った方が、あとあと楽しいし、大人になってから泥に落ちたら、這い上がり方がわかんないからっていうことです！かさぶたはたくさんあった方が、かっこいいですしね。

――眉村さんが優しさで言っているのは伝わってくるので、大丈夫ですよ（笑）。今回、眉村さんが夢を叶えてきた秘訣をお伺いしたかったんですけど、今お話ししたような「やってから考える」のスタンスでいたからというのが大きいんですかね？

そうですね。ずっと「やってから考えてきた」かもしれません。私、まだ100人もお客さん呼べなかったころに、500人キャパのライブ会場を借りたことがあるんですよ。正直、めっちゃお金かかるし、100人じゃ赤字なのに。

――それで、どうしたんですか？

そのライブの日までに「じゃあ、あと400人ファンをつければいいや」って思ったんです。それで8ヶ月ぐらい、地道にライブに出まくったんですよ。グッズをキャリーバッグに入れて、自分の出番が終わったら別のライブハウスに行ったりして。1日で5件ライブハウスをはしごしたこともありましたね。そしたら、本当に500枚、ソールドアウトできたんです。

――すごすぎる…！

いやー狂ってましたね。ライブはしごして、路上ライブして、家に帰って、朝まで新曲作って、昼からまたライブして…っていうのを毎日繰り返してました。元気でしたけど、今思うと、週に1回は風邪ひいてましたね（笑）。

――すごいバイタリティ！そんなお話に勇気づけられる読者も多いと思います。最後に、今、前を向いて頑張ろうとしている大学生にメッセージをお願いします。

前向きに頑張ってる時点で、もうめっちゃ偉いと思います。前向きに頑張っても、結果にならないことってたくさんあるし、努力して報われるとは限らないですからね。

でも、今は報われなくても、応援しあってほしいです。私も過去報われないことがたくさんあったけど、今は武道館でライブができるようになったり、歌手になると言う夢も叶いましたから。だから、今頑張ってるみんなに「お前なら、絶対にアリーナ行けるぞ！」って言ってあげたいです！

――すっごくパワフルな言葉！ありがとうございました！

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