5Gで社会はどうなる? 総務省が描くwith 5Gの世界 3ページ目

編集部:ベッシー

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目次
  1. 5Gは人だけではなくセンサーやモノとも繋がる
  2. 5Gによって暮らしや仕事はどのように変わりますか?
  3. 5Gが一般的に使えるレベルに達するのは何年後くらいになるのでしょうか?

5Gは2022年3月末には一般的に!?

――5Gはまだまだ使えるエリアが狭くて一部しか使えませんが、一般的に使えるレベルに達するのは何年後くらいになるのでしょうか?

2022年の3月末がひとつの目安です。

auやソフトバンクは、2022年3月末までに5Gを使える人口のカバー率を90%にすることを目標としてインフラ整備を進めていくと発表しています。docomoは基準が違うのですが、同じく2022年3月末までに人口カバー率を55%、2023年3月末までに70%にすることを目標としています。

基準の何が違うかというと、auやソフトバンクは現在4Gで使用している周波数の一部を5Gでも利用した人口カバー率ですが、docomoは高速な通信ができる5G専用の周波数だけでの人口カバー率となっています。

4Gで使用している周波数の一部を5Gでも利用したもので90%、高速な5Gで55%となれば、一般的に使えるレベルに達していると言えるのではないでしょうか。


――国としては、どのように普及の道筋を描いているのでしょうか?

総務省では、基盤展開率という基準を設けて5Gの基地局整備を推進しています。

これは、全国を10km四方、約4500のメッシュに分けて、そのメッシュの中に、ニーズに応じた柔軟な基地局の追加展開の基盤となる基地局(5G高度特定基地局)をひとつ建ててください、という基準です。なぜ10km四方かというと、多く場合、居住地から10km以内に、学校や病院、役所などがあり、人の生活圏をカバーできるエリアだからです。

この基準を設けていることで、人口が密集している都市部やトラヒックが多いところばかりに基地局が建てられる、といったことがなくなり、5Gの広範な全国展開を確保することが可能と考えています。

出典:GO! 5Gホームページ


――何年までにどれくらいカバーするというのは決まっているのでしょうか?

5Gを展開している携帯電話事業者には、5G用周波数の割当てから5年後(2023年度末)までに、全国、各地域ブロックの5G基盤展開率が50%以上になるように5G高度特定基地局を開設する決まりになっています。

もうひとつ、5G用周波数の割当てから2年以内(2020年度末)に、全ての都道府県に1局は5G高度特定基地局の運用を開始するという決まりもありますので、2020年度末までには全国的に5Gの基地局が建設されているはずです。

Society 5.0を見据えた就職活動を

――大学生に5Gをどう活用して欲しいか、どう新しい価値をつくってほしいかなど、期待していることを教えてください。

皆さんは自然にツールとしてインターネットやスマートフォンを使われているので、「5Gで何が変わるんだろう?」と思われているかもしれませんが、これまで人と人のコミュニケーションツールだった携帯電話が、5Gによって、モノやセンサーなど身のまわりのあらゆるモノが、ネットワークに繋がるためのICT基盤となることで世界が大きく変わっていきます。

世界が大きく変わっていくこの時期だからこそ、皆さんには自由な発想で新しい価値を創造していただきたいと思います。

4Gから5Gへの進化は、今までできなかったことが次々とできるようになるので、新しいアイデアがたくさん出てくると思います。国の立場からいえば、社会課題の解決につながるコンテンツを作っていただきたいのが本音ですが、まずは自由な発想で「こんなことをやりたい」「あんなことをやりたい」といったことを実現するためのチャレンジをしていただきたいと思っています。

――5Gは無人化や、労働力の代替を促進するというお話がありました。今後働くということを考えるうえで、就職活動にはどんな影響が出てくるでしょうか? 

国の施策のひとつとして「Society 5.0」(※2)の実現が掲げられています。

出典:内閣府ホームページ

※2:Society 5.0とは
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、5番目の新しい社会のこと。IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れて、経済発展と社会的課題の解決の両立を目指していくもの。


Society 5.0の要に、AIで労働力などの代替をしていくというものがあります。
5Gの高速大容量通信を活用してAIが膨大な量のデータを集めて分析までをして、そこから人が判断したり、導き出だしたりするイメージです。
これまで時間がかかっていた、情報の探索や分析があっという間にできるようになっていきますし、ロボットや自動走行車なども人の代替をしていくでしょう。そういった機械やシステムで処理できる仕事は採用が減っていくものと思われます。

とはいえ、AIや機械だけではできないようなことももちろんあります。今後どんなことがAIや機械に代替されて、どんなことに人間の力が必要かを意識しながら就職活動を行うのが良いのではないでしょうか

―― 最後に、杉本さんが個人的に期待している5Gの技術を教えてください。

私は情報通信に興味があって総務省に入りました。日頃からコミュニケーションが重要だと思っているのですが、恥ずかしながら語学が苦手で外国の方となかなか気軽にコミュニケーションを取ることができないのです。ですので、リアルタイムで同時通訳をしてくれるようなシステムを介して外国の方と気兼ねなくおしゃべりができたら良いなと思っています。

今も精度の高い翻訳機はありますが、どうしてもラグがあります。5Gを使えば、聞こえた言語をリアルタイムで日本語に翻訳し、逆に自分がしゃべった言葉をリアルタイムで外国語に変換することもできるようになるのではないかと思っています。言葉の垣根がなくなり、世界中の人と気軽にコミュニケーションが取れるようになれば、新しい価値も生まれてくるのではないかと思いますので、そういった技術の実現を期待しています。


文・取材:砂流 恵介
写真:島田 香
編集:マイナビ学生の窓口編集部

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編集部:ベッシー

編集部:ベッシー

昔ながらの大学生活でイメージされるような大学生活を謳歌し、就職活動はちゃんとやらず、社会人のスタートではつまづき、いろんな会社を転職しながらキャリアビルド。学生や若い人のチャレンジを応援したい、頑張れる場を提供したいという想いを持って編集部で活動中。伝えたいメッセージは「自分で考え、自分で動き、人にはどんどん頼りましょう」

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