日産が描く5Gとのこれから:【後編】コネクテッドカーが作る新しい車の楽しみとは?

編集部:ベッシー

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5G対応のスマホが多数発売され、いよいよ身近になりそうな5G。

5Gといえば、スマホやPCに関りが深いもの、というイメージがありますが、5Gによって車の世界も大きく変化する兆しがあるそうです。自動運転やコネクテッドカーといった、未来の車の形を模索している日産に、5Gで車の未来がどう変わっていくのかお話を伺いました。

前編では、車に5G技術がどう関わってくるのかについてを、後編の今回は、日産が進めてきた“コネクテッドカー”に関して、どのような未来を描いているのか伺います。

教えてくれたのはこの人

村松 寿郎さん

日産自動車株式会社
コネクティドカー&サービス技術開発本部
コネクティド技術開発&サービスオペレーション部
部長

車が直接ネットワークとつながるコネクテッドカー

――ここ最近、自動運転に加えて「コネクテッドカー」という言葉も目にすることが増えました。コネクテッドカーとはどのようなものなのでしょうか?

コネクテッドカーは、ネットワークにつながった車のことです。

日産のコネクテッドカーは歴史がけっこう古く、1990年代後半から実はサービスを開始しています。そのときは携帯電話を車のシステムとつないで、「近くにいいレストランないですか?」と聞けば、オペレーターが探して、車のナビに目的を設定してくれるといったものでした。


その後も、お客さまにリアルタイムな交通情報のお届けや、車の現在位置を相手にメールで送信できるサービス、グーグルマップで目的地を検索して検索した結果をナビに送るというサービスなどを提供しています。

そして、2010年に発売した「リーフ」という電気自動車では、我々の提供する通信モジュールを車の中に搭載して、常時ネットワークにつながるようにしました。それで常時バッテリー状況を監視するといった、電気自動車ならではのサービスを提供しています。


―― 携帯電話経由でではなく、車が直接ネットワークとつながることで色々なデータが蓄積されると思います。データは例えばどのようなことに使用されているのでしょうか?

電気自動車に限らないのですが、車の情報の中でも、燃費情報は非常に重要です。世の中に出ている車がどういう走り方をしていて、実際の燃費がこのくらいというような情報はモニターしています。

お客さま向けのサービスですと、車が今どこを走っているか、どのくらいのスピードで走っているなどのデータが取れるんです。日産では、そういった車両の走行情報をプローブ情報と呼んでいて、その走行データを加工して交通情報として提供しています。

これからのコネクテッドカーが作る未来とは?

―― コネクテッドカーでつながる業界や企業、関係するサービスなどがあれば教えてください。

2020年7月に次世代の電気自動車「アリア」を発表しました。アリアで強調したのは、外の世界とのつながりです。例えば、Amazon Alexaとの連携。実はこれまでも、自宅にいながら車のエアコンを起動させる、といったご家庭にあるスマートスピーカーから車にリモートアクセスする機能は提供しています。

アリアで搭載したのは、さらに一歩進んで車の中からのAlexa連携です。車の中でAmazon Music を聞けるようになったり、車の中から自宅の電気やエアコンをつけたりできるようになります(Alexaと家電機器の連携が別途必要です)。ほかにも、Apple CarplayやAndroid Autoなどスマホの車向けアプリとも連携しており、スマホの機能の一部を使えるようにもなります。これから先、Googleと連携したサービスがもっと増えていく予定です。

【展示中の新型電気自動車「アリア」】


―― コネクテッドカーや5Gによって、車に乗る人にどう楽しんでほしいなどはありますか?

車ではfrom A to B(ある場所からほかの場所へ)を移動することがキラーアプリです。そのキラーアプリがどれだけ楽しいかだと思います。移動しているあいだの時間が楽しい、というのも車の使い方のひとつだ思いますし、車はパーソナル空間であることも大きな魅力です。先ほどご説明した、車の中にアバターを呼び出せるようになるI2V(※)などはパーソナル空間ならではの新しい体験です。どんどん外とつながっていくコネクテッドカーのパーソナル空間をいかに楽しむかは、みなさんにも見つけてほしいと思います。

※ Invisible-to-Visible (I2V)とは:
リアル(現実)とバーチャル(仮想)の世界を融合することでドライバーに「見えないものを可視化」し、究極のコネクテッドカー体験を生み出す将来技術のこと。車内外のセンサーが収集した情報とクラウド上のデータを統合することで、クルマの周囲の状況を把握するだけでなく、クルマの前方の状況を予測したり、建物の裏側やカーブの先の状況を映し出したりすることも可能。


学生へのメッセージ:日産という企業の本質を見抜いて欲しい

――『マイナビ学生の窓口』は大学生世代向けのメディアですので、最後に、これから就職活動に取り組み、社会に出ていく学生に向けて、業界研究や企業研究をするときの視点についてアドバイスをいただけますでしょうか。


僕らが見てほしいという意味でいうと、日産の戦略はグローバル戦略です。企業のイメージはテレビCMでの印象が強いと思いますが、CMはイメージ先行型なので、その会社が実際にどういう戦略を持っているか、世の中に何をデリバーしているかを大学生の皆さんには見てもらいたいと思います。

我々の業界には「CASE」という言葉があります。CASEのCがコネクテッド。Aが自動運転技術(オートノマスドライビング)。Sがシェアで、Eが電気自動車(エレクトリック)。このCASEの中のC、S、Eは日本国内では日産がトップです。

Cのコネクテッドに関しては先ほど説明したコネクテッドカーの話で、国内だけではなく、グローバルの展開力というのは日産がトップレベルにいますし、Eの電気自動車と合わせて、提供しているサービスもトップを走っています。

Aの自動運転技術に関しても、高速道路をハンズオフ(手放し運転)が可能な技術「プロパイロット2.0」は、海外でも注目を集めています。

大学生の皆さんは日産にこんなイメージはないかもしれません。だからこそ、「本当のところどうなの?」というところをちゃんと見ることを意識して欲しいと思います。もちろん、我々がほかより劣っているところもあるかもしれません。
そういうことも含めて本質を見抜いて欲しいなと思います。

文・取材:砂流 恵介
写真:島田 香
編集:マイナビ学生の窓口編集部

編集部:ベッシー

編集部:ベッシー

昔ながらの大学生活でイメージされるような大学生活を謳歌し、就職活動はちゃんとやらず、社会人のスタートではつまづき、いろんな会社を転職しながらキャリアビルド。学生や若い人のチャレンジを応援したい、頑張れる場を提供したいという想いを持って編集部で活動中。伝えたいメッセージは「自分で考え、自分で動き、人にはどんどん頼りましょう」

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