結成10周年のSILENT SIREN、若き日の葛藤を振り返る。「苦しいこともあったけど、ずっと楽しかった」 #19才のプレイリスト

編集部:ゆう

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人生はきっかけの連続だ。だからこそ、自分のやりたいことをどう選べばいいのかわからない。今何をするべきなのか迷ってしまうという大学生のために、「音楽」という道を選んだアーティストに直撃し、19才の頃に聴いていた楽曲を元に人生観を語っていただく連載『#19才のプレイリスト』。

第7回目となる今回は、SILENT SIREN(通称:サイサイ)が登場。バンド結成10周年を記念するアルバム『mix10th』をリリースしたばかりのサイサイ。音楽活動や読者モデルとしての活動を行いながら、大学にも通っていた頃の生活を振り返っていただきつつ、バンドを10年続けるなかで感じたことについて、語っていただきました。

文:蜂須賀ちなみ
 写真:友野雄(YU TOMONO)
編集:学生の窓口編集部

19才のプレイリスト ~あいにゃん&ひなんちゅ編~

――まずは、それぞれ19才の頃どんな生活を送っていたのか、そして当時どんな曲をよく聴いていたのかを教えていただけますか。

あいにゃん(Ba):わたしが19才の頃はサイサイを結成する前で、当時は、芸術系の学部がある大学に通いながら、読者モデルとしても活動していました。なので、学校のなかというよりも外で活動することが多かったですね。

逆に言えば、学校には友達が少なかったかもしれないです。それを自分でもちょっと気にしていたのか、校内で1人でごはんを食べているところを他の人から見られないようにとかしてましたね。

19才の頃によく聴いていた曲は、ストレイテナーさんの「SIX DAY WONDER」です。今改めて歌詞を見ると、けっこう暗い内容な気がするんですけど、そういう曲を聴くことが多かったのは、わたしが当時、将来への不安を抱えていたからだと思います。

ストレイテナーさんの曲は他にもたくさん聴いていましたね。「SIX DAY WONDER」はシングルの表題曲ですけど、わたしはどちらかというと、シングル曲よりカップリング曲・アルバム曲派なんです。

ひなんちゅ(Dr):あいにゃんと同じように、わたしも学校ではけっこう1人で行動することが多かったけど、そんなに周りの目は気にしてなかったかな。普通に1人でごはん食べてたし(笑)。

実はわたし、19才のときに家出をしたんですよ。当時からバンドをやっていたんですけど、そしたら両親から「バンドなんかしてないで、ちゃんと将来のことを考えて就職しなさい」と言われて、そこで衝突してしまって。今は両親もライブを観に来てくれたりしてますけど、当時はそんな感じでちょっと反発していましたね。

19才の頃によく聴いていた曲はSUPER BEAVERさんの「まわる、まわる」です。ミニアルバム『SUPER BEAVER』に収録されていた曲ですね(※その後、2020年6月に再録&リリースされる)。

――ご両親との関係が改善したタイミングは?

ひなんちゅ:ひとつは、ゴールデンボンバーさんと対バンしたときですね。母がゴールデンボンバーさんのファンなので、すごく喜んでいました(笑)。

あとは、日本武道館でライブをしたときです。武道館はバンドをやっていない人でも知っているような会場なので、そこでライブをやったことによって、きっと両親も認めてくれたんだと思います。

19才のプレイリスト ~ゆかるん&すぅ編~

ゆかるん(Key):わたしは19才の頃、自宅から2時間半かかる大学に通っていました。最寄り駅から学校までもバスで30分かかるので、1本でも逃してしまったら大変で。そういうときは、同じようにバスを逃した人たちとタクシーを相乗りしていた覚えがあります(笑)。

19才の頃によく聴いていたのは、AKB48さんの「制服レジスタンス」ですね。わたしもあいにゃんみたいに、シングル曲よりも劇場曲のほうが好きっていうタイプで。友達と一緒にカラオケに行って、大きな部屋を取って、踊りながら唄うのがすごく楽しかったです。

ただ、カラオケだとヘッドセットマイクがないから、マイクを持ちながら踊るのは大変でした。それもあって、ヘッドセットマイクに対して憧れがあったんですけど、今、サイサイでライブをするときはヘッドセットマイクをしながら演奏していて……。

数年越しに憧れが叶っているのが不思議だなって思います(笑)。

――すぅさんが19才の頃にはすでにサイサイの活動が始まっていましたよね。

すぅ(Vo/Gt):はい。19才って、大人でも子どもでもないような年齢じゃないですか。バンド活動をしていても、自分たちのやりたいことと、周りの人から求められること(=やらなきゃいけないこと)との間にギャップを感じることがあって。そこに対して悩むことが多かったですね。
19才の頃は、自分たちのデモ音源ばかり聴いていたんですけど、他のバンドの曲だと、パンク系の曲を聴くことが多かったです。

なかでも、10-FEETの「RIVER」はわたしたちにとって大切な曲で。この曲をきっかけにひなんちゅと意気投合したことが、サイサイの結成のきっかけになったんです。

――サイサイの曲のなかからひとつ、19才に贈りたい曲を選ぶとしたら?

すぅ:「19 summer note.」ですね。19才というのは、10代最後でとても大切な時期。大人でも子どもでもない微妙な心の揺らぎがあると思います。みなさんにも、悩んだり、恋したりしながら、今しかない瞬間を精一杯楽しんで、輝いてほしいと思っています。

あいにゃん:すぅの言うように、デビューしたての頃は、やりたいことと求められることとの間で葛藤することがバンドとしても多かったですね。わたしたちはパンク系の熱い曲が好きだけど、周りからはかわいい曲が求められる、みたいな。

あと、4人とも読者モデルをやっていたので、「大人に集められたバンドなんだろ」「どうせ楽器ちゃんと弾いていないんだろ」みたいに、真実ではないことを言われてしまうこともありました。

すぅ:だけど、自分たちのできることを一つずつやっていけば、そういうことを言われることもなくなると考えていました。わりと初期の頃から、4人でそういうことを話していた気がします。

アルバム『mix10th』から見える10年の軌跡と4人の絆

ゆかるん:結成からの10年間は濃かったし、あっという間でしたね。

あいにゃん:そうですね。あっという間だったなって思います。

すぅ:実は『mix10th』には、結成したての頃に書いた曲が入っているんですよ。

――どの曲ですか?

すぅ:「sun moon」です。この曲、当時の彼氏に「バンドと俺、どっちが大事なの?」と言われて書いた曲なんですよ。今改めて歌詞を見ると、やっぱり「若いなぁ」「恥ずかしいなぁ」って思う部分がたくさんありますね。でも、そういうところも含めていい曲だなと思ったので、今回収録することにしました。

――人に歴史ありですね。今回のアルバムには、4人それぞれが作詞・作曲をした曲が収録されています。

あいにゃん:はい。わたしは「てのひら」の作詞・作曲をしました。この曲は、メンバーで曲作りの合宿に行ったときに作った曲です。メンバーでライブ前に円陣を組むときの「てのひら」や、ライブ中にファンのみんなが上げてくれる「てのひら」をイメージして作りました。

ゆかるん:「cheer up!」の歌詞は、大人になった今だからこそ書けた歌詞だなぁと思います。いろいろな経験をして、傷ついて、自分の気持ちを置き去りにして……大人になるとそういうことが多くなると思います。でも、その傷跡も愛して、また前に進めるように、心に寄り添った歌ができたらいいなぁという気持ちを込めて書きました!

ひなんちゅ:わたしは「mate」という曲で、30代前後の女性の友情を描きました。若い頃とは違い、仕事や家族など、それぞれの優先すべきものがありつつも、いつだって支えてくれていたのは友達だったなぁと感じています。

この曲には、今だからこそ感じられる友情について書きました。10周年ということで今までを振り返ってみる機会が多かったので、自然と、メンバー全員が同じようなテーマで(曲を)書いていたような気がしますね。

――アルバムの最後に収録されている曲「Answer」も素敵でした。

すぅ:「Answer」には、10年の軌跡やバントに対する思いが込められています。バンドを続けられるのは当たり前なことではないと、改めて感じたんですよね。

――仰る通り、4人それぞれ自分の人生があり、年齢を重ねるにつれてライフステージも変わってくるなかで、10年一緒にバンドを続けるのは簡単ではないことだと思います。

すぅ:同世代のバンドを見ていても、続けるのって簡単ではないんだなと思うことが多いですね。だからこそ、これまでのわたしたちも、そしてここからのわたしたちも、ずっと見ていてほしいです。

ひなんちゅ:他の仕事をしている同世代の友人からよく、「なんでバンドを続けられるの?」「わたしだったら、毎日仕事のことなんて考えられない」と不思議がられるんですよ。それで考えてみたんですけど、どうしてバンドを続けてこられたのかというと、多分、楽しかったからなんでしょうね。苦しいことももちろんあったけど、ずっと楽しかった。そんな10年でした。

今伝えたい学生へのメッセージ

――最後に、学生へのメッセージをいただけますか。

すぅ:大切な学生生活を今までのように送れず、もどかしい気持ちなんじゃないかと思います。わたしたちもライブができなくて同じような思いです。それでも諦めず、また前のような生活に戻ったときに、一歩リードできるような土台を作っておくことが今は大切かと思います! 一緒に頑張りましょう!

ひなんちゅ:未曾有の事態で学生のみなさん、特に新入生のみなさんはとても困惑していると思います。今までの常識が覆る新たな時代に突入しているので、今は踏ん張りどきですが、これからの時代を作るのはみなさんです。必ず道は開けると信じて、今は自分のやりたいことや本来の自分と向き合って、成長させるときだと私たちも思っています! 一緒に頑張りましょう。

ゆかるん:コロナの影響で思い描いていた学生生活を送れず、もどかしい思いをしている人が多いと思います。私も心苦しいです。でも、こんな状況だからこそできることをしてほしいなと思います。現状をネガティブに捉えず、ポジティブに捉えて、前向きに頑張ってほしいです。自分を楽しませることを忘れずに、明るく、一緒にこの状況を乗り切っていこうね! ぜひおうちで『mix10th』を聴いてほしいです!

あいにゃん:学生のみなさんも大変な時期で悩みも多いかと思いますが、こんな状況だからこそできることを考えて、周りの人々を支えてあげてほしいです。サイサイも、SNSを通じてみなさんを支えられる存在になれるよう頑張ります。そして、いつかまたライブで会える日を楽しみにしています!

編集部:ゆう

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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