企業研究にも役立つ? SDGsが身近にならざるをえない5つの理由

編集部:ゆう
2020/08/03
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「SDGs」は地球全体が達成すべき目標で、それは日本も決して例外ではありません。前回高木超先生には、SDGsとはそもそも何なのか、どんなことを変えていく必要があるのかなどについて教えていただきました。

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ただ「SDGs」の概要は理解できたものの、まだまだ自分ごととして考えられない学生も少なくないと思います。日本は世界的に見れば豊かな国ですし、目の前に大きな不自由がない以上、SDGsを身近に感じるのはなかなか難しいでしょう。

そこで今回は、「学生」にとってなぜ「SDGs」が大事なのか5つのポイントに絞って高木先生にご解説いただきました。

高木超(たかぎ・こすも):慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教。ミレニアル世代を中心にSDGs 達成に向けて取り組む「SDGs-SWY」の共同代表も務める。

文:猿川佑
写真:今井裕治
編集:学生の窓口編集部

1.企業研究を深めることができる!

SDGsは就職活動にも関係します。今やビジネス界や自治体でも注目のキーワードなんですね。企業の採用試験でも、SDGsがグループディスカッションや小論文のテーマになるかもしれません。実際に、東京・大手町を歩くビジネスパーソンの胸元にはSDGsのピンバッジが目立ちます。経団連が企業に対し、SDGsへの意識を強めるよう促した影響の表れでしょう。

経団連は2017年に「企業行動憲章」を抜本的に改定。SDGsを強く意識した経済活動を大きなテーマに据えました。SDGsは就活にとっても大事なキーワードとなってきているのです。

就活中の学生の多くは「働きがい」や「働きやすさ」を求めていると思いますが、最近では、企業がSDGsへ貢献しているかどうかを重視する学生も増えてきたそうです。大学生世代は企業にとって、これから長くお世話になる顧客でもありますから、若者の価値観は企業としても気になるところ。学生の意識が企業の方針を変える可能性もあるということです。

2.視野が広がり、活動の場が広がる!

SDGsでは17の目標が設定されていますが、それぞれの目標は独立しているように見えて、実はつながっています。例えば、みなさんが着ている服は、どこの国で、誰が作っているかご存知ですか? もしかしたら、開発途上国で、児童労働によって作られているかもしれません。そのせいで子どもたちは教育を受ける機会が奪われていたり、貧困や飢餓に苦しんでいる可能性もあります。

こすも先生が指摘する児童労働や教育、貧困の問題は、いずれもSDGsが解消すべき目標として設定している重要課題です。また高木先生によると、SDGsは学生の「活躍の場」を広げるキッカケにもなるそうです。

SDGsは多くのテーマにまたがっています。例えば、海岸の清掃活動をする学生が、SDGsをテーマとしたイベントに行ったとします。そこで、SDGsを共通のテーマとして、貧困問題に取り組む学生と問題意識を共有することもできるのです。つまり、SDGsを介することで、新しい仲間を見つけることも容易になりますし、ネットワークをグッと広げやすくなるんですよ。

自分自身の活動から、SDGsの糸をたどっているうちに、自然と人と人とのネットワークもつながり、活躍の場が広がるということ。

関心を持ったら、ぜひ活動の幅を海外にも広げてほしいと思います。日本人だけで考えるのではなく、海外の学生とも一緒に考えることで視野が広がります。結果、日本人だけでは思いつかなかったアイデアが生み出せるかもしれません。多様性を高めることは、新たな視点でモノゴトを考えるチャンスに繋がります。

3.社会で必要なスキルも身につく!

SDGsは一問一答形式のように、正解が用意されているわけではありません。だからこそ、自分で“問い”を設定する力を養わなければなりません。「なぜ児童労働が発生するのか」「なぜ日本では女性の管理職が少ないのか」といった問いを設け、どうすれば解決するかを考える。この「問題の発見と解決」は、社会人になっても必ず求められる能力です。

理想的な未来を実現するために、今何をするべきなのかを考える「バックキャスティング」という思考でSDGsは成り立っています。あらゆる目標の達成には、まず自分に今何ができるのかを考えることが不可欠なのです。ただ、SDGsの目標を達成するための答えは、決してひとつではありません。そのため、解決するには個々の考える力が試されているのです。

SDGsの目標を達成するためには、経済・社会・環境のバランスが大切です。例えば、海洋プラスチックごみを削減するために、ペットボトルの使用を禁止するとします。一見環境には優しいですが、ペットボトル製造工場で働いている人の雇用はどうなるでしょう? プラスチックが持つ衛生面での利点はどのような物で代替できるでしょうか。環境問題だけにフォーカスするのではなく、いろんな側面から考えることが大切です。

4.企業にとっても、大きなビジネスチャンスに!

SDGsの達成には、ビジネスの力が欠かせません。企業の経験や技術も重要ですし、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたビジネスモデルから転換しなければ、SDGsは達成できませんからね。

SDGsは貧困や飢餓の撲滅を掲げていますが、これは新たなビジネス市場の開拓に直結します。豊かな人が増えれば、そのぶん経済も回るのは当然の流れ。実際、SDGsを達成すれば年間12兆ドル(約1300兆円)の新たな市場機会が生まれるとも試算されています。

もちろん、ビジネスチャンスが眠っているのは発展途上国だけではありません。実際に欧州では、廃棄物を資源として循環させる「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」への関心が高まっています。

例えば、オランダの「MUD jeans(マッド・ジーンズ)」というブランドは、デニムを定額でリースするサブスクリプションサービスを展開しています。持続可能性を考えたビジネスモデルで、リースから返ってきたデニムを一度、繊維に戻して、また新たなデニムに作り変えて再びリースできる商品にしているんです。このように、「できるだけ廃棄物を発生させない発想」をしてみると、意外に新しいビジネスチャンスに気づくかもしれません。

5.一番大事なのは、大学生世代のアクション!

男女格差を示す“ジェンダーギャップ指数”で、日本は世界的にも下位に位置づけられています。例えば、子育ては母親だけの仕事じゃないのに、おむつ交換台が男性トイレにないことが多いですよね。この場合、設置するよう国や企業に働きかけることも大切です。ほかにも、女性の国会議員が少ないことが問題になっているのであれば、増やすために選挙に行く必要があります。若者ができることはたくさんあるんです。

若い世代のフレッシュな考え方は、より暮らしやすく、持続可能な社会を作っていく足がかりとなります。

SDGsは、40代〜50代の大人たちに任せておけばいいものではなく、すべての人の参加が求められます。若者は、若者にしかない斬新な発想を持っていますから、先入観に囚われず、まずは実現したい未来を描いてみてください。そして、今何をすべきか考え、アクションを起こしましょう。若いみなさんは、間違いなく新しい社会の重要な担い手ですから。

まとめ

SDGsと大学生の意外な関係に驚いた人も多いのではないでしょうか? SDGsを達成するためには、それぞれが関心を持ち、主体となってアクションを起こすことが大切です。

目標達成に向け、まずは今の自分に何ができるのか。身近なことからはじめてみるのもいいかもしれないですね!

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編集部:ゆう

家族との時間がなにより一番大事!!お酒と音楽とオーディオが大好きな、もうすぐアラフィフおじさん(気分はお兄さん)です。

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