できないことも受け入れる。琴音が語る、成長に必要なマインドとは #セルフライナーノーツ

編集部:ゆう

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努力をするのは大切なことですが、努力をしたからといって報われるとは限りません。いくら時間をかけたって、いくら体力を消耗したって、それが実らないケースもあるでしょう。努力を無駄にしないためには、何かを実行できた自分に満足せず、その後の結果を分析することや問題点を洗い出して次のプランを練ることが必要です。

シンガーソングライターの琴音さん。「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~」ではグランプリを、テレビ朝日「今夜、誕生!音楽チャンプ」ではグランドチャンプを獲得した彼女は、2019年3月にメジャーデビュー。「歌手になる」という幼い頃からの夢を叶えました。

現在18歳という若さながら、着実に歩みを進めている琴音さん。成長の鍵ははたしてどこにあるのでしょうか。1stフルアルバム『キョウソウカ』制作時のエピソードを中心にお話をうかがいました。

文:蜂須賀ちなみ
写真:島田香
編集:学生の窓口編集部

人見知りだけど友達がほしい、そんな学生へのアドバイス

――琴音さんは今年3月に高校を卒業したそうですが、入学時には、人見知りを克服しようとクラスメイトに積極的に話しかけるようにしていたんですよね。

琴音:はい。友達がたくさんできたらうれしいなぁとは思っていたんですけど、元々そんなにぐいぐい行ける性格ではなくて。最初は「“怖い”“緊張する”“恥ずかしい”という感情にどれだけ打ちかつことができるか」という自分との戦いをしていました。

クラスメイトのみんなは、やさしくて個性のある人たちばかりで。人間関係のうえで暗い部分もあまりなく、平和で充実した、色濃い時間を過ごすことができました。高校で出会った友達と話をしたことによってできた曲もたくさんあるので、人としても、音楽面においても、(友達を作れたのは)いいことだったのかなと思います

――琴音さんのように「人見知りだけど本当は友達がほしい」「とはいえ勇気が出ない」という人はきっと他にもいると思います。そういう人へのアドバイスをいただけますか?

実は私も、人見知りを克服できたわけではなくて……。

今年度から専門学校に通い始めて、また新しい場所での生活が始まったんですよ。そうしたらまた(人見知りが)戻ってきて……。人見知りって、一度山を超えると、「自分、もう大丈夫だから」「新しいところでも友達もりもりできちゃうから」みたいな気持ちになるんです。

だけど未だに「話しかけたときに嫌がられたらどうしよう」みたいなことを考えちゃうし、人見知りが直ったわけじゃなかったんだなぁと痛感しています(笑)。

そのうえで言えるのは……自分の場合、「友達が作りたい」と思っているときは精神的に過敏になって、肩の力が入ってしまいがちなんです。だからしょぼーんっていう顔にならないように、心を穏やかにして「こんにちは」と話しかけるようにしています

あとは正直に「友達になりたいです」と伝えたらけっこう「ああ、いいよ」って返してもらえますね。

――不安なのはみんな同じですしね。

そうですね。授業が始まってからまだ数日しか経っていないんですけど、少しずつ友達もでき始めたので、この調子で頑張りたいと思います。

できることとできないこと、両方を知ることで学びが得られる

――6月24日にリリースした『キョウソウカ』は、琴音さんにとって初めてのフルアルバムです。出来上がってみて、率直にどう感じていますか?

いいものができたと感じています。挑戦の多いアルバムなので、手応えがとても大きいです。どんな挑戦をしたかというと、主に3つあって。

1つ目は、ラブソングを作ったこと。これまで提供していただいた曲のなかにもラブソングはいくつかあったんですけど、自分で書いたことはなかったので、これは初めての挑戦でした。「昨日より」と「The moon is beautiful」がそうですね。

2つ目は、ラップをやってみたこと。リズム感を表現することに苦手意識を感じていたのと、ゆるめのラップっぽい曲にハマっている時期があり、自分も作ってみたいと思ったのでやってみました。それが「いざ、さぁ」という曲です。

3つ目は、全編英詞の曲を書いてみたこと。「夏目漱石は“I love you”を“月が綺麗ですね”と訳した」という逸話があるじゃないですか。そういう日本人らしい恋模様を、あえて英詞で書いてみたらおもしろいんじゃないかと思って作ってみました。それが「The moon is beautiful」という曲です。

――ラブソングを書いたことがないというのが意外でした。

書いてみようとしたことはあったんですけど、毎回毎回、うまくいかなくて。そもそも何を書きたいのかがわからないから、なかなかペンが進まなかったんです。自分としては(ラブソングを書くことに)すごく苦手意識があって。だからずっと「今は無理だな」「まだ無理かな」って後回しにしてきたんですけど……。やっぱり避けて通れないと思ったので。

――実際に「昨日より」や「The moon is beautiful」の歌詞が書けたときは、達成感がありましたか?

そうですね。ただ、その2曲のように、「大好きだよ」という気持ちを伝えるタイプのラブソングは書けたんですけど、失恋ソングは書くことができなくて……。

実は、リード曲の「咲かない花」は自分で歌詞を書く予定だったんですよ。だけど、締め切りが来ても「これだ」というものができなくて、歌詞を提供していただくことにしました。

だけど、「ラブソングなんて絶対に書けない」と思っていた頃から考えたら、「愛情を伝えるタイプのラブソングは書くことができた」「でも失恋ソングはまだ書けなかった」と知ることができたのはひとつの成長ですよね。

今まで手をつけるのを後回しにしてきた領域で「ここはできるようになった」「ここはまだまだかな」という発見ができたのは、すごくよかったなぁという気持ちがあります。

――自分にできることを知れるとうれしい気持ちになりますけど、できないことまで把握するのって怖くないですか?

そうですね。「できなかったです」という事実に直面したときはもう、メンタルが砕けそうになるときもあります。

だけど、できたことや成長できた部分があったからこそ、新たな自信をちゃんと感じられていたというか。そのおかげで、できなかったことを受け入れる体制に早めに入ることができたのかなと思います。

だから立ち直りはわりと早かったと思いますね。

結局わたしは歌うしかない。「キョウソウカ」に込めた想いについて

――琴音さんは「若くして夢を叶えた人」と見られることも多いかもしれませんが、挑戦して、結果を分析して、反省して、それを踏まえて次の挑戦をして……と一つずつ着実にやってきたからこそ今があるんですよね。

ありがとうございます。たしかに夢は叶ったのかもしれないし、それを羨ましがられることもあるかもしれません。だけど、環境が変化していくと、また別の苦労が生まれてくるものですよね。

たとえば、メジャーデビューして以降は、自分のなかにある「こうしたい」という気持ちを主張したときに周りの人(スタッフ)とぶつかってしまうことも多く、「この人たちに認めてもらうためにはどうしたらいいだろうか」「自分の願いを聞き入れてもらうためにはどうしたらいいだろうか」と試行錯誤をしてきました。

今回のアルバムで言うと、「キョウソウカ」の〈それでも私は歌うよ〉という歌詞は、「もうちょっと大衆性のある歌詞にしたほうがいいんじゃない?」という提案をいただいて。だけど……。

「キョウソウカ」は、以前年に数回対バンしていた夫婦ユニットの方の旦那さんが亡くなってしまい、奥さんが悲しむ姿を見て書いた曲なんですね。

その方のお葬式に行ったときもそうだったんですけど、わたしは誰かが気を落としている姿を見て、なにか伝えたいと思ったとしても、いつもその場で相手に伝えることができません。

「なにかしたいけどなにもできない」と思ったときに、毎回曲を作って歌ってきました。結局、歌うことしかできないんです。

そういう背景があったので、〈それでも私は歌うよ〉を超えるほど強い言葉がなかなか浮かばなくて。それに、この言葉こそがわたしだと思えたので、「いや、どうしてもこの歌詞は変えたくないです」と(スタッフに)伝えました。

そこから話し合った結果、「今回はこの歌詞のままで行こう」ということになったんですね。だからこの曲は特に思い入れが強いんです。

――夢が叶ったあとも道は続くし、そこにはまた別のハードルが待ち受けているけど、それを乗り越えれば新しい喜びに出会えるということですよね。

本当にそうですね。これは今回のアルバムを作るにあたってとても感動した、「ありがたい」「うれしい」と思ったエピソードです。

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