必見!大学生が今もらえる給付金や救済は? ファイナンシャルプランナーに聞きました 2ページ目
生活が苦しくなったときにするべきことは?
どうしても生活が苦しくなった場合、まず検討するべきなのは「支払いを止めること」です。
家賃や公共料金などを中心に、支払いをしばらく待ってくれる猶予措置や、金額を下げてくれる減免措置などがあります。例えば水道料金なら水道局、電気料金なら電力会社に相談して必要な措置を受けましょう。
また、レアケースですが、親が子供を保険に加入させている場合もあります。その場合は、加入している保険から「契約者貸付」が受けられたり、保険を解約して解約返戻金を受け取り、それを生活費にあてるといったこともできます。
まずは親に頼り、それでも難しいなら大学、自治体と、あらゆるものを活用し、危機を乗り越えることが大事ですね。
「貯金する習慣」を身に付けよう
今回の新型コロナ禍を経験したことで、改めて思ったことは「とにかく現金をためておくことが大事だ」ということです。
一般的に「半年は生活できるお金をためておきましょう」と言われています。これを聞いて「備えておくといざというときに安心だね」と思っているものの、実際に用意できていない人も少なくないようです。
お金がないために緊急事態に対応できず、行き当たりばったりの行動をとってしまう人が多くいました。そう簡単なことではありませんが、お金を含め、「収入が途絶えても、最低限半年は生活できる準備」をしておくのが、一番大事なことではないでしょうか。
特に大学生の皆さんは、お金をためる時間は十分にあるので、今から備えておくべきです。もしお金をためるのが苦手なのであれば、「天引き」で貯金できるようにしましょう。自分で「収入の中から何円貯金する」と決めていても、その月の生活状況によっては今月はいい、来月からにしようなどと甘えてしまうもの。しかし、天引きにして「最初からないもの」にしておけば、ためやすくなります。
今後のことを考えると、毎月の貯蓄額は最低でも1万円以上が望ましいですが、ひとまずは5,000円でもいいので天引きで貯金して、若いうちから「貯金ぐせ」を付けることも大事です。大人になっても貯金できない人は貯金する習慣がありません。自分の身を守るためにも、ぜひ学生のうちに貯金する習慣を身に付けましょう。
また、「年金の知識」は身に付けておくといいでしょう。学生の場合は国民年金の支払い猶予が受けられる特例がありますが、よく分かっていないため届け出ができていない学生や、当てにならないと軽視している学生も多くいます。
老後のためだけではなく、いざという時の保障機能でもある「障害年金」や「遺族年金」がセットになっている公的年金の仕組みを、理解しておくことがとても大切なのです
最後に……
今回は学生が受けられる支援制度や奨学金、また「いざというときのために準備しておくべきこと」などを栗本先生に伺いました。
新型コロナウイルスの影響でアルバイトができなかったり、収入が激減したりと苦しい状況に陥っている人は、今回挙がった学生が利用できる給付金や貸付制度を活用し、当面の危機を乗り越えましょう。
ある程度生活が落ち着き元の日常に戻ったら、今度は将来に備えて「貯蓄ぐせ」を付けることも忘れないようにするといいですね。
文:中田ボンベ@dcp
教えてくれたのはこの人!
栗本大介先生
1971年滋賀県大津市生まれ。 ファイナンシャルプランナー(CFP(R)認定者)。相続手続カウンセラー。 大学卒業後、大手資格スクール在職中の1995年にFP資格を取得。生命保険会社を経て2001年にFPとして独立。23年に及ぶFP試験対策講座の講師を中心に、一般企業のライフプランセミナーや金融機関の職員研修など、これまでの講演実績は2,000回を超える。またYouTubeで「FP栗本チャンネル」を開くなどWEB上での情報発信に力を入れている。「40代からのお金の教科書(ちくま新書)」のほか、 FPの学習法を中心とした書籍も出版。2010年12月には「金融知識普及功績者」として日本銀行/金融庁から表彰を受ける。