飲み会の同調圧力がキツイなら、「逃げの達人」になろう #大学1年生の転び方

トミヤマユキコ

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飲み会の同調圧力がキツイなら、「逃げの達人」になろう #大学1年生の転び方

新型コロナウィルスの影響で、年度末もへったくれもない感じになっている今日この頃ですが、みなさんご安全にお過ごしでしょうか? 

去年の春からスタートしたこの連載も、今回が最後の更新となります。わたしはズバっと斬るタイプの回答者ではないので、比較的地味な原稿が多かったかと思いますが(笑)、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。

改めて振り返ってみると、一番多かったお悩み&転び体験は、断トツで「自分の居場所がうまく見つけられないこと」に関するものでした。クラスの中に、サークルの中に、あるいは家庭の中に、「ここにいてもいいんだ」と思える場所が見つからない。
友達や恋人との関係についてのお悩みも、因数分解していくと、人間関係における居場所の問題だと言えるでしょう。

こうしたお悩みは、大学生特有のものというより、全世代が抱えているものだろうと思います。ただ、大人とくらべると、若者は悩みを解決したいという気持ちが強い。

「この悩み、なんとかしたい!」……そのガッツを、何度うらやましいと思ったことか! おそらくですが、悩むにもパワーが必要で、ちゃんと悩むことができるのは、気力&体力ともに充実した若者の特権なんじゃないでしょうか……と、なんでもすぐ諦めてしまう虚弱の中年からは申し上げておきます。

飲み会での居心地の悪さ、どうしてる?


飲み会のノリが好きになれない。
サークルに2つ入っており、1つは全く飲まないサークルなので問題ないが、もう一つは飲み会がある。任意参加なので基本はいかないが、合宿に参加すると夜宴会があり、5.6時間部屋に帰れない(雰囲気的に)のが少し苦痛に感じてしまう。
(女性/20歳/大学1年生)


飲み会で自分の居場所を見つけられないということですから、これも「居場所系」のお悩みですね。わたしもいわゆる「大宴会」が苦手なのでよくわかります。でも、中年になると、壁の花になって、自分のペースで飲み食いすることへの後ろめたさが全くなくなるんですよ(笑)。

大宴会だと、わたし以外にも壁際に退避している人がちらほらいたりするので、(お仲間ですね〜!)とか思いつつ、お開きまでやりすごす、みたいな。それはそれで楽しいですし、壁の花同士ぼそぼそ喋っているうちに仲良くなった、なんてこともありました。

これは年を取ることの利点だと思うのですが、本当に大事なこと以外は心の底からどうでもよくなるんですね。で、わたしにとって大宴会は、わりとどうでもいいことのひとつです。もともと宴会体質ではないからかも知れませんが、疲れるわりに得るものが少ないじゃないですか。だったら、少人数でじっくり飲んだほうがいい。

そんな人間ですから、壁の花なんてまだいいほうで、途中で帰りたくなったら帰りますし、そもそも参加自体を見送ったりもします(自由!)。

でも、若いときはそうじゃなかったんです。参加は義務のような気がしていたし、帰るタイミングはみんなに合わせないといけないような気がしていました。

まわりには、飲み会のノリを重視する人がたくさんいて、終電で帰らなくてはならないわたしに「ショボい」と言ってきた人もいました。若さゆえの同調圧力というのは、確実にあると思います。

逃げる技術を磨いて「おヒョイさん」になろう!

同調圧力にたったひとりで立ち向かっていくのは大変ですので、ひとまず「逃げる技術」を磨くのが得策かと思います。
気づくと帰っている、気づくと部屋に戻っている、みたいなことを繰り返して「飲み会が苦手なヤツ」のキャラを確立できればこっちのもの。
はじめのうちこそノリ重視の人たちに何か言われるかもしれませんが、学年が上がっていくにつれ「あいつは、ああいうヤツなのよ」と言われておしまいになるハズ。

ちなみに、かつて日本には藤村俊二という俳優さんがいて、「おヒョイさん」という愛称で親しまれていたのですが、その由来が最高なので紹介しますね。

「本人によると、もともと振付師志望であったが、番組中にエキストラ出演を頼まれることが多く、画面に映るのが嫌でその場から「ひょい」と逃げていたところ「おヒョイ」のあだ名がついたという(後輩からは「おヒョイさん」と呼ばれていた)」(Wikipediaより)


逃げているのに怒られもせず、むしろ愛称までつけられている! まさにプロの逃げ師。この境地に到達できたら、人生かなり楽しそうです。というわけで、相談者さんも苦労してみんなに合わせるんじゃなく、令和のおヒョイさんを目指してみませんか?

文・トミヤマユキコ
ライター、大学教員。早稲田大学法学部、同大大学院文学研究科を経て、2019年春から東北芸術工科大学講師。ライターとして、日本の文学、マンガ、フードカルチャーなどについて書く一方、大学では、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当。
書籍:『大学1年生の歩き方 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(清田隆之との共著)
Twitter : @tomicatomica


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ライター、大学教員。早稲田大学法学部、同大大学院文学研究科を経て、2019年春から東北芸術工科大学講師。ライターとして、日本の文学、マンガ、フードカルチャーなどについて書く一方、大学では、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当。

書籍:『大学1年生の歩き方 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(清田隆之との共著)

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