100年先の未来へ! 地球環境を守る仕事、”林業”が超穴場ってなんで!?
環境問題が注目される今、「地球を守る仕事」ってとても素敵だと思いませんか? 中でも”緑の雇用”という国の制度がある「林業」のお仕事は、若者にとってもおすすめの職業なんだとか! 今回は私ライターの伊藤が、林業とは、その魅力とはなんなのか、「緑の雇用」のプロにたっぷり聞いてきました。
やってきたのはこちら!
全国森林組合連合会さん
日本全国の森林保有者が組合員となり、さまざまなプロジェクトが動いている場所!
お話を聞かせてくれたのはこの方!

全国森林組合連合会
前田奈映さん
「緑の雇用」事業に関わりのべ8年。林業への就業イベントも担当する頼れるお姉さん。プライベートでも山好きで、休日は家族や仲間と山に登りリフレッシュしている。特技は焚火。
今回の調査ポイント
1.地球を守る仕事…
「林業」ってそもそもどんなもの?
まずは「林業」ときいて思い浮かぶものを、学生にアンケートしてみました。その結果がこちらです!
Q.「林業」と聞いて思い浮かぶイメージは?
※マイナビ学生の窓口調べ(2020年3月実施/対象:大学生・大学院生/回答数300件)
アンケート結果を見るとダントツで「木を伐る仕事」のイメージが強いですね。実際のお仕事内容はどうなのでしょうか?
みなさんのイメージ通り、チェーンソーを使って木を伐ることは林業の中でも大きな割合を占める大切な仕事です。しかし木を伐った後はまた新しい木を植えていくので、他にもさまざまな作業があります。
山には常に木があるように、伐ったらまた次の木を育てていくんですね。具体的にはどのような作業があるのでしょうか?
木を植えるために散乱した枝葉や残木を片付ける地ごしらえから始まり、植え付けの後は、苗木の成長を妨げる雑草を刈る作業などがあります。育った木を伐るときには木を運ぶための道作りなども行いますよ。
なるほど。木を伐る前後にも色々な作業があるんですね!
今伐っている木は、およそ50年〜70年前くらいに植えられたものです。そして今植えている木は、おそらく自分たちではなく次の世代の方達が伐ることになります。林業のもっとも大きな特徴は、50年から100年といった長いスパンの仕事であることですね。
まさに未来に繋がるお仕事ですね。木材は生活の中で欠かせないものですし、社会の中でも重要な役割を担っていますよね。
それだけでなく、山は手入れがされていると、雨をしっかりと溜め込むことができるので、 豪雨災害の被害を抑えることができます。森林は二酸化炭素を吸収して酸素を出す植物の役割も果たしているので、 地球温暖化の防止にも貢献しています。今植えた木の恩恵は今の時代にも、次の世代にも受け継がれると思います。
普段の生活の中で山や森林に守られている意識はあまりなかったけど、実はとっても大事な役割を果たしてくれていたんですね……!
林業を一言で表すなら、「100年先に届ける仕事」。壮大でロマンのある仕事ですよ!
「林業」の魅力がわかる!スペシャルムービー「森林と、生きていく。」
2.実はイメージと全然違う!?
林業のお仕事の実態Q&A
先程のアンケートでも上位に挙がっていた、その他のイメージについても教えてください。学生からはこんな疑問が挙げられています。
【疑問】力のない人や女性はどのように活躍しているの?(大学2年生/女性)
女性でも男性と変わらず現場で活躍されていらっしゃいますよ! 女性はどうしても体力面で男性に及ばない部分はあるかもしれません。しかし今は機械の導入が進んでいるので、仕事上での男女差は少なくなっていくと思います。
女性も活躍しやすくなってきているんですね! 女性が増えることで、さらに働きやすい環境に変わっていきそうですね。
実際に森林の現場で活躍している、全国各地のフォレス トワーカーの声をご紹介
【疑問】大きな木を伐ったり、山のなかで作業を行うので、危険が多いイメージです。(大学3年生/女性)
安全対策でどんな事をしてるの?(大学2年生/女性)
たしかに伐った木が自分の方に倒れてきてしまったり、チェーンソーなどの刃物で伐ってしまうといった可能性はあります。ただ、チェーンソーを使うときは繊維に触れると刃の動きが止まるチェーンソーズボンを履くことが義務付けられているので、怪我は減ってきています。他にも、空調服で体温が調整できるようになったり、作業の機械化が進んだりと、安全性は高まっていますよ。
技術の進歩がすごい……! いわゆる「危険で大変」というイメージと、実態は変わってきているんですね。
【疑問】木の需要について知りたい。(大学2年生/男性)
林業って将来性はあるの?(大学3年生/女性)
林業就業者の高齢化に伴い、林業で働く人自体は年々減っています。ですが、緑の雇用の研修制度もできているので、逆に平均年齢は若返ってきているんです。
そうなんですか!? 高齢化が進んでしまっていると思っていたので、意外です。
それに日本は国土の約7割が森林で占めているほど世界屈指の森林国なんです。ですから仕事がなくなることは今後もないと思います。最近では日本の木材の品質が評価され、海外からの需要も増えています。将来の心配はいらないと思いますよ。
3.実は超穴場!?
林業が若者におすすめの理由
林業がイメージと違い、働きやすい職場であることはわかりました。では、林業が「超穴場」と聞いたのですが、なぜなのでしょうか?
✔ 研修制度の充実
まず挙げられるのは研修制度がしっかりしていること。緑の雇用の研修制度で森林の役割からチェーンソーの使い方などの技術面まで、林業で必要な知識やスキルは1から学べるようになっています。なので、林業の知識がない方でも就職することが可能なんです。
研修制度がしっかりしているのは安心感がありますね。どれくらいの期間でスキルを身につけられるのでしょうか?
およそ3年で基礎的なことはだいたいできるようになると思います。林業で使う運搬車などの重機も扱えるようになりますよ。個人差もありますが、5〜10年ほどで難しいシチュエーションでの判断もできるようになるかなと。そのくらいのレベルになれば、どこに行っても働けると思いますよ。
林業は手に職の世界ですもんね! 日本のどこに行っても仕事ができるのは強みになりますね。
今は山の木が育ってちょうど伐採に適した時期なので、林業に携わる人の需要は全国でかなり高まっています。若い方が希望したら高確率で働けると思いますよ。
✔ 仕事とプライベートが両立しやすい
まさに穴場の職業ですね! ぶっちゃけ、忙しくて全然自分の時間がないなんてことにはならないですか……?
いえ、林業はプライベートとの両立がとてもしやすい職業ですよ! 林業は基本的に、日が出てから日が落ちるまでの時間帯に仕事をします。
日が落ちて暗くなってしまうと危ないですもんね。
そうなんです。そのため季節によっても変わりますが、だいたい朝の8時くらいから始まって夕方17時ごろには終わりますね。夏は暑くて体に負担がかかってしまうので、朝早くから始まってお昼ごろには終わらせることも。夜は趣味や家族の時間にしている方が多いですよ。
プライベートの両立ができるのはとても大事ですよね。
✔ カタチに残る仕事。
草を刈って山がスッキリしたり、間引きをしたことで山に光が入ったりと、目に見えた達成感が味わえるのも魅力です。木がきれいに伐れるようになるなど、技術が上がったこともわかりやすいですね。自分の伐った100年前の大木が国宝級のお寺になる可能性だってあります。
過去、現在、未来、全ての時代に関わることのできるステキなお仕事ですね。最後に学生に向けてメッセージをお願いします。
林業はやりがいも社会的意義もある仕事です。自然の中でストレスなくのびのびと働く方も多いです。日本では林業に携わる方があまり身近にいなくて想像できないことも多いかもしれませんが、林業先進国の北欧ではなりたい職業のベスト3にも入るんです。日本でももっと林業に携わりたいと思う方が増えたら良いなと思います。ぜひ一緒に100年先に届ける仕事をしましょう!
前田さん、本日はありがとうございました!
【まとめ】
林業は地球にも働く人にも優しい、未来に繋がる職場だった!
・林業は木を伐るのはもちろん、木を育てて山を整備する作業もある!
・しっかりとした研修制度あり!平均年齢は若返っている
・プライベートとの両立も可能!やりがいと社会意義のある仕事
林業は「100年先に届ける仕事」と掲げるように、未来に繋がるお仕事。自分の植えた木が山の森林として人々の生活を守り、次世代に受け継がれていくなんてロマンがありますよね。研修制度や機械化が進んだことによって働きやすくなり、プライベートとの両立もしやすい林業はまさに穴場の職業! 林業に興味を持った方は「緑の雇用」スペシャルサイトも見てみてくださいね。
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提供:全国森林組合連合会
取材・文/伊藤美咲