自宅が友人の溜まり場に……快適な一人暮らしに必要なのは「自分の中にマネージャーを住まわせること」 #大学1年生の転び方

トミヤマユキコ

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大学生の頃、実家から一時間くらいかけて通学していたわたしは、一人暮らしの人が羨ましくて仕方ありませんでした。自分の時間&自分の空間を思いのままにできるなんて、最高以外のなにものでもない! いいなあ!

「自己管理をしないといけないから大変なんだよ」と言われても、一人暮らしがもたらしてくれる「圧倒的な自由」を思えば「自己管理ぐらいいくらでもやってやるさ(余裕)」としか思えませんでした。

そんなわたしの一人暮らしは大学院に入ってから始まるのですが、いやもう、本当に楽しかったんですよ。もともとさみしがり屋じゃないってこともあるんでしょうけど、ひとりって本当に最高だなと。明け方までお酒を飲みながら映画を観たり音楽を聴いたりして、昼過ぎとか夕方に起きたりして、自由を謳歌していました。

……って、完全なる昼夜逆転です。これほどわかりやすい堕落があるでしょうか。さらに、パチンコにハマり、貯金がマジのゼロになった時期もあります。余裕だと思っていた自己管理が全っっっっくできてない(笑)。本当にひどいありさまですが、いい人生勉強になりました。

誰かと暮らしていると、よくも悪くも制約がたくさんあるので、生活自体もそれなりに整っていくものなのですが、ひとり暮らしには制約らしきものがほとんどないので(授業に出席するという制約すらあっという間に効力を失うのがひとり暮らしの恐ろしいところ)、「気ままに自由な生活を謳歌する自分」と「それをマネジメントする自分」のふたりがいないと、まともな生活は営めません

今回のお便りは、そのことを改めて思い出させてくれるものでした。

快適な一人暮らしに必要な心構えとは?


一人暮らしのためアパートを借りることに。大学の近くがいいという両親の勧めで徒歩5分ほどの場所に決めました。
近いので通うのも便利防犯上も安心なのですが、近いがゆえに友人たちのたまり場に。ときには友人を泊めたりと、はじめは交友関係を深めたかったのもありウエルカムだったのですが頻繁に出入りされる自宅は何とも落ち着かない空間に。
友人との関係を壊さずうまくかわす方法があればこれから一人暮らしを始める学生たちに伝えてください。初めが肝心だと思うので。
(女性/23歳/社会人)


大学の近くに部屋を借りたせいで、なんとも落ち着かない生活を余儀なくされるのは、かなりメジャーな「学生あるある」だと思います。大学から近い上に、コンビニやスーパーにも近いと、ほぼ間違いなく家飲みの場所になってしまって、終電の時間になってもお開きにならず、翌日の昼頃になってようやく解散、みたいな。

しかもそこからひとりで片付けが待っていたりするわけで、どんだけ時間が溶けていくんだっていう……。自分にとって便利な環境は、他人にとっても便利な環境である——肝に銘じておきたいところです。

友人のたまり場にならないためには

お便りには「友人との関係を壊さずうまくかわす方法があれば」とありましたが、まずは「口を割らない」ことが肝心です。入学当初って、他人との会話の糸口を求めるあまり、個人情報がガバガバになってしまいがちなんですが、住所まで言う必要はないと思うんですよ。情報がどこまで広がっていくかわからないし、それを悪用する人だっていないとも限らない。

はじめのうちは、人間不信の秘密主義者に徹するくらいでちょうどいいんじゃないかと思います。住所を言わなくても、趣味の話とか、好きな食べ物のこととか、他にも話の糸口はありますしね。

大学生活にだいぶ慣れてきて、「この人とだったら」と思えるメンバーと自宅で遊ぶことようになっても、自分の生活を守りたいなら「ちょっとめんどくさい部屋に住んでる人」でいたほうがいいですね。
「壁が薄くてすぐ苦情が入る」でも「とんでもない汚部屋」でも「契約者以外を泊めると罰金がある」でもなんでもいいんですが、なにかめんどくさい要素があったほうがいい(嘘も方便)。そのことによって「それでもいいから行きたいです、ちゃんといい子にしますから」という友達だけが残るじゃないですか。

そういう友達を「上客」として大切にすればいいのだと思います。わたしの部屋ではわたしの指示に従ってもらうぞ。騒ぎたいなら居酒屋にでも行ってくれ。それくらい強気でいい。自分の部屋と生活を守れるのは、自分だけなんですから。

「自由な生活を楽しむ自分」を守るのは「マネージャーとしての自分」

お便りを下さった方は、たぶんすごく気が優しい人で、「今日は忙しいから帰って」が言えないタイプなんだろうと思います。弱ったなあと思っていても、なかなか気づいてもらえず、ひそかにストレスを溜め込んできたのではないでしょうか。本当にお気の毒なことです。

ふと思ったのですが、友達でこの状態なのであれば、恋人だとさらにペースを乱されそうでちょっと心配です。たとえ大好きな人であっても生活リズムを乱されたら嫌じゃないですか?
自分のペースで生活することは悪いことでもなければ愛情不足を意味するものでもないので、これからは早いタイミングで伝えられるといいですね(我が家は快適な睡眠のため寝室を別にしていますが夫婦仲は良好です、ご参考まで)。

友人のたまり場にならないためにははっきり伝えよう

親交を深めるつもりの自宅開放が、かえって相手への苦手意識を生むことにもなりかねない。やはり「生活者としての自分」を守るべく「マネージャーとしての自分」にしっかり働いてもらうのがよさそうです。
みなさんは今回のエピソードを反面教師として、快適な一人暮らしをしてください!


文・トミヤマユキコ
ライター、大学教員。早稲田大学法学部、同大大学院文学研究科を経て、2019年春から東北芸術工科大学講師。ライターとして、日本の文学、マンガ、フードカルチャーなどについて書く一方、大学では、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当。
書籍:『大学1年生の歩き方 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(清田隆之との共著)
Twitter : @tomicatomica


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ライター、大学教員。早稲田大学法学部、同大大学院文学研究科を経て、2019年春から東北芸術工科大学講師。ライターとして、日本の文学、マンガ、フードカルチャーなどについて書く一方、大学では、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当。

書籍:『大学1年生の歩き方 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(清田隆之との共著)

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