どうして何もしない日は時間が早くたつように感じる? 充実した日を過ごすコツ #もやもや解決ゼミ

編集部:いとり
2020/02/27
お出かけ・イベント
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日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ

人間の体感する時間の長さは変化します。休みの日にぐーたら過ごしていると、あっという間に時間がたって、「明日起きたら学校に行かなくちゃ」とブルーになる、なんて経験が誰にでもあるでしょう。

その一方、人を待っているときなどは5分でも長く感じてしまいますよね。このような体感時間の差はなぜ生じるのでしょうか?

そこで、「なぜ何もしない日は時間が早くたつように感じるのか」 「充実した日を過ごすコツはあるのか」について、千葉大学 大学院 人文科学研究院の一川誠教授に聞いてみました!

一川先生は「時間学」の権威で、物理的な時間と人間が体感する時間の差異に着目し、研究を行っています。

何もしない日は時間が早くたつように感じる理由は?

人間が体感する時間の長さ、これを「心的時間」といいます。心的時間はいろんな要因で変わる(長く感じたり・短く感じたりする)ことが知られていて、その大きな要因の一つが「どれだけのイベントを体験したと認識するか」です。

人間は、「イベントを体験した」と認識すると、この認識されたイベントの数に対応して時間の長さを捉えてしまいます。そのため、わたしたちの心的時間は、認識されるイベントが多いと長く、少ないと短くなります。

休みの日にぼーっと過ごすと、何もしていないわけですから認識されるイベントは極端に少なくなります。1日が一つのイベントのようにまとめて捉えられてしまい、そのため心的時間も短くなり、早くたったように感じるのです。

ただし、「何もしない」だけだと、かえって時間が長く感じられることもあります。

例えば人を待っているときなどですね。人待ちのときはイライラしてたいてい時間を長く感じるでしょう。この場合は、「まだ来ないのかなあ」とか「あとどのくらい待たなければいけないのかなぁ」であるとか、時間に注意を向ける回数が増えますね。

この「時間に注意を向ける」回数が増えると心的時間は長くなることが知られています。時間に注意を向ける回数は、先ほどのイベントの数とは別の要因として、感じられる時間の長さに強い影響を及ぼすのです。

ですので、何もしないで時間が早くたつように感じるのであれば、それは寝床でウトウトしているとか、無我の境地のようにぼーっとしていて、そもそも注意が時間に向けられることが少ない状況なのでしょうね。

充実した日を過ごすコツは?

「充実した日」の意味が「記憶に残って、その日を長く感じた」ということであれば、その日に新しい体験、特別な体験を数多くすることです。

同じことを繰り返していると時間はだんだん短く感じられるようになります。

例えば、月-金で会社に勤務していると、7時に起きて、8時の電車に乗って……という具合に毎日がルーティーンになっていると思いますが、ルーティーン化された日常を送っていると日々の細かいことをあらためて認識しませんから、記憶は圧縮され心的時間も短くなります。いつもどおりの1日だったなとひとまとめにされてしまうというわけです。

これでは「ほとんど記憶に残ることのない、あっという間に過ぎた日」のように感じることになってしまいます。

他にも時間を長く感じる要因には以下のようなものがあります。

代謝が上がっているほうが時間は長く感じる

心的時間は体の代謝と関連があって、代謝機能が落ちているときには心的時計はゆっくり進みます。そのため相対的に物理時間は短く感じられます。逆に代謝機能が上がっているとき、例えばスポーツをしているとか、そのようなときには心的時計の進み方が速いですから相対的に物理時間が過ぎるのはゆっくりになるのです。

自分のいる空間が広いほうが時間は長く感じる

体育館とかグラウンドであるとか、より広い空間にいるほうが時間の経過は長く感じることが知られています。

感情の反応が激しいほうが時間は長く感じる

覚醒方向で感情が動いていると時間を長く感じやすいことがわかっています。例えばわくわくするとか、楽しいとか、そのような感情を持つと時間を長く感じます。

ですので「記憶に残って、その日を長く感じたい」のであれば、広い空間に行って、今までしたことのない、わくわくするような体験を数多くするといいでしょう。しかも体を動かし、代謝の上がること、スポーツなどがおすすめです。

年齢を重ねるごとに、

・特別なイベントがなくなる
・日常生活がルーティーン化しやすい
・代謝が落ちる
・家にこもりがち
・新鮮に感じる、わくわくすることが減る

と、時間が圧縮されどんどん短く感じるようになります。

時間を長く感じたいなら、この逆を行うようにするといいでしょう。

一川先生によれば、「何もしない」という要因だけでは、時間を短く感じたり、逆に長く感じたりするとのこと。もし、何もしないで休日が早く過ぎたと感じるのであれば、それはただただぼーっとして「ひとまとめの記憶」になってしまったためなのです。
逆に、「充実した休日だった!」と感じたいなら、日常のルーティーンにはない「特別なこと」「新鮮に感じられること」を数多くやってみるのがよいようです。

しかし、年を重ねれば重ねるほど時間は短く感じられるようになる、というのは驚きです。常に新鮮なこと、特別なことを感じられる毎日を送りたいですね!

イラスト:小駒冬
文:高橋モータース@dcp


教えてくれた先生

一川誠
千葉大学 大学院 人文科学研究院 教授。博士(文学)。
1965年宮崎県生まれ。大阪で育つ。1994年、大阪市立大学文学研究科後期博士課程修了、学術振興会特別研究員。1995年、York UniversityでのPostdoctoral Fellow。1997年、山口大学工学部講師・助教授。2006年、千葉大学文学部助教授・准教授を経て、2013年より現職。時空間に関する知覚、認知、感性についての実験心理学の研究に従事している。

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編集部:いとり

好きなものはチョコとビールと音楽と映画。ネトフリ廃人。ときどき絵を描きます。
Twitterで人の「いいね!」欄を見て時間をつぶすのが日課。

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