ほっとけない学生芸人GP2019王者「せきんにくん」が、吉本の劇場に潜入してみた #大学生の社会見学
みなさん、こんにちは。ほっとけない学生芸人GP運営です。昨年10月に実施した『ほっとけない学生芸人GP 2019』。この本選で優勝した学生芸人コンビ「せきんにくん」による、学窓芸人としての活動がついにスタート!
最初の活動として、先月リニューアルオープンした『神保町よしもと漫才劇場』に潜入し、突撃取材に挑戦してきました。
▼ほっとけない学生芸人GP2019本選の様子はこちらも
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/55935
【INDEX】
1.大学の空きコマにお笑いライブはいかが?
2. 300組から勝ち上がった若手14組が集結
3.「芸人とサラリーマンの違いは、大変さと楽しみの振り幅。」
駅近! 大学の空きコマにお笑いライブはいかが?
半蔵門・都営新宿・都営三田線の神保町駅から徒歩3分。飲食店街を抜けると、目に飛び込んでくるスタイリッシュな外観の建物が「神保町よしもと漫才劇場」です。以前は「神保町花月」という名称でしたが、今回のリニューアルを機に、芸歴6年目以下の若手芸人専用の劇場となったそう。それでは、さっそく2人で中に潜入してみましょう!
入口から入ってすぐ近くにインフォメーションロビーがあります。こちらも外観と同じく、オレンジが基調のスタイリッシュな空間。当日券も購入OK☆ちなみに、同じ入り口から入って反対側には、「神保町シアター」という映画館が併設されているので、1日でお笑いライブと映画を両方満喫できちゃうのも魅力です。
ルミネtheよしもとみたいなのを想像してたから、思ったよりもこじんまりしてるかも?
舞台に出る側からすると、お客さんの笑いが起きやすい空間でいいね!
たしかに! 一番後ろの席からでも芸人さんの顔がしっかりみえるから、お客さん的にもよさそうだね。
本の街・神保町にふさわしく、舞台セットやロゴも本のモチーフ!
“漫才劇場”っていうけど、漫才だけじゃなくて他のネタも楽しめるらしいよ!
そうなんだ! 近くの大学なら、空きコマのときの暇つぶしとかにもよさそう。
300組から勝ち上がった実力派若手14組が集結
そしてなんと今回は、この「神保町よしもと漫才劇場」のオープン記念記者会見にせきんにくんの2人が特別に潜入できることに! その会見の様子を少しだけお届けします。
記者会見に潜入するのは初めてだから、なんか不思議な感じ!
カメラマンさんたちの撮影がめまぐるしいのがおもしろい!
M-1進出者や人気芸人さんたちが集まると、そこは記者会見というよりもはやトークライブのよう。会場全体が笑いに包まれます。
こんな感じでふたりとも楽しそうに会見を観ていました(運営談)
劇場のオープンに先立ち、若手芸人たちのオーディションライブが実施され、今日はそのオーディションライブで勝ち上がった14組がレギュラーメンバーとして登場。それぞれの組が、これからの意気込みを発表しました。
お笑いファンだったことがきっかけでプロになったという世間知らズ
なんで神保町なんだろうって思ったけど、吉本興業の奥谷副社長が「文化の香り高い土地で、漫才・演芸を広く愛してもらえるように」って言っていて、なるほどって思った!
今後も劇場を増やしていって、全国に劇場を作りたいって言ってたのは印象的だったなぁ。
そうだね。劇場やライブで数をこなせるって舞台に出る側からしたら大事だもんなぁ。
奥谷副社長インタビュー「芸人とサラリーマンの違いは、大変さと楽しみの振り幅。」
そして最後に、記者会見にも登壇されていた吉本興業代表取締役副社長・奥谷達夫さんへのインタビューを実施! 学生芸人やお笑いファンだけでなく、すべての大学生に参考になる将来の仕事の考え方も教えてくれました。
本日は、よろしくお願いします!
よろしくお願いします。お笑いサークルに所属してるってことだけど、2人は『NOROSHI(※)』には出たりしてるの?
(※)大学生限定のお笑い大会。決勝戦は、毎年ルミネtheヨシモトで行われる。
はい、出てます!
そうなんや! 僕の今の担当は、なんばグランド花月の劇場の支配人なんだけど、昔ルミネthe ヨシモトも担当していたことがあって、NOROSHIの立ち上げの頃に関わっていたんだよ。
そうなんですか! すごい~!
今年のNOROSHIも頑張りたいと思います!
では、さっそくですが、この神保町の劇場をリニューアルした理由について教えてください。
元の「神保町花月」は、12年間お芝居の小屋としてありました。特に東京は今、シソンヌなどのコント芸人がよく伸びてきてますので、劇場の役割はもう全うしたと思っています。昨今はまた「ネタ」に対しての期待度が上がっている中で、若手芸人が成果を得やすい劇場の在り方を考えた結果、ここを若手のはじまりの場所にしていきたいと思い、リニューアルしました。
だから、6年目以下の若手専用になったんですね。
駆け出しの芸人からすると、キャパの大きい劇場だと、早い段階で高い技術が求められるんです。将来のキャリアの中で「基礎体力」となる細かい表情の作り方などのテクニックは、こうした小さいハコで培われる。ダウンタウンさんのはじまり『2丁目劇場』も、こうした作りでした。
一方で、もともと若手芸人の活躍の場だった渋谷・無限大ホールはどのように使われるのでしょうか?
無限大ホールがある渋谷は、街そのもののカルチャーが特徴的ですよね。今後無限大では、お笑いに限らずさまざまなエンターテインメントの才能の開発・発掘・支援をやっていきたいと思っています。例えばe-sportsなど、ティーンから20代に向けての娯楽提供・クリエーターの才能・コンテンツ開発にシフトしていきます。
なるほど。お笑い以外の若者も活躍できる場というイメージですね。
実は、僕自身は劇場でのライブを観たことがなくて……。劇場で観る魅力というのは、どういったところにあると考えていますか?
これからは5Gで動画をサクサク観られるようになるなど、どんどん便利な時代になっていくと思いますが、人と人が集まったからこそ始まる感動があると思います。生のライブは、笑い声と大きな拍手に包まれて、その中で見るから素敵なんですよね。サッカー好きの人が、スタジアムに足を運びたくなるのも同じだと思います。劇場で観る魅力を伝えるシンボルとして、ミルクボーイや霜降り明星など、賞レースで勝ち上がってきた芸人たちが牽引してくれるのは、非常にありがたいなと思います。
実は僕たちは今、ちょうど就活を目前に控えていて。 普通に一般企業に就職をするか……こうして芸人として続けるのもいいかなと思ったりしていまして……。
芸人は、自分の芸やお笑いに対して、誰かが喜んで、それにお金払ってくれる。それではじめてプロになるので、その自信や意欲があれば、やったらいいと思います。うちに来てほしいのは、来てほしいですよ(笑)。
そうなんですね(笑)。
あとは、一般のサラリーマンが受けるストレスや嫌なことが5で、その分得られるものも5だとすると、舞台に出る人は、嫌なことやつらいことが10あるけど、その分ほかの人が得られない感動がたくさんある。そのふり幅が大きくなるだけだと思ったらいいです。「あなたは大きく取りたいですか? それとも標準でいたいですか?」ということ。だからこそ「嫌なことを忘れられる能力に長けている人」が、舞台に出る人に向いていると思います。
ありがとうございます!! では最後に、最近は学生芸人界隈も盛り上がりを見せているので、僕たちも含めた学生芸人へメッセージをいただければと思います。
僕5年くらい前に、早稲田のサークルライブ行ったことありますよ! 学校っていいなって思いましたね(笑)。
そうなんですか!
これから何かをやっていこうというエネルギー持った人の空気は魅力的で、僕もそこからエネルギーもらうこともあります。お笑いであろうがなかろうが、自分にとって「おもしろい人生」を選択して、その中で選んだのが「お笑い」だったのであれば、ご一緒できたらなと思います。やりどころが変われど、何かに注いだエネルギーは、次のことをはじめるのに絶対役に立つと思います。
たとえば必ずしも芸人にならなくても、今「お笑い」にエネルギーを注いでいるのも次につながるってことですよね。
そうですね。学生時代のうちから、“明日”を決めるのは簡単ではないと思うんです。でも、ごっつい難しいこと言うてるわけじゃなくて、「オムライスが好きで食べ続けました」とか、そんなささやかなことでもいい。他の人は誰も評価しなくても、自分にとって強烈で、好きなもの、熱中するものがあったら、それが仕事となって生きてくる。そういったものを持てたらいいのでは、と思います。
本日はありがとうございました!!
せきんにくんの2人の人生相談にもしっかり答えてくれた奥谷さん。これからの時代、どんどん便利になるからこそ、ライブの良さが重要になってくる、というお話は興味深いですね。まだ劇場でお笑いのネタを見たことがない人は、この機会にぜひ一度「ライブ」でお笑いに触れてみるのもいいのではないでしょうか。
「神保町よしもと漫才劇場」は神保町駅から徒歩3分ほど。当日券は安いものなら800円~と学生でも足を運びやすいお値段です。大阪芸人さんとのコラボもあるそうなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho_manzaigekijyo/
文:ほっとけない学生芸人GP運営
写真:島田香