明日は試験……一夜漬けでもできる暗記術を教えて! #もやもや解決ゼミ

編集部:いとり
2020/01/18
授業・履修・ゼミ
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日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ

センター試験や大学の期末試験のシーズンですね。試験対策でおおわらわ、という方もいるでしょう。中には「一夜漬けでもいいからなんとかしたい!」なんて考える人もいるのでは? では、うまくいく一夜漬けの学習法というのはあるのでしょうか?

一夜漬けでもできる暗記術教えて! #もやもや解決ゼミ

今回は「一夜漬けでもできる暗記術」について、早稲田大学 リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門の枝川義邦教授に回答してもらいました! 脳神経科学の専門家で、記憶の研究についても深い造詣を持つ先生です。

一単語でも多く覚えたい……一夜漬けでもできる暗記術はあるの?

一夜漬けで頑張らないといけないほど追い込まれないようにするのがいいのですが(笑)、一夜漬けでもやれることあります。一夜漬けは可能かと問われたら「できることはできる」というのが答えになります。

徹夜はしない! 睡眠時間を必ず確保すること!

まず重要な点は、一夜漬けでも必ず「睡眠時間」を確保することです。それでは一夜漬けとは言わなくなってしまいそうですが(笑)、徹夜をしても脳があまり働かない時間帯があるので非効率です。

人間はサーカディアンリズム(概日リズム)に従って生活しています。これは生物としての「覚醒-睡眠」のサイクルを刻むもので、太陽光の影響を強く受けています。みなさんがおよそ2―4時に眠くなるのは、サーカディアンリズムによる影響が大きいのです。

このリズムが脳が目覚めていたり、眠くなったりすることに大きな影響を与えているわけですが、そもそも睡眠は生物として必須なだけでなく、実は記憶と密接に結び付いていることも知られています。脳は睡眠中に記憶の取捨選択、整理を行い、必要な記憶を定着させる仕組みを持っています。

つまり、しっかりとした記憶を作るために「睡眠」が必要というわけです。

また、起き続けていると新しい情報がどんどん脳に入ってきます。そうすると、せっかく勉強したことを記憶しても、新しく入ってきた情報が干渉して、覚えた記憶情報が上書きされて変わってしまうことも起こります。

一晩ずっと起きて暗記する、記憶する作業を続けるのはよくありません。一夜漬けで勉強するぞ!と思っても、計画的に睡眠時間を確保し、その時間は明日に備えるためにも、そして記憶のためにも、あえて眠るようにしたほうがよいでしょう。

「反復すること」が重要!

私たちが新しい情報を記憶するときには、例えてみると脳の中にある「記憶のテーブル」の上にその情報を置いていくような過程を経ていきます。

このテーブルの広さには限りがありますから、新しい情報を際限なく置くことはできません。そして、記憶は反復することで確かなものになっていきます。

となると、例えば時間が3時間あるとしても、3時間全てを新しいことを記憶するのに費やして、「記憶のテーブル」があふれてしまうようなことをするのではなく、1時間で記憶できることを3回繰り返す。このほうが記憶として定着しやすいのです。

また、徹夜したりして睡眠不足になると「記憶のテーブル」自体が狭くなってしまうともいわれています。これではせっかく頑張って勉強したとしても、新しい情報を置く場所が小さくなって記憶しづらい状態になるので、効率よく覚えていくことが難しくなります。

このような観点からも徹夜はせずに、限られた時間の中で必要な情報をある程度絞って、これを反復して記憶する。さらに確保した睡眠時間で定着させる――このような進め方がよいでしょう。

一夜漬けのコツ

アウトプットしながら記憶する!

記憶するときには「アウトプットが重要」という研究結果もあります。つまり、多くのことを覚えようとするときには、小テストを繰り返すような進め方がよいということです。テストを解くときに、脳にある情報をアウトプットする中で、実は記憶も定着していくのです。

そして、「声に出して読む」「手を動かし、書きながら覚える」「体を動かしながら覚える」といった五感を駆使したアウトプット法も有効です。みなさんも、単語を音読したり、漢字の書き取りをしたりといった経験があるでしょう。それらは有効な方法だったというわけです。

繰り返しになりますが、まずは一夜漬けで試験に臨まなくてもいいように、こつこつと計画的に試験対策を行いましょう。その上で、どうしても一夜漬けで乗り切らなくてはならないようでしたら、今回の回答を参考にしてみてください。

枝川先生によれば、最近では記憶についての研究は多方面から進み、新しい知見が次々に得られているとのこと。たとえ一夜漬けでも今回の先生のご回答を参考にすれば、「できるだけのことはできる」はず。

ただし、先生のアドバイスにもありますが、できれば一夜漬けは避けて、普段からこつこつ勉強しておきましょうね。

イラスト:小駒冬
文:高橋モータース@dcp


教えてくれた先生

枝川義邦 Profile

早稲田大学 リサーチイノベーションセンター研究戦略部門 教授。博士(薬学)。経営学修士(MBA)。
1969年東京都生まれ。東京大学大学院より薬学の博士号、早稲田大学ビジネススクールより経営学の修士号(MBA)、早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定を受ける。早稲田大学助教授などを経て、2014年より現職。
著書に『記憶のスイッチはいってますか~気ままな脳の生存戦略』(技術評論社,2014年)、『覚えられるが習慣になる!記憶力ドリル』(総合法令出版,2016年)、『マンガでわかる薬理学』(画:しおざき忍,オーム社,2017年)、『ぐっすり眠れる睡眠の本』(監修,宝島社,2017年)、『記憶力アップ 100の方法』(共著,宝島社,2018年) などがある。

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好きなものはチョコとビールと音楽と映画。ネトフリ廃人。ときどき絵を描きます。
Twitterで人の「いいね!」欄を見て時間をつぶすのが日課。

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