年金って本当にもらえるの? 経済学者に聞いてみた #もやもや解決ゼミ

編集部:ゆう
2019/12/03
授業・履修・ゼミ
あとで読む

日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。

「年金だけでは暮らしていけないので、老後には2,000万円の貯金が必要」というニュースが最近話題になりました。

自分の老後が本当に大丈夫なのかどうか、心配な人も多いのではないでしょうか?

首都大学東京 経済経営学部の脇田成教授

では、現在大学生のみなさんがリタイアする将来、年金制度はきちんと機能しているのでしょうか? 

首都大学東京 経済経営学部の脇田成教授に答えてもらいました!

そもそも年金とはどういった制度なの?

みなさんが気にしているのは「65歳以上」になってから受け取れる「老齢年金」のことですね。ただ、大学生のみなさんの老後といってもずいぶん先のことですから、あまりピンとこないかもしれません(笑)。

これは一種の保険で、お金をプールしておいてみんなで助け合う制度。長生きのリスクに対してみんなで備える制度です。若いときからきちんと保険料を支払っていないと、年を取ってからもらえないという仕組みになっています。

大学生のみなさんは、企業に勤務し、サラリーマンになる方が多いでしょう。サラリーマンの場合には、給料から保険料が天引きされますので、納めそこなうという心配はありません。

ただ自営業、また農業・漁業に従事する人は、未納がないように注意しないといけませんね。

「修正積み立て方式」、「マクロ経済スライド」で破綻を防ぐ!

年金制度には「賦課方式」と「積み立て方式」の2つがあります。日本の場合「修正積み立て方式」といいますが、若い世代が払った保険料をお年寄りの世代に回すという形になっています。

例えていえば、みんなから集めたお金で「アパート」を建てておけば大丈夫といった考え方です。しかし、少子高齢化が進行していく中で「積み立て・運用」の考え方が崩れます。

それはなぜかというと、お金が足りなくなってしまったのです。そのため、なし崩し的に若い世代の払う保険料が、お年寄りの世代に支給されるという、現在の仕組みになってしまいました。

今から「積み立て方式」にすればという人もいますが、「仕送りをしながら、老後のためのアパートも建てなければならない」ので、現実的には難しいと思われます。

年金

年金は、若い人からお年寄りに分配するという仕組みなので、支給額を下げていけば仕組み自体が破綻することはないわけです。

この下げる仕組みが「マクロ経済スライド」というものです。ただ、これによって仕組みは維持されますが、「その支給額で暮らせるか?」という問題は残ります。

今の若い世代はちゃんと年金をもらえるの?

国が定めた制度ですので、もらえなくなるということは考えにくいです。もらえる? もらえない? と聞かれたら、それは「もらえる」でしょう。もちろん、もらうためにはきちんと保険料を支払い続けないといけません。

また、破綻して暴動が起きたら政府も困りますから、制度変更があったとしても、保険料を支払い続けた人が得をするような仕組みにするはずです。

ただ、前記のとおり「支給額がいくらになるか?」「その支給額で暮らせるか?」はわかりません。

結局もらえるのはいつから?

現在、年金の支給開始時期を遅らせようとか、70歳までは働くようにしようなどの議論がされていますが、要はそのようにしないと制度が維持できなくなっているのです。

中には「90歳まで働こう」なんてむちゃなことを言う人もいますが、健康でいられる時間は限られています。その点については、今後も議論が必要でしょう。

老後に向けておすすめしたいこと

若いうちからどのような準備をしたらいいのか……は難しい問題です。ただ、大学生のみなさんは、就職先をしっかりと選ぶことが肝心です。AIとか機械に代替されにくい仕事を選んで「冒険しない」「体制にしっかりついていく」という生き方も、大事になるかもしれません。

年金という制度は「平等志向」でできていますから、もうかったからといって一人だけの支給額が増えるわけではありません。なので、年金で足りない分をこつこつ蓄えていくのが現実的だと思います。

低金利になっていて、貯金してもなかなか報われない時代ですが、貯金しないよりは貯金した方がいいのは確かですからね。

脇田先生のお話によれば、現在大学生のみなさんがリタイアする時代にも「老齢年金」はきちんと支給されるとのこと。ただ、支給額がいくらか、生活するのに十分なのかどうかはわからないようです。

老後にお金の心配をしないで済むためには、貯金をする、就職先に注意するなど、世の中の流れを知ることが必須のようですね。

イラスト:小駒冬
文:高橋モータース@dcp

教えてくれた先生

脇田成

首都大学東京 経済経営学部 教授。
1961年京都府出身。1985年、東京大学経済学部経済学科卒業。1986年、東京大学経済学部経営学科卒業。1992年、東京大学社会科学研究所助手。1995年、東京都立大学経済学部助教授。2001年、東京都立大学経済学部教授。2002年、東京大学博士号(経済学)取得。2005年、首都大学東京都市教養学部教授を経て現職。『日本経済論15講』(新世社,2019年)、『賃上げはなぜ必要か:日本経済の誤謬』(筑摩書房,2014年)、『マクロ経済学のナビゲーター 第3版』(日本評論社,2012年)など著書多数。

#もやもや解決ゼミ
バックナンバー

あなたは大丈夫?! やしろあずきの
大二病診断

編集部:ゆう

家族との時間がなにより一番大事!!お酒と音楽とオーディオが大好きな、もうすぐアラフィフおじさん(気分はお兄さん)です。

関連記事

関連キーワード

おすすめの記事

編集部ピックアップ

「大学生活・学割」のカテゴリを絞り込む

学生の窓口会員になるとこんなにお得!

  • Tポイントが
    貯まる

  • 抽選で豪華賞品が
    当たる

  • 会員限定の
    記事やイベント

  • 会員限定の
    セミナー開催

無料会員登録

会員登録でマイナビ学生の窓口をもっと楽しく!

閉じる
マイナビ学生の窓口に会員登録(無料)すると、
お気に入り機能などを利用してもっと便利にご活用いただけます!
  • Tポイントが
    貯まる

  • 抽選で豪華賞品が
    当たる

  • 会員限定の
    学割でお買い物

  • 会員限定の
    セミナー開催