『視野を広げる前に、自分を見なよ。』間宮祥太朗、その生き方。

編集:ナベ子
2019/11/15
将来を考える
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映画『殺さない彼と死なない彼女」で間宮さんが演じた小坂は、“無感動・無関心”な高校生。間宮さんいわく「そうすることが楽だったんだろうなと思う」という小坂の心情に、身に覚えるある人も多いのでは? 淡々と描かれながらも最後は涙すること必至の映画の撮影秘話とともに、悩み多き大学生へのメッセージを真剣に考えてもらいました。人間くさく、型にはハマらない。間宮さんの魅力がにじみ出るメッセージをお届けします。

教室の窓際のいちばんうしろの席って、
なんか落ち着くんです。

――映画『殺さない彼と死なない彼女』で間宮さんが演じた小坂は、“無感動・無関心”で退屈な日々を過ごしている高校生。間宮さん自身は、小坂をどのように捉えていますか?

“悲劇のヒロイン”ぶっているなぁと思いましたね。こういう時“ヒーロー”とは言わないと思うので(笑)。たぶん、元来は“無感動・無関心”な人間ではなくて、ある悲劇的な出来事によって挫折した感傷に浸り続けている人というか。端から見るとちょっと哀愁がある感じかもしれないけど、そうすることがいちばん楽だったんだろうなと思うんですよね。“無感動・無関心”でいれば考えなくて済むことがたくさんあったのかなと。

――間宮さん自身の学校生活の中で、小坂と近い感覚の時期はありましたか?

僕、中学の時に野球をやめたんですけど、野球をやめるまではいわゆる男子校のいちばんうるさい運動部の集団みたいなところでワーってやってたんですよ。でも野球をやめてからはつるむのを意識的にやめて、1人で音楽とか聴いていました。その時期はわりと、映画の冒頭の小坂みたい。当時の教室での席も、小坂と同じ窓際のいちばんうしろだったし。

――“教室の窓際、いちばんうしろの席”って、とても間宮さんっぽいです。

窓際の席ってなんか落ち着くんですよね(笑)。窓際のいちばんうしろの席って、ちょっとパーソナルスペース確保できる感じがあっていいんですよ。だから今回の撮影の時も落ち着くなぁと思いました。

――今回の撮影では、監督が「生命感が失われているような廃校は使いたくなかった」ということで、実際に学生が通っている高校で撮影したんですよね。

そうです。やっぱり“生きてる学校”は雰囲気が違います。生活感が流れているかどうかという違いなんですけど。例えば、教室のシーンでの机の中には、生徒のものがそのまま入ってたりするんですよ。撮影は、授業中にグラウンドとかでやってたりして。休み時間に撮影が見えると生徒たちがワーワーなるからっていうので、休み時間になると撮影を中断して控え室に戻らなきゃいけなかったのは、少し大変でした(笑)。

――授業中に撮影していたというのは驚きです!土日などの撮影なのかと思いました。懐かしい匂いだったり、ときめきだったり、校舎にいると思い出すモノがあるんじゃないですか?

学校っていうと中学の時の校舎とか浮かぶんですけど、男子校だったんでときめきとかは思い出さないですね(笑)。校舎に関して言うと汗臭かったなぁというのを思い出します。みんなでふざけてて、マジメに授業を聞いてるような感じじゃなかったんで、勝手に席を変えて座ってたなぁっていうのは覚えてます。


“正しく生きること”に引っ張られず、自分自身の“願望”を探してみる。

――小坂のように“無感動・無関心”だけど、どこか焦る気持ちがある学生も多いと思うんです。興味あるものがないけど、就職はしなくちゃ、とか。そういう時、間宮さんならどうしますか?

ん~。なんで就職しなきゃいけないんですか? そりゃお金は稼いだほうがいいですけど、別にいくら稼いだからどうとか、正社員だからっていう評価みたいなものって、突きつめていくとくだらないと僕は思うんですよ。だから、無理に何かをする必要はないと思いますよ。

――とはいえ、周りと比べて焦ったりするんだと思うんですよね。

周りと比べると言っても、ほんの狭い中ですよね。その周りっていうのも、だいたい東京でしょ。例えば、沖縄の人とかそんな焦ってないと思いますよ。中退して大学生の年齢で店をオープンしたりとかしてますし。周りに合わせて就職することよりも、自分を助けてくれる人がいたり、人とのつながりがあるほうが絶対強いと思うんですよね。

――たしかに、実際に社会に出ると実感する部分ですよね。その一方で、人とのつながり方、コミュニケーションに自信がない子も多い。

なんでだろう…。たぶん“正しく生きるとはこういうことだ”みたいな型が決められすぎていて、それに引っ張られすぎじゃないかとは思うんですよ。

――では、そういう学生にメッセージを送るとしたら、「型にハマらず広い視点を持ったほうがいい」と伝えますか?

広い視点というよりは、自分を見た方がいいです。鏡を見すぎなんですよね。他人も自分の鏡じゃないですか。向こう側から見た視点を気にしすぎて、まぁSNSが流行ってるのもそれなんでしょうけど。周りにどう見られるかがメインになってるから、“こういう自分でいよう”っていうのはあるけど、自分自身は見てないですよね。

――たしかに!自分を見ているようで、繕った外側だけを気にしている状態ですよね。

だから「就活どうしよう?」って言う前に、「本当に自分は就職したいのか?」と考えるところから始めたほうがいいと思います。僕はこの仕事してなかったら、普通に就職して働くっていうことしてないと思いますよ。別に大学院行ったっていいし。留学したっていいし。「そんな余裕は…」みたいなものは、どうにでもなるんですよ。バイトして貯めるでもなんでもいいし。それよりもまず、自分の根本にある「これがしたい!」っていう願望とか欲みたいなものを探してみる。それがないと、何をやってもそこに心が入るわけがないと思います。

本作の魅力について

常に愛をささやき合ってるカップルより、自然でリアルな愛情表現を描いていると思う。

――原作はTwitterから誕生した“最も泣ける四コママンガ”ということですが、もともと原作はご存じだったんですか?

知らなかったです。今回のお話をいただいてから読みました。「泣けると話題の四コマが原作です」って言われて、最初は構えたんですよね。事前に「泣ける」ってあんまり言われると、泣かせにくるのかなって。でも全然、感動させようとか、いやらしい匂いをまったく感じなかったので素直に読めました。

――間宮さんがこの作品の登場人物について「全員個性を持って絶望している」をコメントされてたように、個性的な女子と男子の心がつながっていく姿に惹きつけられる作品だなと感じました。   

小坂と鹿野の関係を“変わった形の愛情表現”ってよく言われるんですけど、僕は個人的にはこっちのほうが自然だなと思っていて。常に愛の言葉をささやき合ってるカップルのほうが信用ならないと思ってる節があるので(笑)。好きな相手だからこそ、ぶっきらぼうな物言いになったりするのは自然だなと思いましたし。映画やドラマのせりふって会話が会話になりすぎるところがあると思うんですよ。必ず聞いたことの返答が返ってくるとか。でも今回のって、聞かれたことと全然関係ないことを返したりして、会話として成り立ってないのが逆にリアルで。だからせりふも自然と出やすかったですね。

――会話が途切れたり、無言の時間もあったりと、会話や時間の流れ方が独特なのも心地いいと思いました。

僕は、テンポよく話すことを意識するんじゃなくて、「○○したいなぁ」っていうせりふがあったら、間が空いたとしても、そう思うまでは口に出さないようにしようと思ってやってたんです。この映画は長回しが多いんですけど、そこに長回しの意味が生まれるんじゃないかなと思って。実際にできあがった映画を観た時にも、「間って贅沢だけどほしいなぁ」って思いました。決められた時間の中にパンパンに情報を詰め込むことも可能だけど、無言の間がいっぱいあったとして、その時間を楽しめるのが映画っていいなと思う部分でもあるし。無言の時間に観てる側がいろいろと考えるとか絶対あるんですよ。そういう間があるお芝居を贅沢にできて、それを贅沢に使ってもらえてっていうのがすごいよかったですね。

正解を撮らなきゃいけないという雰囲気がなかったから生まれたもの。

――自然といえば、照明を使わずに太陽の光だけで撮影しているのも自然であり、映像としては新鮮でした。

今回、監督が日光を見て撮影する時間を決めてたんですよ。だから、朝8時くらいに現場に入るんだけど、昼の15時にならないと撮らないって先に言われる(笑)。それまでは、段取りを決めて、リハーサルをやって、だいたい固まったなぁと思ったら「ごはんでも食べる?」みたいな。それが許されるスケジュールだったというのは大きいですね。毎回こうやって撮れたら幸せだなというくらい、スケジュールに追われてなかった。

――そのスタンスが、この映画の不思議な雰囲気につながってるのかもしれませんね。

それはあります。時間がゆっくり流れていて陽がきれいでっていう雰囲気の撮影してても、カットがかかった瞬間にバタバタしてたら心の状態がどうしても切り替わっちゃうじゃないですか。でも、ずっと撮影の中の状態でいられたので、撮影中と待ち時間にズレがないというか。

――その雰囲気もあってか、閉まっている校門を鹿野が飛び越えるシーンは本当は開いてる予定だったなど、その場で生まれたシーンもあるようですね。

肩の力を抜いて撮影してたから、そういうことにも対応できたんでしょうね。校門のシーンでは、桜井(日奈子)さんがバーッと走っていって、俺が「どうするんだろう…」って言ってるのはせりふにはないんですけど、本当に「どうするんだろう」と思ったので。イカ焼きを食べるシーンでも、最初はイカ焼きをかじるだけだったんですけど、桜井さんがかじったら串が抜けちゃって。そういう場合、取れない食べ方の検証になったりするんですけど、監督が「あれ、よかったね」ってOKになったりっていうのは、けっこうありました。そういうのは監督が出している雰囲気もあるし、撮影全体も正解を撮らなきゃいけないという雰囲気があまりなかったから生まれたのかなと思います。

作品情報『殺さない彼と死なない彼女』


Twitterから誕生した、いま“最も泣ける四コマ”が実写映画化!
その感動は予測不能!
すべての孤独をあたたかく癒す、いびつでピュアなニュータイプ・ラブストーリー。

11月15日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー

■出演:間宮祥太朗 桜井日奈子
恒松祐里 堀田真由 箭内夢菜 ゆうたろう
金子大地 中尾暢樹/佐藤玲 佐津川愛美/森口瑤子
■監督・脚本:小林啓一
■原作:世紀末「殺さない彼と死なない彼女」(KADOKAWA刊)
■音楽:奥華子/主題歌:「はなびら」 奥華子(PONY CANYON)
■配給:KADOKAWA/ポニーキャニオン  
★公式サイト korokare-shikano.jp
★公式twitter @korokareshikano
★公式instagram @korokareshikano

(C)2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会

文:加治屋 真美  写真:島田 香  編集:ナベ子         

編集:ナベ子

生まれは北海道、学生時代は主に研究と剣道に捧げてました。最近は妖怪が好きです。
好奇心で人生をもっと豊かに!をテーマに日常/非日常のアレコレを題材にした記事をメインで担当してます。

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