IMAX、ドルビー、THXそれぞれどう違う? 映画の上映方式・音響システムまとめ
3D映画が流行したと思っていたら、まるでアトラクションかのような4D映画の選択肢も広がってきており、映画の楽しみ方の幅が広くなってきています。
上映システムだけでなく、音響システムやスクリーンも目新しいものが登場しており、自分の鑑賞スタイルに合った映画館を探すのに専門用語が必要になってきています。
そこで今回は、国内の映画館で採用されている代表的な上映方式や、より迫力のある音が楽しめる音響システムについてご紹介します。
ぜひチェックして、気になる上映方法で映画を観てみましょう。
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映画館でよく見る「THX」とは
映画館でよく見かける「THX(ティーエイチエックス)」とは、元々はアメリカの音響技術を提供する企業の名前です。THX自体は、スターウォーズやインディージョンズシリーズで有名なルーカスフィルム(現在はウォルト・ディズニー・スタジオの傘下)の1部門でした。
THXは、音響のチェックと品質認定を行っており、この認定試験に合格したスクリーンはTHX認定を受けることができます。
THXの規定は非常に厳しいため、認定を受けたスクリーンの音はまさに折り紙付きというわけです。
「THXシアター」「IMAX®︎デジタルシアター」などの「〇〇シアター」とは
「THXシアター」「IMAX®︎デジタルシアター」などの「〇〇シアター」とは、「〇〇」の部分に当たる組織の認定を受けた・基準を満たしたシアターという意味です。
- ・THXシアター:THXの認定を受けたシアター
- ・IMAX®︎デジタルシアター:シアター全体がIMAX®︎の基準を満たすシアター
- ・Dolby CINEMA:Dolbyの映像・音響技術を一体化できるシアター
- ・BESTIA(ベスティア):4Kレーザープロジェクションシステムと3D音響システム巨大スクリーンによる映画鑑賞が可能なシアター
- ・グランシアター:イオンシネマの特別なシートとラウンジで映画鑑賞できるシアター
というわけです。
映画館の音響システム
映画館の音響システムも「〇〇シアター」と同様に各映画館・シアターによって導入しているシステムが違います。
3Dや4Dでの映画上映が一般的になってきている昨今、立体的な臨場感あふれる音響効果を期待できる音響システムを導入するシアターも増えています。
代表的な3つの立体音響システムを紹介します。
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)
TOHOシネマズやイオンシネマに導入されている音響システムとして、「Dolby Atmos」があります。これはDolby Laboratories社の音響システムで、前後左右、天井にまで備え付けられたスピーカーによる臨場感のある音が楽しめるもの。
力強いサウンドが3D的に発せられるだけでなく、それぞれのスピーカーが異なる音を発することができるのも特徴。
例えば、キャラクターが左から右に歩いた時の足音が、本当に目の前を左右に歩いているようにリアルに聞こえます。
DTS:X(ディーティーエス)
DTXの「DTS」は、デジタル・シアター・システムズ(Digital Theater Systems)の頭文字を取った略称です。
DTS:XもDolby Atmosと同じく、立体型音響のシステムです。
前後左右だけでなく、空間の上下にも音響効果があることから、臨場感あふれる立体音響効果が得られます。
VIVE AUDIO(ヴィヴ・オーディオ)
VIVE AUDIOは、主にイオンシネマで導入されている立体音響システムです。
Christie社が提供しており、シアター内のどの座席にいても安定した音響効果を得られることが特徴です。通常のスピーカーシステム以上の没入感が感じられるという意味では、他の2社と引けを取りません。
映画館のスクリーン
映画館のスクリーンは迫力のある映像体験のために、スクリーン自体が大きく、高品質な映像を映写できるように進化していっています。
TOHOシネマズとイオンシネマが導入している巨大スクリーンを紹介します。
TCX(ティーシーエックス)
TOHOシネマズが独自に導入している巨大スクリーンの名称。上下左右いっぱいに広がったスクリーンに大迫力の映像を映写します。
また、より映像に集中できるよう、床や壁、シートの色をダーク系に統一して光の反射を抑える工夫もされています。TOHOシネマズ日比谷、新宿などに導入されています。
ULTIRA(ウルティラ)
イオンシネマが展開している天井まで届く専用のシルバースクリーンに高品質な映像を映写するシステム。
正面の壁全てを覆うほどの巨大スクリーンに映写される大迫力の映像が魅力で、3D上映ではさらに迫力が増します。「イオンシネマ幕張新都心」などに導入されています。
4D映画を体感できるシステム
座席が動き、本当に映画の中にいるかのような体験ができるシステムが導入されているシアターもあります。
シアターにシステムが導入されているものの、対応している映画がなく体感できない場合もありますが、アトラクションに行く気分で映画館に行くのは楽しいですよね。
D-BOX(ディーボックス)
D-BOXは、映画のシーンやアクションに合わせて座席が動く上映システムです。
上下・左右・前後様々なパターンの動きを体感でき、映画の主人公が浮いているシーンでは自分も空間に浮いているかのような体験ができます。
MX4D™️(エムエックスフォーディー)
MX4Dは、体感型の4Dシアターシステムです。
映画のシーンに合わせて座席が上下・左右・前後に動くのは当然として、空気の動きや香り、ストロボなどで鑑賞者の五感を刺激してくれます。
多くのアトラクション要素が絡むため、利用には制限があります。たとえば身長100cm未満の子どもは利用できません。
4DX®︎(フォーディーエックス)
韓国のCJ 4DPLEX社が開発した、座席が映像に合わせて動く体感型の上映システムです。
前後・上下・左右のモーションや、水が噴き出す演出や、風が吹き出す演出が起こります。全部で4つのグレードがあり、最高クラスの「プライム」では20種類もの特殊効果が楽しめます。3D上映ならより迫力が増すでしょう。
映画というよりもテーマパークのアトラクションといったほうがいいですね。ユナイテッド・シネマやイオンシネマの劇場に導入されています。
映画館は日々進化している!最新の上映設備をチェックしよう
映画の上映方式や、音響効果、スクリーン、4D上映方式についてまとめました。
3D・4D上映を気軽に選択できるようになり、映画で体験できることが上映方式によって大きく異なるようになりました。
アトラクション感覚で映画館を利用するのか、昔ながらの大きなスクリーンといい音響で映画を鑑賞するのか、自分の好みのものを見つけるといいかもしれませんね。