「つらくても報われるときが必ず来る」BLUE ENCOUNT・田邊駿一の想い #好きなことで、生きていけるの?Vol.8

編集部:おもち
2019/09/18
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「つらくても報われるときが必ず来る」BLUE ENCOUNT・田邊駿一の想い #好きなことで、生きていけるの?Vol.8


「“こうあるべき”な生き方じゃなくて、自分の好きなことで生きていきたい」。そんな悩みや葛藤を持つ大学生のために、覚悟を決めて好きなことをして生きている人たちにお話を伺い、生き方のヒントやメッセージをもらう連載『好きなことで、生きていけるの?』。

第8回目となる今回のゲストは、2014年にメジャーデビューを果たし、数多くのフェスに出演しドラマやアニメの主題歌を務めるなど、いま大人気のロックバンド『BLUE ENCOUNT』ボーカル・田邊駿一さん。厳しいご両親との衝突や、10年間の長い下積み時代を経てメジャーデビューを果たしたからこそ、夢がある大学生へ伝えたい想いを伺ってきました。

I n d e x.

“このバンドで生きていきたい”

「つらくても報われるときが必ず来る」BLUE ENCOUNT・田邊駿一の想い #好きなことで、生きていけるの?Vol.8

ーー田邊さんが、音楽の道で生きていこうと思ったのはいつごろでしたか?

音楽で生きていきたいと思ったのは、18歳のクリスマスですね。その時にはもうBLUE ENCOUNTは結成していました。ドラムの高村のお母さんが、老人ホームでボランティアをしていて、「クリスマスパーティーで2曲ほど歌ってほしい」と依頼されたんです。オリジナル曲と、B'zさんの「いつかのメリークリスマス」を歌って、すごく盛り上がったんですよね。

で、終わって片付けをしていたらおばあちゃんがバーッと走ってきてくれて、「あんたたちをテレビで見るまで、おばあちゃん死なないから!」って言ってくれたんです。「あ、自分の歌った歌で感動してくれたんだ」ってふと思って、それが忘れられなかったんです。

その日の帰りにメンバーとファミレスで飯食ったんですけど、「ちょっと、音楽っていうものを職業にしてみたいなぁ」と話したら、メンバーも同じ感覚を持っていてくれたみたいで。

それまではバンドをやる原動力が「モテたい!」っていうチープなものだったし、軽音部での活動に毛が生えたくらいの感覚でやっていたので、その出来事をきかっけにBLUE ENCOUNTというバンドで生きていきたいっていう思いが芽生えましたね。

ーーよくメンバー全員が同じタイミングで気持ちを共有できましたね。

BLUE ENCOUNTって不思議なもんで、割と感情が似ている奴らが集まってるんですよね。僕が思ったタイミングで同じことを思ってくれていることが多いんです。18歳のころなんて何も怖いものなかったし、自分たちの作ってる音楽まじ最強! って思っていたので……俺たちならいけるだろうって毎日デモCD作りに励んで、色んなレコード会社に送るっていう作業を始めましたね。

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ーーご両親から反対されませんでしたか?

バッチバチにケンカしましたね。腕っぷしも学歴も職歴も凄い親父だったんですけど、揉めに揉め、殴り殴られ、投げ飛ばされましたね(笑)。

僕が通っていた高校は国立の5年制の進学校で、高校のカリキュラムを2年で終えたら、残りの3年は研究に充てるシステムだったんです。しかも、大企業への就職率が100%の学校だったんですよ。

そんな高校時代に、両親が東京に単身赴任することになって、僕ひとりが熊本に残って下宿しながら通学していたんですよ。もう、実家からの解放ですよね! で、毎日好きにギターを掻き鳴らしまくってたら、学校に行くのが嫌になっちゃったんです。

バンド活動も親からも反対されて、研究に勤しんでいる友達からも煙たがられて、正直学校に居づらかったんですよね。そこから更にバンドにのめり込んで。バイトも色々やってました。

でも結局、っていうか当然なんですけど、学校にも行っていないことは親にもバレて、最終的には「4年修了・退学」っていう高卒の資格をもらって、僕の学生生活は終わりました。残り1年はメンバーが卒業するのを待って、東京の専門学校へ進学しました。

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ーーバンド一本で東京に出ていくという選択肢もあったと思うのですが、あえて「専門学校進学」を選んだのは何故ですか?

「時代」じゃないですかね? ちょっと前だったら、反抗心ひとつで荷物抱えてバンド一筋でがむしゃらに食っていくんだ! っていうのが王道だったのかもしれないですけど、今って情報量が多いし、バイトにしろ音楽にしろ、仕事内容や選択肢が細分化されていると思うんです。

それに、親も自分のことを想って反対してくれているのは分かっていたし、そこに対する悪気はやっぱりあって。だからこそ「趣味を諦めて仕事に就くのではなく、バンドを成功させるという夢を叶えて、迷惑を掛けてしまった分を取り返そう」と思ったというのが、この道を選んだ理由かもしれないですね。

ーーかなりアウトローな決断をされたということに怖さはありましたか?

怖さしかなかったですね。最初の10年はお客さんが増えなかったので、親族からも地元の友達からも超絶心配されていましたし。熊本に帰れなかったですもん。友達は大手の企業で花形の仕事をしている中、自分は何も話せることない状況だったので。

でも、退路を断ったことが一番デカかったのかなと思いますね。実は僕、2012年のインディーズ2枚目(アルバム『HALO EFFECT』)を出したごろに就活していたんですよ。25歳になって周りもどんどん結婚しだして、そろそろ見切りをつけなきゃヤバいかもなぁと思って。東京でのライブの時は朝まで打ち上げをして、その後に楽屋の洗面台で頭洗って、持ってきたスーツ着てそのまま面接に行く、なんてこともありました。

結果的にツアー中に2社ほど内定を貰ったんですよ。でもそのツアーが死ぬほど楽しくて、「最高だな、今日死ねたら一番いいな」と思えたんです。そしたら「でも、そう思えたのならもっとこの景色を見たいよな」と思い始めて、結局ツアーの最後には内定を蹴りましたね。それで、そのツアーファイナルで今の事務所のマネージャーさんに出会いました。

ーー挫けそうになっても折れずに続けてきたからこその「今」があるんですね。

そうですね、でも僕らの場合は、結果的に美談になったということでしかないと思いますし、10年続けてきたからこそだと思います。その間、本当にバカにされましたしね。でも、去年たまたま熊本に帰った時に友達が一席設けてくれて、初めてやっと自分の仕事について自慢げに話せました。10年かかってやっと対等になれたというか、嬉しかったですね。

追いかけないと夢は掴めない

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ーー長い時間をかけて着々と夢を叶え続ける田邊さんのように、思うように生きたい! でも、怖さや周囲の目を気にするが故に踏みとどまってしまっている、という人も必ずいると思います。そういった人たちに伝えたい言葉はありますか?

本当に、早いうちから始めておいた方がいいと思います。臭いこと言いますけど、例え何年かかってでも、夢を叶えた時が一番「旬」なんですよね。僕らも10年掛かりましたけど、その先で掴んだメジャーデビューってめちゃくちゃ新鮮だったし、勘当されていたような両親たちを、初めて夏フェスに出演できた2013年のSUMMER SONICで招待したんですけど、ステージを観た親父がボロ泣きしてくれて、「お前が息子で良かった」と言ってくれたんです。

そういう経験もあって、僕は「ダメなら逃げていいんだよ」とか「無理なら新しい道を探していいんだよ」とか、バンドのカラー的にも言いたいし言えるんですけど、それでも自分が時間をかけて追っている夢ならもうちょっと頑張ってもいいんじゃない? と思いますね。

1年ぐらいで諦める夢ならそれでもいいと思いますけど、1年後に「あぁ無理かもな、でも頑張ってみようかな」と思えるものなのだとしたら、追いかける必要があると思います。昔の音楽業界って「21歳でメジャーデビューしなければ諦めた方がいい」みたいな風潮があったんですけど、今はそんなことないじゃないですか?

一昨年の紅白歌合戦で竹原ピストルさんが歌っていて、それにみんなが感動するんですよ。どれだけ年を経ようとも、何かを叶えた瞬間の人間って若々しいんですよね。それは職業に関わらず言えることだと思うし、夢を追いかけている間は正直辛いけど、それは自分に負い目があるからだと思う。支えてくれる人を待たせてしまっているとかね。でも絶対にいつか報われる時が来るし、言っていることは綺麗事でしかないんですけど、否が応でもこれしかないというか。追いかけないと掴めないんですよね、夢は。

ーーなるほど。

正直、今の若い子と話すと「諦めるのが早いな」と思います。それは情報が細分化されすぎて、事の顛末が分かるようになってしまっているから。でも、あなたはその人ではないし、あなたらしくやればいい。その道を歩いて成功させて、パイオニアになればいいのになと思います。

ベタですけど、人生は一回切りだし、最近は「人に好かれようとしなくて良くない?」と思っています。もちろん人としての礼儀や知識は最低限必要ですけど、カテゴライズしたがりな世の中を壊していくのも気持ち良いと思いますけどね。

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10代~20代前半だった俺は、今のあなたよりも何も持っていなかったし、縋るものも安心もなかったし、本当に辛い時は音楽すら聴けなかったです。夢を追う途中でもし、今まで好きだったものを「好きじゃないかも?」と思ったら、それは終わりなのではなくて、冷静になる大事なタイミングなんだと思います。そのときは他の道をシミュレーションしてみたらいいし、その上で「今の方が楽だな」と思えたら勝ちだと思います。冷静になったり嫌いになったりするくらい追いかけてから悩んでみたらいいと思いますね。

ーーそう言えるようになったのは、ご自身のどんな性格が影響していると思いますか?

弱いから、ですね。弱いからこそ逃げ道を探せなかった。強いから退路を断ったと思われているかもしれないんですけど、「これしかなかった」からなんですよね。器用にできる人間ではあるんですけど、別のところでイチから人間関係を構築していくことができると思えなかったし。

逆に言えば、強さは今になってやっとついてきていますね。支えてくれる人がいてくれて、ライブでお客さんが盛り上がってくれている景色を見て、やっと「自分の音楽や、やってきたことは悪くないんだ」と思えていますし、高校の時に音楽をやるきっかけを今、やっともらえている感じです。

アンコールを言われ続ける人間でありたい

「つらくても報われるときが必ず来る」BLUE ENCOUNT・田邊駿一の想い #好きなことで、生きていけるの?Vol.8

ーー弱さを克服するのではなく、弱さの先に強さがある。ひとつの意志に徹し続けてきた田邊さんだからこそ見出すことのできた結果ですね。紆余曲折ありながらも現体制で活動10年を迎えたBLUE ENCOUNTの新曲「バッドパラドックス」が、9月11日にリリースとなりますね! 今作は日本テレビ系土曜ドラマ『ボイス 110緊急指令室』主題歌となっていますが、ブルエンの新しいカラーが映えている楽曲だと思いました。

歌詞はドラマに沿ったものではあるんですけど、楽曲は去年の秋ごろには出来上がっていました。今年の春にタイアップのお話を頂いて、数曲提示した中で採用されたのが今作です。

僕自身、韓国で放映されていたドラマのオリジナル版が超絶好きで、最初は自分の中でも完璧と言えるくらいドラマの内容を踏襲した歌詞を書き上げたんですけど、プロデューサーさんに「歌詞は全然ドラマ寄りにしなくて大丈夫です」と言ってもらえたんです。


ブルエンの曲って、例えば曲調はバラードなんだけど歌詞では社会風刺をしていたり、テクニカルな曲に罵倒の言葉を入れていたりするような「歌詞で最終的に遊ぶ=パラドックス」があるんです。
だから、プロデューサーさんからその言葉を頂いた時に、俺はこの曲自体を「バッドパラドックス」にしてやろうと思ったんです。綺麗な曲だけども熱さをちゃんと残しているというか。バンド自体の叫びのように《結局、報われぬ日々に/あぐらをかいてやっと気づいた/道って歩こうとするヤツにしか見えない》という、まさに「夢は見ようとしないと掴めない」という、自分たちがインディーズで腐っていた時に思ったことをそのまま書きました。そのフレーズが、今、自分たちが一番伝えたいことだなと思います。

と言いつつもドラマの内容にも沿っていますし、支えてくれるファンのみんなにもそういったブルエン節がちゃんと伝わればいいなと思っています。

ーー歌い方や音の作り方も、前作『SICK(S)』の収録楽曲に比べるとかなり斬新ですよね。

本当にそうですよね。あんなに濃いアルバムを出したあとで、今作は一切声を張っていないですからね。サビがずっとファルセットっていう試みもそうですし、あえてそこをやるっていうのがBLUE ENCOUNTなんですよね。

BLUE ENCOUNTのモットーが「全部裏切りたい」なんです。もちろんジャンルを貫き通すのがロックの格好良さだというのは重々承知の上なんですけど、僕らは「ロックバンドのくせに」って言われることが嫌なんですよ。だから何でもやりたい。「ジャンル=BLUE ENCOUNT」って言われるまでやろうよっていうのは、高校の時にバンドを結成した時からずっと言ってきたことなので、それを未だに追いかけています。

ひとりの人に届く歌を歌うっていうことは大前提として、じゃあそれをコーティングするのは何でもいいんじゃないかな? と思っていますし、だから今回はタイアップだからこうしたという訳ではないし、どのシーンにも刺さる楽曲だと思っています。

「つらくても報われるときが必ず来る」BLUE ENCOUNT・田邊駿一の想い #好きなことで、生きていけるの?Vol.8

ーーありがとうございます! 最後に、これから就職活動を含めてそれぞれの将来と向き合っていく読者の方々にBLUE ENCOUNTの楽曲を贈るとしたら、田邊さんならどの楽曲を選びますか?

なるほど。最近、僕らもこの曲が作れてバンドの気持ちが楽になったということであれば、『SICK(S)』の最後に入っている「アンコール」という楽曲ですね。

この曲が、今一番バンドで熱くなれる曲です。人生って終わりを自分で決めるから終わりなんですよね。でも、終わった後に「何で終わっちゃったの? あなた向いてたのに」と、知らない間に誰かからアンコールを貰っていることがすごく多くて。僕らはそれをやり続けていたいなと思いますし、「もっとあなたの仕事を見続けていたい」とアンコールを言われ続ける人間でありたいなと思います。
この曲の歌詞の《巨大な砂漠の中で/一つの花を探すような毎日だけど》という2行は、上京する前に親父に言われた言葉なんです。この言葉は大事な曲ができた時に絶対に歌詞にしたいと思っていて今回やっと入れることができたものなので、逃げてしまいそうになったら是非この歌詞を読んで、聴いてもらえたらいいなと思います。

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BLUE ENCOUNTオフィシャルサイト
https://blueencount.jp/

取材・文/峯岸利恵
撮影/洞澤佐智子
編集/学生の窓口編集部おもち

編集部:おもち

アイドルと音楽と猫とお酒がだいすきな新卒2年目OL見習い。
がくまど公式Twitter(@m_gakumado)の中の人ですっ٩( 'ω' )و

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