自分のことが嫌いな人に伝えたい、3つのこと #佐藤ノアの生き方道場 vol.5
大学生の進路や将来についてのモヤモヤに、ガールズバンド「suga/es」のボーカル・佐藤ノアさんが自身の経験や思いを総動員して答える「♯佐藤ノアの生き方道場」。第5回は、 自信が持てず、自分のことを好きになれないときの考え方について聞きました。
ノアちゃんこんにちは。私は今、カメラマンを目指しています。私の夢はバンド等のライブのカメラマンになる事です。普段撮らせていただいてる方にものすごく失礼だけれど、自分のライブの写真がものすごく嫌いで、毎日劣等感で押し潰されそうです。撮る事は楽しくても人に提供するのが苦痛で仕方ないです。
結果を出した人以外の努力は誰にも響かないけれど、自分の決めて突き進んで努力を続けていた道が今正解かわからないです。
(短大・専門学校生/女性/東京都)
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人間関係で苦労しないために、押さえておきたいポイント3つ
INDEX
どんなことでも基礎練習を大事にする
自分の作品を好きになるために、あえて知らない人や嫌いな人の写真を撮ってみる
単純に技術不足で自分が撮ったライブ写真が嫌いなら、好きになれるまでいっぱい撮ればいいと思う。
あとはどんな人の写真を撮るかで変わってくるかも。自分の近しい人や好きな人ばっかり撮っているなら、相手のもっといい表情を知っているからこそ、自分の写真でそれが表現しきれなくて嫌いになっちゃうのかな。それは相手のいいところを見つけるのがすごく上手ということだから、反対に全然知らない人や嫌いな人を撮ってみると「こんな一面あったんだ」と知るきっかけにもなるよね。
ライブ写真だけ撮っていてもダメ
ライブの写真ばっかり撮っていても、いいライブカメラマンになれるわけじゃないと思う。私もバンドでライブをする立場だからわかるけど、めっちゃ動きまわってるライブ中にいい瞬間を撮れるのは奇跡に近いんだよね。
私はバンドのボーカルでパンクロックを歌うけど、ちゃんと音を合わせるバラードの歌から練習します。バラードが歌える人じゃないと、パンクロックは絶対にうまく歌えない。だからたとえ好きじゃなくても、バラードやJ-POPも練習します。
なんでも基礎練習が大事だから、写真だったらまずは静止してる人を撮る練習をしてみるのがいいかもしれないね。
完璧にこなそうとしないで、ハードルをちょっと下げてみる
ライブをしている2時間の中で何百枚、何千枚撮って、いい写真が1枚でもあったら奇跡なんですよ。だから上手なカメラマンさんでもめっちゃ撮ってるし、バンドマンもSNSに載せる写真は厳選した1枚だけ。「いい写真が撮れるはず」って思ってるからハードルが上がってるのかな。
全部を完璧にしようと思うとつらいから、自分のハードルをちょっと下げてみるといいと思います。
「努力しました」と言うのは、結果を出してから
「頑張った」って言うのはすごく簡単。それに「結果を出した人以外の努力は誰にも響かないけれど」と思っているのなら、結果を出してから「努力しました」と言ったほうがかっこいいよ。
正解なんて誰もわからないから「これが正解だ」って自己暗示かけて自分に言い聞かせながらやるしかないんですよね。
情報をシャットアウトして視野を広く持つ
インプットとアウトプットの期間を分ける
私はワンマンライブの1ヶ月前から他のアーティストの曲を聴かないと決めていて、今まで得た情報の中から自分の世界を作るようにしています。
写真も好きな人の作品ばかり見てたらどうしても似てきちゃうし、視野が狭くなっちゃう。だから例えば1ヶ月間人の写真を見ないようにして、周りの情報をシャットアウトしてみると「これをやってみたらどうなるんだろう?」とアイデアが出てくるかもしれないね。
でも周りの情報を吸収する期間も大事だから、インプットとアウトプットの期間を作るようにしていて、ワンマンライブが終わったら他の人の曲をめっちゃ聴きます。聴かなかった期間があるから偏見もなくなるし、今まで以上にインプットの幅が広がります。
初心に戻るためにも一回周りの情報をシャットアウトしてみるのは大事なことかもしれないね。
自分のことを好きじゃなくてもいい
自分のことを好きじゃない人がカメラマンに向いてる
自分の写真を好きになれないのは自己肯定感が低いのかも。でもカメラマンになりたいなら、自分のことを好きじゃなくても全然いいと思います。カメラマンの我が強かったら自分の色が出過ぎちゃう。
自分のことが嫌いな人は、裏を返せば人のいいところを見つけるのが上手な人。写真も綺麗に撮れると思うから、カメラマンに向いているんじゃないかな。
性格を無理に変える必要なんてない
カメラマンさんはモデルさんをかわいく撮ったり、物をきれいに撮ったりするのが仕事だから、自分のことを好きでいる必要は全くないよね。私みたいに表に出る人は絶対自分のことを好きじゃなきゃいけないけど、カメラマンさんやヘアメイクさんはモデルさんをいかに素敵にするかを考えるのが第一だから、むしろいいと思います。
「自分のこと好きになりたいです」って相談してくる子多いけど、逆にみんなが私みたいに自分大好きだったら生きにくいと思うし。
自分のことが嫌いでも自分に合っている職業があるから性格を無理に変える必要なんてないし、自分が楽な生き方やライフスタイルができたらいいよね。
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執筆:伊藤美咲@misaki2018jp
撮影:藤城貴則@TAKANORIFUJI