再生と改革。 アメフト法大VS日大戦が投げかける 学生スポーツとお金の未来

編集部:ぱいん
2019/06/05
サークル・部活
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取材・撮影・執筆:学生の窓口編集部

どーも! 学窓編集部のぱいんです!

いきなりですが、6月9日(日)富士通スタジアム川崎で法政大学と日本大学のアメリカンフットボール(以下アメフト)の試合が行われます。

一見、華やかに見える大学スポーツですが、実は部の運営や試合の参加などに、相当のお金がかかることはあまり知られていません。その負担が、プレイヤーである大学生自身に重くのしかかっていることも。

監督やコーチの人件費に、遠征費、ジャージ、部のサプリメント代……etc。意外とたくさんのお金がかかっています。もちろんプロではないので、試合をしたからと言って、チームにお金は入りませんよね。


そんな状況を変えたいと考えているのが法政と日大のアメフト部。6月9日の試合は、アメリカ型の大学スポーツビジネスを手本として、選手やスタッフ自ら試合の運営をし、収益化をめざす、という取り組みです。

編集部ぱいん(体育会陸上部出身)としては、学生だってスポーツでじゃんじゃんお金を儲けていいじゃん。むしろ大学生っていう大人の入口に立っているからこそ、儲ける経験するのって大事だと思います。


というわけで、そんな面白いことをやろうとしている、法政大学の高橋佳佑さんと、日本大学の佐藤有華さんに、今回の自主運営試合にかける想いを聞いてきました。

(場所は日大アメフト部のクラブハウス。表札からも歴史を感じます。)


右:高橋佳佑さん
法政大学オレンジのマーケティングスタッフ。元は選手だったが、ケガを機に選手は引退し、元々興味のあったスポーツマーケティングの仕事を担当することに。

左:佐藤有華さん
日本大学フェニックスのマネージャー。関東学生アメリカンフットボール連盟(以下連盟)の仕事も兼務している。高校では吹奏楽部だったものの、日本屈指の実績を持つ体育会のチームマネジメントに興味を持ち、大学から運動部のマネージャーへ。

ー今回の試合の話はどのようなきっかけで持ち上がったんですか?

高橋さん:今回の試合のことは、法政から声をかけました。最初は、部の運営のためにお金を稼ぎたいっていう思いがきっかけです。
現在連盟を通して行われている大学の試合って、お客さんが少ないこともあって、チケット収入や放映権料など、そういったものが各大学の部活に入ってきづらい現状があります。元々そこに課題意識があったところに、監督の間で日大との練習試合の話が通じていたので、それを自主運営でやれば、お客さんがもっと入るように工夫できるのではないかと考えて、協力をお願いしました。

(企画資料抜粋:プレーをするだけでなく、運営面からも学生主導で行う意味がこめられている)


ーなるほど。そもそも両校の部の運営ってどういうお金で成り立っているんですか?

高橋さん:選手たちの部費とOB達からの寄付金で運営されている形です。
3年前の問題(※1)があった際に、OBでもあるドーム(アンダーアーマーの日本総代理店)の社長さんが、健全な運営のために声をあげてくれて、ユニフォームや防具などのサポートをしてくれるようになりましたが、それでも選手の負担は大きいですね。

※1:2016年、当時の監督がちくわなどの食料品を強制的に部員に購入させていたほか、得た利益や部費などを個人的に流用していたとされる金銭問題。

ー日大も同じような感じでしょうか?

佐藤さん:ほぼ同じです。日大はコーチがほぼ職員やOBだったので、部費や寄付金のほかに大学からもある程度のお金は出ていました。
ただ、昨年の事件(※2)があってから、OBとのつながりを減らすようにしていて、関わる大人が減って人手も資金繰りも苦しくなっているので、いろいろ大変です。

※2:2018年、相手チームの選手をケガさせるために、日大の選手が危険なタックルを繰り返したことと、それに関連する一連の問題。


ー健全化のために選手負担が増えるのって、やるせない感がありますね。

高橋さん:学生が主導で収支面も含めて試合運営を成功できたっていう実績を作りたいですね。大学スポーツの世界に一石投じられれば、大学に課外活動ではなくて課内活動にして、お金も出してもらえるようにするとかも考えられていいのかなって思います。
他の大学も続いてくれたらと思います。

ー高橋さんは、大学スポーツの課題について深く考えているようですが、今の大学アメフトで問題だな、変えていきたいなというところはありますか?

高橋さん:当たれば当たるほど脳震盪や怪我する危険性が増えるのに、日本ではそういう制限がないのがひとつ。
アメリカの例を出すと、春のシーズンとかって週に3日くらいしかフルコンタクトの練習ができなくて、試合は春の最後に何試合かやるだけ、夏はコーチが関わって練習しちゃいけないとかいうように、徹底的に安全面が管理されています。

あと、成績による制限もないところもですね。
アメリカは大学の成績に試合に出られる最低限のラインが設けられているんですけど、日本はそういうのがまったくなくて各部活の裁量なんですよ。

一番の課題は、大学スポーツに対して大学側があまり関与できてないこと。
各スポーツの試合を運営する学生連盟があるんですが、大学と学生連盟が同位にいるので、どうしても学生は競技優先になっちゃいます。選手の安全面とか権利とか学業とか、競技団体はその後の人生のところは考えてはくれません。だからこそ大学が包括的に体育局とかを作って管理することが大事なのかなと。

各大学ごとに体育局があって、最近立ち上がったユニバス(大学スポーツ協会)のような組織が統括するようになっていったらいいのかなって思います。
大学生が競技頑張って日本一目指すことも大事だと思うんですけど、その後の人生のことも大切だと思うんで、大学が学長の名のもとに、しっかりチームを仕切らなければいけないのかなと。

また、大学スポーツに問題が多いのって、部活ごとに横の関わりがなくて、中で暴力問題が起きてもOB会などの発言力が大きかったりして、外に情報が出ないことが多いので、その点からも大学がしっかり管理することが一番大事なのかなって思います。

ー法政の中では、安全面の管理や学業の部分なども考えて練習を組んでいるんですか?

高橋さん:3年前の事件の後で改革してアメリカ方式を取り入れるようになりました。
春はウェイトだけで、試合はシーズン3回くらい、練習は体づくり重視でフルコンタクトは少な目にしたんですよ。そしたらあまり勝てなくなったので、今年は少し変えて、シーズンのスタートを早めたらケガ人がちょっと増えている状況で、まだうまくできていないですね。

ー練習量と勝利の関係って難しいですよね。

高橋さん:昔はこわい指導者のもとでめちゃめちゃ練習して、体細くなるほど練習やってるチームが強かったんですよ。
それが今は外の情報が得やすくなって海外の情報も入ってきて、学生の情報量が違うので「なんでこんなに練習やってんだろう」とか思うし、結果残せてもそれでケガしちゃったらその後に結び付かないですよね。
日本にはアメフトのプロリーグもないしアメフトで食っていける人ってほとんどいないので、アメフトしかやってないという状況よりも、ほかのことにも時間を割きながら、少ない時間でもアメフトに集中してできたらいいんじゃないかと思います。
アメリカ人はそういうやり方で結果を出してるので、ぼくらもできるんじゃないかなって思いますね。


ー日大の練習はどうですか?

佐藤さん:練習のメニューに関して言うと、2017年に日本一になったときはやれるところまでやったって感じでした。
今はそういう風にはできる環境ではなくなりましたけど、当時は練習の意識が高くて、選手本人の自己管理もちゃんとしてて、プレー数も多かったし、めちゃくちゃ走ってたけどケガ人も少なかったのは、ほんとに気持ちの部分かなと。実は主将は左腕がちゃんと機能しない状態でも試合に出てて、それでも勝っちゃう。
(勝つためにやれるだけ練習したほうがいいのか、競技以外も大事にして練習を少なめにするのか)どっちが正解かはわからないですね。

高橋さん:死にそうになるほどやったらそりゃ勝つでしょうけど、僕たちのチームは「怖い監督がやれって言ってことをそのままやって勝ったってそのあとに何も残らないよね。」みたいな考えで進んでいます。
社会人に勝つという目標を掲げつつ、”正しいやり方で勝つ”を目指しています。


ー自主運営や学生主導という点が、今回の試合のキーワードにもなっていますが、運営をしていて、学生だけでやれる、やったほうが良いとは感じていますか?

高橋さん:学生だけでやったほうがいいなって思うことはないですね。
プレーして、運営に携わっているのは僕らなので、僕たちが声をあげなきゃいけないんですけど、そこには大人の力が必要です。プロモーションの面でダサかったりとか、告知力が弱かったりとか、学生はまだできないことが多いので、大人の方にはどんどんサポートに入ってほしいって思います。

集客面において、学生の観客を呼ぶという部分は、学生主導で任せてもらえたらとは思いますね。

 

ー運営面で目指している未来像のようなものはありますか?

高橋さん:アメリカのように学校が終わった後にみんなが見に行くスポーツを目指したいです。
試合のお客さんが保護者とかOBとか、抱えているジュニアクラブで限定的だったんですが、これからは法政大学の学生が自分たちの学校とかチームを好きになってくれて、自分の大学のチームだっていう愛校心で、人を多く呼べるようにしていきたいです。

 アメリカだと観客は大学生中心で、そこにOBも保護者もめちゃめちゃいて8万人とかのスタジアムが埋まるんです。ルールを深くはわかっていない人もいるみたいですが、みんなで同じユニフォームを着て見に行くってのが楽しみになっていて、そういうのが理想だと思いますね。

(企画資料抜粋:法政VS日大戦を期に目指していきたい未来であり、今回の試合の目的のひとつ)


ー最後に、今回の試合からアメフトに興味を持ってくれるかもしれない人に向けて、お二人がアメフトのどういうところが好きか、面白いと思っているのか教えてもらえますか?

高橋さん:何よりもほかのスポーツよりも派手。球技なのに格闘技っぽさがあるとこですね。ぶつかり合いの音もすごい。あと、アメフトはプレーが動くときは全員が全力なんです。ほかのスポーツは手を抜く瞬間やプレーに関わらない瞬間がありますが、アメフトは止まってるときは頭フル回転で、プレーのときは体を本気で動かす。そこにいろんな駆け引きもあって面白いんです。

 

佐藤さん:スポーツの全部が入っているところですかね。パスがあってランがあってキックがあってラインワークがあって、身体能力めちゃくちゃ高い選手が多くて一つ一つのプレーがすごい。ほんとうにいいスポーツだよねぇって思う。関わったらきっと好きになってくれると思います。

ありがとうございました。

 

大学スポーツを変えていこうとする法政大学と日本大学。
今後の大学スポーツに一石を投じるきっかけになってほしい。
試合は6月9日(日)に富士通スタジアム川崎で開催。キックオフは15時。
チケット代金は両校学生500円、前売り一般・当日学生800円、当日一般1000円。

この試合に学生の窓口会員のみなさまを抽選で10名に無料ご招待。

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2019年6月5日(水)15:00 〜 2019年6月7日(金)23:59

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編集部:ぱいん

書くことよりも調べることが好きな知的好奇心高め男子。編集部内でNHK担当と呼ばれています。休日はアウトドアか引きこもりのどっちか。

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