自己表現のしんどさや恥ずかしさの先にあるもの #大学1年生の転び方

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6月に連休がないことに気づき、気が滅入ってしまっている大学1年生のみなさま、かつては大学1年生だったときもあったような気がしなくもないみなさま、ごきげんよう。
ずっと昔から日付感覚と曜日感覚が欠如しているせいで、日常生活においてさまざまなな支障をきたしております、ものすごい愛です。
学生の方なら単位を落とさない程度に、社会人の方なら権利である有休をバシバシつかって、6月にも勝手に連休をつくってしまいましょう。

自己表現のしんどさや恥ずかしさの先にあるもの #大学1年生の転び方

前回トミヤマユキコさんのもとに届いた「転びエピソード」は、大学デビューと初モテ期の失敗でした。
わたし自身、モテとは無縁の大学生活でしたが、しっかりと大学デビューをかましたクチです。
緑色の髪の毛に鳥居みゆきさん風のメイク、服装は森ガール。
しっかり失敗しましたけどね! あははは!
でもまぁ、今となっては笑い話ですし、現在は着実にアップデートを繰り返しております。

さて、今回のお悩みはこちらです。

書くことに対してコンプレックスがあります。それでも、自分の表現を好きになりたいです。
本来なら大学4年になるはずだったのですが、ゼミの課題をこなせず「このままでは来年もうまくいかない」と休学を決めました。課題の文章量は多くて1万字程度でした。文章を書くことに慣れていないため書き進められず、また書いたものを人に指摘されると過剰に反応し落ち込みまくり、課題から逃げてしまいました。
どうしても「自分の書く文章は稚拙だ、周りより劣っている」という気持ちが拭えず、文章で表現することが好きになれません。 ですが、絶対克服したいです。

自分だけが読む文章は書いていて楽しいです。誰かの言葉に、出会いの喜びを感じる瞬間もあります。 来年復学したときには課題に向かえる自分になるために、人に読まれる怖さをなくし、人からの指摘を向上心や原動力にしたいです。
(女性/21歳/大学3年生)


文章を書くのって難しい!

文章を書くのって、とても難しいですよね。
わたしもこうやって連載をさせてもらったり、最近では本を出させてもらったりと、長い文章を書くことは今や生活の一部となっています。
文章を書くことはとても楽しいですし、これから先も続けていきたいと思っていますが、やっぱり苦しいときもあります。
しょっちゅう行き詰まっては「難しいよーーーー!!!」とキーボードをバシバシ叩き、すでに3個は破壊していますしね。

文章を書くことに限らず、曲をつくること、歌を歌うこと、絵を描くこと、写真を撮ること、短歌を詠むことなど、なにかを表現するのって、自分の表面だけでなく奥底まで向き合わなくてはなりません。
自分と向き合うのって、とてもしんどいし、面倒だし、恥ずかしい。
時間がとてもかかるうえに、どこまでも終わりがなく、向き合ったからといって正解に行き着くという保証もないんですよね。
そもそも、正解なんてものはないのかもしれないのです。

わたしの話で恐縮ですが、先日初めてを出しました。
正確な数字はわかりませんが、おそらく6万字ほど書いたのではないでしょうか。
こんなにもたくさんの書いたのは初めてで、書いて書いて書いて……書きまくっているうちに、わたしの文章はちゃんとおもしろいのか、わたしが伝えたいことはちゃんと伝えられているのか、だんだんわからなくなってしまい、自分が書いたものを客観視できなくなってしまったのです。

自己表現のしんどさや恥ずかしさの先にあるもの

あなたと同じように、憧れている人の文章や、多くの人たちに評価されている文章と比べてしまい、追い込まれていたときに「わたしの書く文章は稚拙で、劣っている」と、だいぶ落ち込んでいたのを覚えています。
今でもそのときの苦しみは少しだけ尾をひいていて、わたしも踠いている真っ最中です。
なんだよ! 相談に乗る側なのにまだ完全に解決してないのかよ! と言いたくなってしまう気持ちは一度飲み込んでいただけると助かります。

書き終えたときに思ったのは、「一朝一夕でどうにかなるものではない」ということ。
完全に解決はしていなくても、少しずつ楽になっていったきっかけや、具体的にどうしたらいいか気づいたことを、今回は共有させていただきますね。

自分が納得できるものを作り出すために大事なこと

人の意見や指摘との接し方についてですが、きちんと取捨選択しましょう。
まず、あなたを文章を読んだときに「なんかおもしろくない」「よくわかんない」などという、「どこが?!」「なにが!?!」と不安を煽られるだけの大枠での評価や具体性のない感想は気にしなくて大丈夫です。

だからといって、自分の都合のいい意見ばかりを取り入れてはいけません。

「あなたの文章のこういうところがおもしろくないよ」「この書き方ではあなたが伝えたいことが正しく伝わらないよ」「こういう風にしたらどうかな」という、耳が痛くても具体性のあるアドバイスは、あなたを否定したりあなたが書いた文章をバカにしているわけではなく、あなたのために、あなたの文章がもっとよくなるようにと言ってくれているとても価値のあるもの。

だから落ち込んだり、恥ずかしく思ったりしなくていい、それだけは心に留めておきましょう。
客観的意見や具体的なアドバイスを全て鵜呑みにする必要はありませんが、一度自分の中に入れて噛み砕くことは、今後文章を書くうえで必ず役立ってきます。

インプットの時間をつくろう

そして、せっかく休学をして時間があるのですから、インプットに時間をあててはいかがでしょうか。
アウトプットするのに、自分の中身が空っぽだとなにも出てこないのは当然です。

新聞でも、エッセイでも、学術論文でも、ファンタジーでも、好きな作家さんの本でも、興味はないけれど友達がすすめてくれた本でも、たまたま書店で手に取った本でも、誰かが書いた文章だったらなんでもいいんです。
選り好みせず、とりあえず片っ端からインプットしていくと、知識が増え、語彙力が養われるだけでなく、物事に対する感じ方が豊かになります。
物事に対する感じ方が豊かになることは、自分の好きなことや興味があることに気づくきっかけになります。

誰だって、好きじゃないこと、興味がないことについて書くなんて無理なんですよね。
わたしは、自分と夫と、友達が好きだから本にそれを書くことができたのだと思っていますし、人の心の動きにも興味があるから連載も楽しく続けることができています。
課題となると、その対象を心から好きになることは難しいかもしれませんし、無理矢理好きになることはなんだか不毛だと感じてしまうかもしれません。

でも、知ること、知って自分はどう思ったか、知ったことはなににつながっているのかを考えることは、誰にだってできそうですし、今後失うことのない強みになるはず。

そしてそんな大切な時間を過ごした自分、努力した自分のことは、きっと好きになれるのではないでしょうか。

巡り巡って誰かの心を救う

なにかを表現するとき、今回の場合は文章を書くときですが、自分の好きなものを、自分がいいと思って、心から納得して出せるのが1番いいですよね。
その自分が表現したもの、書いたものを心から安心して好きになれるのは、自分の知らないところで自分の知らない誰かか、好きだと感じたり、心の変化があったり、救いとなって初めてそう思えるのだと思います。
要するに、承認欲求です。
大きすぎて飲み込まれたり、それだけに突き動かされるのはよくありませんが、ある程度は承認欲求も表現には必要だなと最近実感しました。

あなたが今まで誰かが発した言葉に喜びを感じたように、あなたが発した言葉に喜びを感じる人は必ずいます。
克服したいという向上心を持って、どうにかしたいと今回相談してくれたあなたなら、そういう瞬間は近い将来訪れます。
それまでは、あなたの中にある引き出しを片っ端から開けて、“丁寧に書くこと”を心がけてみてはいかがでしょうか。

誤魔化さず、かっこつけず、丁寧にやったことは、あなたを裏切りませんよ。

大学生活の失敗談・転び
エピソードはこちらから

文・ものすごい愛
北海道出身。心身ともに健康だけが取り柄の、元社蓄のしがない主婦。洗濯洗剤はジェルボール派。AMにて『命に過ぎたる愛なし』を連載中。

連載:命に過ぎたる愛なし 
初のエッセイ本『ものすごい愛のものすごい愛し方、ものすごい愛され方』好評発売中。
Twitter:@ mnsgi_ai 


イラスト・saori・tanaka
北海道生まれの関東在住。文字とイラストを描きます。好きな食べものは梨。

Twitter:@ oyocois


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