遠い昔、はるかかなたのインカレサークルで……海坂侑の #わたしをつくった映画

海坂侑

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遠い昔、はるかかなたのインカレサークルで……海坂侑の #わたしをつくった映画

海坂侑、ハタチ

INDEX
1.プロローグ
2.海坂侑、ハタチの恋
3.男に影響された趣味の何が悪い?!
4.2分で読める! STAR WARS の魅力
5.観る阿呆に観ない阿呆、同じ阿呆なら……

うら若き学生のみなさん、こんにちは! 今日も青春、謳歌していますか? エッセイストの海坂 侑(うなさか ゆう)、28才です。そう、みなさんと同じ平成生まれ! まだまだ若いぞ、ナ・メ・る・な・よ☆

……えー、ありがたいことに学生さん向けのメディアに寄稿する機会をいただき、10才近く齢の離れた方々の面前にどういうテンションで登場しようか悩んだ末の結論が、上記になります。アラサーになってもこんな人間がいるんです。ガッカリさせてすみません。温かく見守ってください。

さてさて。今回の特集は「#わたしをつくった映画」をテーマに映画作品とそれにまつわるエピソードについてお話しする……というもの。ですが、すでに何の作品をご紹介するか、お分かりになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本記事のタイトルは当該作品の、映画史上もっとも有名な導入部と言っても過言ではない「A long time ago in a galaxy far, far away....(遠い昔、はるかかなたの銀河系で……)」のオマージュになっているのです。
そう、わたしをつくった映画はズバリこちらの作品です。

ドン!!

STAR WARS
1977 - 2018 /アメリカ
監督:ジョージ・ルーカス/アーヴィン・カーシュナ―/リチャード・マーカンド/J・J・エイブラムス/ライアン・ジョンソン/ギャレス・エドワーズ/ロン・ハワード
公式サイト

映画史、いや人類史に刻まれるべき不朽の名作。スペースオペラの金字塔。SF(サイエンス・フィクションではなくスペース・ファンタジー)の始祖にして今なお先駆者。
多くの偉大な映画人、そして世界中のファンによって大切に受け継がれながら進化を続けている、シリーズ自体が“生ける伝説”となっているのがSTAR WARS なのです。

そしてわたし海坂は、何を隠そうSTAR WARSの厄介なオタクでして、過去にはこのようなツイートもしています。


2年前から言ってたらしいです。しつこいですね。

これは昨年の夏のツイートです。アラサーにしてこのファッションはなかなか挑戦的ですね。ちなみに、自慢のキャップがコチラです。

ついでにすかさずTシャツも自慢するオタク。このドヤ顔。

かわいい! かわいい! フォースを感じる!

……アーッそこの作品を1秒も観たことのないあなた!! 自分には無関係な話だと今まさにページを閉じようとする手を止めて、もう少しオタクの話を聞いてください。
だってあなたもおそらくすでにもう、STAR WARS の世界の一員なのですから……。

『パ~パ~♩ パパパパ~パ♩』というトランペットの音色高らかなオープニングテーマと『デーンデーンデーンデッデデーン デッデデーン♩』という重圧感たっぷりのダースベイダーのテーマはきっとご存知ですよね?
ってことは、“ライトセーバー”という青色や赤色に光る剣と“フォース”という物を持ち上げたり人をブン投げたりするスゴい能力を使って、“ジェダイ”と呼ばれるヒーローがチャンバラする話だってことも、知ってますよね?
じゃあつまり、ダースベイダーっていう真っ黒い兜をかぶったラスボス的な悪役が、実はある人物の父親だった!! という衝撃の事実も、もしかしたらすでにご承知ですね?

それほどの知識があればSTAR WARS理解度70%クリアです! すごい! イマドキの若者はさすが、情報感度が高い! あとはもう世界観の素晴らしさに浸るだけなので今すぐ全シリーズ観よう!!!

……と、気が付けばここまで約1200字、オタク特有の超早口でまくしたててしまいましたが、わたし自身のエピソードも、STAR WARSの魅力もまだ全っ然伝えられてないですね……。これでは編集さんに怒られてしまうのでちょっと落ち着いて、まずはSTAR WARS とわたしの出会いについて、お話ししていきたいと思います。

遠い昔、はるかかなたの銀河系で…


海坂侑、ハタチの恋

……ハタチだから。ハタチだから大目に見てあげて。

まあ、遠い昔というのは2010年頃で、はるかかなたの銀河系というのは日本の関西地方なんですけれども。

海坂は一世一代の恋をしていました。お相手はインカレサークルで出逢い、熱烈にアプローチをしてくれた、同じ学年のNくん。かっこよくてインテリで都会的で、かっこよくて。やーもうマジでイイ男だったんですよ。しかし今思うとけっこう遊んでたな、アイツ。

それはいいとして(よくないけど)、彼はいわゆる“メジャーカルチャー”を地で行く男の子でした。カラオケではミスチルを歌うし洋服はマルイで買うし、雑誌は『Men’s JOKER』(先日廃刊してしまいました……)を読んで、好きなマンガはワンピース。
こうしてみるとひとつも趣味が合っていなくて不気味にすら思えてくるのですが、そんな彼と共有できた唯一の趣味が、映画でした

デートコースは決まって、映画館→ディナー。当時はネット予約なんてなかったので、映画館に足を運んで、そこで観る作品を決めるのです。代わり映えのしないデートコースだったけれど、一緒にいられるのがうれしくて、映画はどれも面白くて、まったく飽きることはありませんでした。
映画の魅力にハマっていったわたしたちはやがて、DVD を借りてきて彼の家で観るようにもなりました。中にはクッソつまらなくて途中でイチャイチャし始めてしまい、結末を知らずに終わった作品もあるにはありましたが、それもまた最高の思い出です。

彼はいつもわたしを尊重してくれて、わたしが観たいという作品を常に優先してくれていたのが今でも印象に残っています。
しかしそんな彼がある日、切羽詰まった表情でこう切り出してきたのです。

「ユウ、お願いがある。どうしても、STAR WARS シリーズを観てほしい


男に影響された趣味の何が悪い?!

ちょっちょっちょっと待った~!!
海坂アンタ、STAR WARS の原理主義オタクぶっておきながら結局は男に影響されたのかよ!
ツイートで「スターウォーズをデートの口実に使うな」だの言っておきながら自分が一番恋愛に活用してんじゃねーか、このフェイク野郎~!

という声が聞こえてきそうですが、そもそも愛する男の愛するものを愛して、何がいけないというのでしょう。
だいたい、映画や音楽、あるいはお酒……女の子が何かちょっと変わったものを好きでいると、必ずと言っていいほど揶揄されるんですよね。
「どうせ昔の男に教えられたんでしょ」って。

ハァーーーーー???
だったら何だって言うんですかァーーーーー???
好きになったきっかけに貴賤なんかあるんですかァーーーーー???
少なくともお前よりは愛がデカいですけどォーーーーー???

むしろ恋人の趣味のひとつにも染まったことがないなんて……よっぽどたいした恋愛をしていないか、もしくはちょっと度量が狭すぎるんじゃないカナ?☆

もし今後、そんなイヤミを投げかけられたとしても、まったく気にすることはありません。第一、影響されるほど素敵な人や趣味に出逢えるって、すばらしいことなんですから。

ていうかね、男にも映画にもどっぷりハマッてられるのが学生時代の醍醐味なんですよ!
社会人になってからはハマッてられる時間もないし、ハマりたいと思える男にもなかなか出逢えないものなんですよ! だから学生のうちにゼッタイ、好きな男にも猪突猛進でつっこんでいくべきだし、STAR WARS シリーズも全作観ておくべきなんですよ!!

当時はまだこ~んなに大きかった3D メガネ。


―――結局、わたしが暗黒面に堕ちたせいでN くんからはフラれてしまいました……。
でも2014 年のエピソード4 再上映、2015 年春に開催された「スター・ウォーズ展」、同年秋に公開されたエピソード7 、ぜ~んぶN くんと一緒に行ったんです♡
同じ趣味を持っているというだけで、恋愛関係よりも強い結びつきを得られているような気がして、わたしはうれしかった。やはりフォースを持つ者は惹かれ合うのじゃ……(突然のヨーダ)。そしてもう会わない今もなお、STAR WARS が変わらずに大好きだし、切ないかなN くんのことも大好きです。

でもNくんこないだ結婚したんだって~! オメデト~!
家族でSTAR WARS 観るたびにわたしのこと思い出してくれよな~!!(最低)


2分で読める! STAR WARS の魅力

スターウォーズ9

『スター・ウォーズ/エピソード9(仮題)』撮影終了時の様子 
(C)2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

現在シリーズ8作・スピンオフ2作がすでに公開済、そして今年2019年12月にはシリーズ最終章となる9作目が公開されるSTAR WARS 。
……と、こうして言ってしまうと、これから観る方々にとっては途方もない印象を与えてしまいそうなので、ごくごく簡単にご説明しますね。

STAR WARS は、実に42年の年月と約16億ドル(約1800億円)もの総製作費、そして天才ジョージ・ルーカス率いるルーカスフィルム社と天下のウォルト・ディズニー・カンパニーの総力をかけて制作されている、時代と世代そして時空をも超えた、それはそれは壮大な……

親子喧嘩の物語なのです。

舞台は遠い昔、はるかかなたの銀河系で、登場人物の多くが特殊な力を持った者たちです。しかし、どんなに強大な能力や地位を得ても、家族や子弟を想う愛憎からは逃れられないということをこの作品は教えてくれます。

そして、学生のみなさんにオススメの鑑賞ポイントがもうひとつ。そのパワフルすぎる親子喧嘩に巻き込まれる周囲の混乱ぶりに、ぜひ注目していただきたいです。親子喧嘩は反乱軍 VS 帝国軍の戦いの中で描かれているのですが、いわば軍は大きな企業。部下がいて、同僚(ライバル)もいて、メチャクチャ怖~い上司もいます。
つまり、銀河の戦いといえど描かれているのは、みなさんが今後出ていく社会の様子、そのものなのです。

しかし、なんとその怖~い上司、どうやら身内が敵対企業にいるらしい。自社にスカウトするために必死になり、兵士は使うわ必殺兵器はぶっ放すわ、勝手の限りを尽くしてしまいます。
現場はもう大混乱。某大手家具屋さんなんて可愛いもんだと思えるほどのお家騒動が繰り広げられていくのですが……。

その渦中でいつも苦しめられる中間管理職のキャラクターを、わたしは愛さずにいられません。帝国で役職に就くほどの人物ですから相当有能で、その地位へ上り詰めるまでには並々ならぬ努力があったはずなのです。
そんなヤリ手が、反乱軍との戦争、上司への畏怖、同僚への嫉妬、部下へのイラ立ちでモミクチャになっていく様子はまさに泥臭い人間そのもの。STAR WARS に邦題をつけるなら「中間管理職はつらいよ」でいいんじゃないかと思うくらいです。

そんな、特別な力を持たない者たちのドラマにもぜひ注目してもらいたいです。

これもカワイイでしょ! 手持ちのTシャツを自慢していくオタク。



観る阿呆に観ない阿呆、同じ阿呆なら……

現在まで続いているSTAR WARS シリーズは、公式発表では今年の年末に公開されるシリーズ9作目をもって一旦終幕となると言われています。
長かった親子喧嘩にも、ようやく幕が下ろされるときがきたのです。ウウッ、寂しい……。

しかーし!! 

今後、また新たなストーリーが少なくとも3作が公開予定、スピンオフは2作製作がうわさされており、実はこのSTAR WARS シリーズ、まだまだまだまだ終わる気配がないのです。ヒュウー!

世界的な人気を誇るSTAR WARS シリーズですから、新作が公開されるたびに全世界が湧き立ちます。今後しばらくコンスタントに新作が公開されていくそうなので、つまりあと10年以上はほとんど毎年、全世界が“STAR WARS 祭”に湧き立つことになるのですが……。
まだ観ていないみなさん、そのお祭りに参加しなくて、本当にいいんですか?

脅すつもりは到底ありませんが、STAR WARS を観ておくことは、若いみなさんにとって決して無駄にはならないとわたしは思います。
もちろん魅力にハマってもらえたならば先達のオタクとしてこれほどうれしいことはありませんが、もし「つまらないな」と感じたとしても、なぜこの作品が長きにわたって世界中で愛されているのかを考えてみるのは、なかなかよい勉強になるのではないのでしょうか。

それに何より! STAR WARS は共通言語としても便利なのも実際のところです。社会では世代も違えば立場も違い、生きてきた文化も違う多様な人びとと関わり合いながら生きていくことになりますよね。そんなとき、相手との距離を急速に近づけられるのが、共通の話題です。

同じ会社にいるけれど普段はほとんど話すこともない別部署の同僚がふと「そういえば、STAR WARS の新作公開っていつでしたっけ」とボソリとつぶやく。すると
「あれ? もしかして今週ですか?」
「来週末ですよ!」
「おっ、海坂さんもSTAR WARS 好きなの? 旧三部作と新三部作、どっち派?」
……と、フロアに散らばる部署も役職もバラバラなSTAR WARS ファンが自然と集まり、会話の輪が広がっていくのです。これはわたしが実際に新卒入社した企業で体験して、とってもうれしかった思い出です。
ファン同士で語るSTAR WARS トークのなんと楽しいことか。考察し合ったり、魅力を分かち合ったりできるフトコロの深さもまた、この作品の素晴らしさなのだと思います。


オタク語りが長くなってしまいましたが、未来あるみなさんにはぜひ、STAR WARSに限らずついついオタク語りしてしまうくらい好きなものを何かひとつでもメチャクチャたくさんでも、見つけてほしいなと思います。

それは間違いなく、みなさんの人生をより輝かせるものになってくれると思うからです。
それでは、最後はあの言葉でお別れしましょう。

May the Force be with you.

ダークサイドに堕ちながらも最後までトレーナーを自慢するオタク。

文:海坂侑
写真:海坂侑・mao nakazawa

STAR WARS作品情報:
1977 - 2018 /アメリカ
監督:ジョージ・ルーカス/アーヴィン・カーシュナ―/リチャード・マーカンド/J・J・エイブラムス/ライアン・ジョンソン/ギャレス・エドワーズ/ロン・ハワード
公式サイト
2019年12月20日にエピソード9が公開予定


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