俳優・小関裕太の #叱られ力 「ダメ出しを力に、落ち込む時間は短く」

編集部:すい

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子役時代から、役者としての経験を積んできた小関裕太さん。作品を作るにあたっては、監督や周囲からダメ出しをされる場面も多かったはず。そこで今回『若手俳優たちの叱られ力(りょく)』というテーマで、小関さんが意識している叱られた後の対応や、気持ちの切り替え方について語ってもらいました。また、2月22日公開の映画『サムライマラソン』では、正義感の強い若侍・三郎役を熱演。今作の撮影秘話も語ってくれました。

取材・文/落合由希
写真/為広麻里
編集/学生の窓口編集部

【INDEX】
1.「ダメ出し」は気づきを得るきっかけ
2.落ち込む時間は短いほうがいい
3.自分の思いは資料にまとめて伝える
4.同世代・小関裕太から大学生へ伝えたいこと
5.撮影秘話(1)時代劇なのに「アドリブ」だらけ
6.撮影秘話(2)カマキリだけじゃなかった極寒の田んぼシーン
7.撮影秘話(3)小関裕太が考える三郎の裏設定
8.小関さんサイン入りチェキプレゼント

「ダメ出し」は気づきを得るきっかけ

――小関さんは子役の頃からこれまで、演技の面で叱られる場面もあったと思います。そのとき、どう受け入れていますか?

舞台やドラマ、映画の現場においては、叱られることを「ダメ出し」と言います。たとえば「もうちょっと明るくやってみて」「もう少し陰があるような感じで」とか、「今日の稽古はここがダメだった。だから明日はもっとうまく言えるように」みたいに。

でも、ダメ出しってプラスなことだと思うんです。もっといい作品を作るためのものだから。逆にダメ出しがもらえない現場があると「(今まで)あれだけダメ出しされてきたのに、言われなくなった。本番まであと1カ月もあるのに、もう完成しているのかな? もっとダメ出ししてくれないのかな?」ってすごく不安になるくらい。

普段から叱られることがあったとしても、そういうものを全て「ダメ出し」と名づければもっとよくなっていくというか、まわりからも好かれて、自分でも自分を好きになれるんじゃないかな、って。

ダメ出しをもらえるって、自分が気づかなかったことに気づくきっかけだと思います。みなさんも叱られたときは、「ダメ出し」と受け取って、より素敵な人になっていくための糧だと思って聞いてほしいなと思います。

落ち込む時間は短いほうが、いい循環が生まれる

――ダメ出しされて落ち込むことはないんですか?

瞬間的にすごく落ち込むことはあります。でも、撮影の現場ではすぐ次にいかなきゃいけないので、「今何がいけなかったんだろう。あ、こうすればいいのか? よし、1回やってみよう」って、実際にやってみる……っていう感じですね。

――「落ち込んでるヒマはない!」みたいな。

ないですねぇ。スポーツ界ではそれが普通みたいで、“落ち込む時間”が短ければ短いほどいいらしいんですよね。反省したあとに気持ちを切り替えて、次に向かう時間が短ければ短いほど、いい循環が生まれやすくなる。そうすることで、アスリートは成長してうまくなっていくらしいです。

――落ち込んだあとの気分の切り替えはうまいほうですか?

たぶん、うまいほうだと思います。きっとこのお仕事を小学生の頃からやっていたから、徐々にうまくなっていったんでしょうね。

だって(同じシーンでも)最初は「セリフの言い方」のダメ出しをされて、今度は「行動」のダメ出しをされて、次は「目線」のダメ出しをされて……みたいなこともありますし。それで、「目線」に気をつけてると、今度は「言い方」が元に戻っちゃったりして(笑)。

――パニックになりそうですね(笑)。

そうなんです。でも、パニックになっちゃったら進まないっていうのを小中学生で経験してたから、少しずつ「はい、わかりました」って冷静にできるようになった気がします。

自分の思いは資料にまとめて伝える

――ダメ出しの内容が「自分の納得いかないもの」だったとしたら、不満に思ったりしませんか?

不満に思うこともあります。でも、納得できなかったら「違うんじゃないですか?」ってわりと言っちゃうタイプなので。僕らは“いい作品を作る”という同じゴールに向かって進んでいくために、納得いかないことは話し合って、納得した上で進んでいきたいです。

――自分の意見を監督にうまく伝えるためにしている工夫はありますか?

スケジュール上、事前にお会いする機会がなかったりするので、そんなときは僕の思い描くその役の人物像をデータにして、書類を送ったりしています。

――そんなプレゼンみたいなことをするんですか?

そうです。ただ、「この役はこういう性格だと思うので、こう演じようと思ってます」と伝えるだけじゃなくて、「この中で『違うな』と思うものがあったら教えてください」とお送りしています。撮影はとにかく時間がタイトなことが多いので、現場に行ってから「いや、それは違うと思います」という議論が始まっちゃうと、現場が止まってしまうし、いろんな人を巻き込んでしまうと思うんです。

まずはそういう状況にならないように、どうするのがベストなのか、どうすれば全員で気持ちよく作品づくりができるのかを考えながら、自分の意見を言うようにしています。

もちろん、失敗した経験も何度もあります。マネージャーさんに「さっきのあれ、ちょっと言い方強かったんじゃない?」って言われることもあったし……。失敗したり、うまくいったり、いろんな経験を経て、今のスタイルに至ってますね。

同世代・小関裕太から大学生へ伝えたいこと

――同世代である大学生のみなさんへ伝えたいメッセージはありますか?

僕は、学生時代にやっておけばよかったと思っていることがあります。それは「企画をすること」です。本当は文化祭実行委員とかをやりたかったんですけど、もしかしたら仕事で行けないかもしれないとか、出席できないかもしれないと思うと、なかなか参加できなくて。だから、「やっておきたかったなぁ」という悔いが残っています。

その後「学生じゃなくても企画はできるはず。なにか作ってみよう!」と思って、友達に「ちょっとお芝居を作ってみたいんだけど」って声をかけて、作品を作ろうとしたりもしました。劇場を回ってどれくらいお金がかかるのかを計算したり、人をどうやって集めよう、どういう作品を作ろうとか話し合ったこともあります。でも、だんだんみんなとスケジュールが合わなくなってきて、結局ゴールまでたどり着かず終わっちゃって。

だから、大学生のみなさんには僕のようにやりたかったことに対して悔いの残らないような大学生活を送ってほしいなと思います。

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編集部:すい

編集部:すい

お笑いとK-POP好き。名前の由来は「すいすい物事がうまくいくように」「水のようにチームになくてはならない存在になるように」から。
★ほっとけない学生芸人GP(@gm_hottokenaigp)運営も兼任中。

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