もしも大学生が『シュガー・ラッシュ:オンライン』の声優をやってみたら
ゲームの中の世界を舞台にした、ディズニー・アニメーション映画『シュガー・ラッシュ』(12)の最新作、『シュガー・ラッシュ:オンライン』が12月21日(金)の公開まで、もう間もなくとなりました。主人公ラルフとヴァネロペのコンビが再び! 今度はインターネットの世界へ飛び出して、騒動を巻き起こします。
学生の窓口編集部は今回、『シュガー・ラッシュ:オンライン』の声優に、ミスオブミス2018グランプリで駒澤大学4年の黒口那津さん(@koma2017_miss4)が初挑戦するということで、その模様を取材してきました!
それでは、気になるアフレコ現場に突撃してみましょう。黒口さんを指導していただいたのは吹替演出の清水さんです。
今回録るのは、インターネットの世界でラルフが問題を引き起こした結果、現実世界にも影響が出てしまうというシーンです。快適にネットサーフィンを楽しんでいたのに、急に接続が切れてブラックアウトしちゃう。そういう場面で、被害を受けた女性の「えっ?何これ!もう最悪!」と怒るセリフをお願いします。
現実で急にネットにつながらなくなるとか、そういう経験はある?
それは良かったです(笑)。
では、日常でよくあるということなので、そのイライラをオーバー目に表現してみてください。
んーどうでしょう?わかってほしいような。わかってほしくないような。
理想を言うと、アニメだろうと実写だろうと関係なく、このキャラクター自身がしゃべってるって思わせたい。この声を聞いたときに別の人の顔が浮かんじゃうのは良くない。
なので、自分ではない別の人物になれるよう作っていきましょうか。年齢や性格、またこの見た目からどんな声が出てきそうか、イメージを膨らませて声を出してみてください。じゃあ一発目いってみましょう。
うん。声を出す1秒か2秒前に息を吸っておきましょう。そうすると映像のタイミングに合わせられると思います。さ、もう1回。
合ってきましたね。
次は台本の持ち方。下に持つと顔が下に向くから、台本を高く持ってみよう、顔が下向くと声が暗くなるしマイクにも入らなくなっちゃう。こうすると声も出るし、映像も台本も同時に見られます。
声優の収録風景とか、テレビなんかで見たことあるポーズでしょ?
そう、だいたいこういう姿勢を取ってる。いい姿勢をキープして、次、やってみましょう。
もっと声のボリュームを上げてみましょうか。この人は年齢も違うし人種も違う、今だと黒口さんそのままだよね。それをちょっと別のところにずらしていこう。
あと「もう最悪」の部分が、口の動きに対して長いから、短くいってみようか。
「えっなにこれ、最悪!あっ」(セリフを間違える)
失敗しちゃいましたね。失敗は成功のもとです。もう1回やってみましょう。
「えっ! なにこれ! もう最悪!」 って1個ずつ切ってみましょうか。
だんだん声も出てきましたね。
じゃあこれに表情を付けてみようか。声だけ聴いても楽しそうな顔か不機嫌そうな顔かわかりますよね。それを表現するためには実際に自分も嫌そうな顔をしてしゃべると、雰囲気が伝わりやすくなります。よし、もう1回。
声の大きさは今くらいでいいよ。これ以上小さくなるとパンチなくなっちゃう。
もう少し声の年齢が上がるといいな。今度はちょっとおばちゃんみたいな、何かにつけ文句言う人のイメージで声を出してみましょう。
なんか高くなりましたね。自覚症状ありです。
自分で理解できているのが良いですね。もう一度しっかり声を出すことを意識してみましょう。普段の自分より大きな声が出てくると、普段どおりの口の動きだとしっかり発音できないから、口の動きも大きくしましょう。
もう少し怒っている人のパンチが効くといいなー。最初は何が起こっているのかわからない、で一瞬あとに理解して怒るっていう流れを出せるといいね。
安定してきたね。最後まで低い感じのものに挑戦してみようか。なるべく大きな声で低いままで。
―お疲れ様です。初めて声優にチャレンジということでしたが、率直な感想はどうですか?
難しかったです!声だけの演技って顔もフリもつけられないので、何よりも難しいのかなって思いました。
初めのほうはもう、声というよりもどう合わせるかの部分に意識がいっちゃって、タイミングばかり気にしちゃいました。慣れていくまではうまく声が出せなかったです。
―声の高い低いとか年齢をあげるとか、キャラクターになりきるという部分は、上手にイメージしながらできましたか?
私は怒りっぽくて、ネット依存症なところもあるので、共感できるキャラクターでした。気持ちを込められたので、けっこうなりきれたんじゃないかなって思います。でも、そのイメージを声だけで表現するのが大変でした。
―自分の声がイメージ通りに出せているか、どういう声の出し方をしているのかは、理解しながらできた感じなのでしょうか?
やっぱり自分の声なので、違うなってときは発言している時点ですごいよくわかります。考えてる声と出てる声が違うみたいな。あと、自分の中で正解がどれかわからずにやっていた感じだったのが難しかったです。これでいいのかなって悩みながらいろんなパターンの声を出そう頑張りました。
―お仕事として声優に興味は湧きましたか?
はい! 声だけで何かになれたのが楽しかったです! 声優は今までやったことなくて、お仕事では考えていなかったんですが、今回すごく面白かったので、これからは声優もやりたいって言っていこうかなって思っています。
―ありがとうございました。
黒口さんは、卒業後もモデルや役者など、芸能系のお仕事に進む予定だそうです。また別の作品で声を聞く日が待ち遠しいですね。
黒口さんが今回声優を務めた『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、12月21日(金)に全国公開予定。ラルフとヴァネロペが繰り出すインターネットの世界を、あなたもぜひ体感してみてください。黒口さんの声がどこで登場するかもお楽しみに。
映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』12月21日(金) 全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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文・編集・撮影/学生の窓口編集部