エア大学生ハル&テルの“配信”お気軽シアター #3ラブソングができるまで
エア大学生のハルくんとテル先輩が、Amazonプライム・ビデオやNetflixなどのサブスプリクションで配信されている映画作品の中から、おすすめをピックアップして紹介してくれる企画。今回ご紹介する作品は『ラブソングができるまで』。2人は今日も、ソファーでゴロゴロくつろぎ、映画を観ています。
今回はドリュー・バリモアとヒュー・グラントのロマンティックコメディ「ラブソングができるまで」。とにかく音楽がよかったですね♪
今も脳内で曲が流れてるよ! 俺は公開時(2007年)に観てるから、もう10年間も脳内ヘビーローテーションだよ。どの曲もクセになる魔力があって頭から離れないんだ。
映画のあらすじは、80年代に「PoP」というツインボーカルの人気バンドがいて、主人公アレックス(ヒュー・グラント)はそのボーカルの一人。90年代に「PoP」は解散するも、もう一人のボーカルだったコリンはソロでも成功してそのままスター街道へ。一方アレックスはもはや「あの人は今?」状態に……という感じですね。
「PoP」のプロモーションビデオから映画が始まるんだけど、そのクオリティがすごい。80年代のMTVの感じを完全再現してるんだ。後ろ髪が長いあの時代独特のビジュアルで、安っぽいドラマを演じながらとシンセ音の音楽が流れる。
昔の全日本プロレスの冬木&川田のフットルースもあんなビジュアルでしたね。
お前、よく知ってんな! まだ今の大学生は生まれる前だぞ。 ホントは年齢いくつだよ?
映画の話に戻りますと、表舞台では見なくなったアレックスは体のでかいマネージャーと2人で細々と営業活動しているんですよね。遊園地の超ミニステージや同窓会イベントなどで昔のヒット曲を歌うドサ回り。しかもバンド演奏ではなく、マネージャーがカラオケを流して。
一見哀しいシチュエーションだけど、当時好きだった女性客たちは喜んでノリノリだし、曲もいいから、そんな悲惨に見えない魅力があの営業ステージにはあったよ。
そんなアレックスにビッグチャンスがきます。ティーンに大人気のカリスマ歌手コーラ(ヘイリー・ベネット)から、アレックスに新曲を書いてほしいとのオファーが! コーラは幼い頃アレックスの曲に励まされたファンだったのでした。
でもアレックスは、作曲はできるけど作詞ができない。そこで偶然出会うのが植木の世話係のソフィー(ドリュー・バリモア)。文学的才能はあるけど何かワケありなソフィーと新曲を共同作業していくことになると……
はい、ストーリーはそこまで! あとは観てからのお楽しみ。これでもまだ前半の前半ですから、大丈夫ですよ、みなさん。
この映画の何がすごいって、ドリュー・バリモアを食うぐらいヒュー・グラントが魅力的なんだよね。あの最強の笑顔のドリューを上回る魅力だよ、すごいよ。ちょい斜めに傾いた姿勢で眉毛八の字にして困り顔でとぼけたセリフ言うのが、今回ハマりまくってんだ。なんかチャーミングなんだよ。曲もクセになるけど、彼自体を見るのがクセになるよ。
あと、歌手のドサ回り営業を描く映画といえば内田裕也さんの「嗚呼! おんなたち猥歌」(1981年)を思い出すな。裕也さん演じる売れないロック歌手が、商店街のレコード屋に営業に来て歌うんだけど誰も聞いてないんだ。拍手するのはマネージャーの安岡力也だけ。あっ、これも歌手より大きな男がマネージャーって設定同じだ。もしかしてハリウッドはこれをリメイクしたのかな?
んなワケないでしょ、結末が異次元に違いますよ、その映画は! でもどちらも素晴しい結末の映画ですね。
★ハルくんとテル先輩からのおすすめ鑑賞ポイント
【1】80年代MTV風ビデオの完全再現&クセになる数々の曲!
【2】ヒュー・グラントのとぼけた味わい&やっぱり素敵なドリュー・バリモア!
【3】物語後半に出てくるマジソンスクエアガーデンでのライブも見逃せない!
>>ラブソングができるまでを観る
※2018年12月4日現在Amazonプライムビデオで配信中
文・イラスト:花くまゆうさく
漫画家&イラストレーターとして、あちこちで活動中。
ホームページ:http://www.hanakuma.com
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