アンチとは? 意味と使い方を解説!【例文あり】
「アンチ」という言葉を一度は見聞きしたという方も多いのではないでしょうか。
「アンチ」は昔から一般的に使用されている用語なので、意味を何となく知っているという方も多いでしょう。
しかし、最近ではインターネット上を中心に本来の意味からさらに発展した使い方が主流のようです。
「アンチ」を普段から使っている方にとっては、興味深いのではないでしょうか。
そこで今回は「アンチ」の意味や使い方・現代での新しい使い方について解説します。
これまでのアンチの意味は?
私たちが私生活で目にすることが多い「アンチ」は、英語の「Antipathy」に由来する言葉です。
英語では「反感」や「嫌悪」「対抗」といった意味があることから、「アンチエイジング」や「アンチウイルス」などのように言葉の前につけることで対抗や反感の意味を加えます。
アンチを使った例文
これまでの「アンチ」の意味を振り返ってみましょう。
アンチエイジング | 「エイジング」(加齢)に「アンチ」(対抗する) |
アンチウイルス | 「ウイルス」に「アンチ」(対抗する) |
テレビやネットニュース・広告などで目にする言葉ですよね!
現代では「アンチ」の意味が悪い方向へ変わっている!?
現代ではインターネットを中心に、これまでの「アンチ」という意味ではなく「アンチ」が本来持つ意味を、さらに発展させて使うようになったようです。
ネットで使われる「アンチ」とは?【恐ろしい意味】
SNSを中心にネット上で使われる「アンチ」は、特定の個人や企業、団体や製品をターゲットにして匿名で攻撃することや、嫌悪している企業や製品について悪意のあるコメントを匿名で書き込んで執拗に叩く行為、あるいは行為そのものを指すようになりました。
従って、SNSなどインターネット上で「アンチ○○」と使われているという言葉は、「反論者」や「攻撃者」「執拗に叩く人」などのように虫の好かない気持ちを表していることがわかります。
ネット上での「アンチ」の使い方は?【例文あり】
・コメ欄に「アンチ」がわいてきたw ・あのアイドルグループには「アンチ」ファンが多い。でも裏を返せば魅力的だということです。 ・巨人の話で盛り上がっていたけど、「アンチ」の自分は参加できませんでした。 ・君ってもしかして、巨人の「アンチ」? ・このゲームのアンチ、出て来いよ |
芸能人やYouTuber・政治家など目立つ人達を快く思っていない人たちが登場した際に呼称として示したり、自称したりするときなどに対して使う傾向にあります。
「アンチ」の使い方のひとつに、接頭辞としてほかの言葉にくっつけずに独立して使用するケースも見られます。
たとえば、プロ野球の巨人の試合の話題で盛り上がっているときに、1人だけ静かにしていると「君ってもしかしてアンチ?」と聞かれる場合があるでしょう。
この場合「アンチ」とは「巨人を嫌う人」という意味です。
また、特定の個人や企業、団体を攻撃する人たちが集まる匿名掲示板スレッドを「アンチスレ」と表現する光景も見られるようになりました。
「アンチ」と似たような言葉
「アンチ」と似た言葉としては、以下が挙げられます。
・アゲインスト ・へイター ・ブーイング |
「ヘイトスピーチ」を行うなどで使う「ヘイト」を発展させた「ヘイター」も「アンチ」という意味で解釈できるでしょう。
「へイター」とは、嫌うという意味の英語「hate(ヘイト)」が派生して誕生したとされています。
ネット上では、「自分のことを嫌いな人・気に入らない人」という意味で「へイター」という言葉を使うようです。
また、英語では「反対」などの意味がある「アゲインスト」、スポーツなどで不満の声を上げる「ブーイング」も「アンチ」とやや似ている意味の言葉だと言えます。
「アンチ」の対義語ってあるの?
「アンチ」の対義語として使われている言葉には、英語の「sympathy(共感、支持)」が語源の「シンパ」もあるようです。
しかし、「シンパ」はネット住民の間でも知らないというケースが多いだけでなく、代わりに「信者」という意味の「ヲタ」「クラスタ」で代用しているケースもあるようです。
「アンチ」の使いどころに注意【アンチ被害に遭わないためにも】
「アンチ」の使い方を知ると、使ってみたいという気持ちに駆られる方もいるかもしれませんが、決して良い言葉ではないため使いどころに注意しましょう。
特にネット上では、自分の意見とは違う人を見ただけで虫唾が走るという考えを持つ方や、日常生活のストレスをネット上の「アンチ活動」で発散するという、とんでもない方も一定数存在します。
匿名性が高いインターネットだからこそ、自分に対する「アンチ」を防止するためにも発言のひとつひとつだけでなく、発言する場所にも注意したいものです。
ゲームでは別の使い方!変換ミスに注意
同じ「アンチ」という言葉には、ゲーム内における「安全地帯」を省略した「安地(あんち)」という言葉もあります。
ゲームの話題の場合は漢字を短縮した「安地」が主流のようですが、思わぬ誤解を招かないためにも、うっかりカタカナで書くなど変換ミスのないようにしましょう。
まとめ
「『アンチエイジング』や『アンチウイルス』という言葉だったら知っている」と言う方にとって、ネット上でよく使われる「アンチ」の意味を知って驚いた方もいるかもしれません。
インターネット上で使われている「アンチ」は、「反論者」や「攻撃者」など、これまでの意味をさらに発展させています。
この記事をきっかけに意味を覚えておくことで、使いどころを間違えないだけでなく、自分のアンチ対策にも役立てるかもしれません。
執筆:ヤマダ ユキマル
国公立の美術大学を卒業後、広告代理店やデザイン事務所のクリエイターを務める。現在はライターとして活動中。ビジネス関連や健康分野、デザイン関係、茶道、アウトドア、DIYなど幅広い分野のオウンドメディアに連載中。